サバの生き腐れとは?生きたままのサバを食べても食中毒になる??
アジやイワシではなくて、なぜサバ?
経験上生まれた「サバの生き腐れ」ということわざ。
現代の知識で「腐る=食中毒」と考えて本来の意味を考えてみましょう。
サバの食中毒は2種類 (3種類??)
①アニサキス
生きたサバにはアニサキスが潜んでいる場合があるので、刺身で食べた場合に食中毒になる場合も。
生きたサバを食べても鮮魚を食べても同様です。
②ヒスタミン
食べるとアレルギー症状が出るヒスタミン。生きたサバや、しっかり冷やされているサバにはヒスタミンはありませんが、赤身魚であるサバの鮮度が落ちるとヒスタミンが生成されます。
一度ヒスタミンが作られると、加熱しても壊れないので塩焼きなどにしたサバでも注意が必要です。
現在は漁獲後から十分冷やされているのでヒスタミン食中毒は非常に少なくなっていますが、昔は氷も貴重だったので、このことわざができたころは、ヒスタミン食中毒も多かったでしょう。
これら2つの経験から、生きたまま腐るということわざが生まれたと考えられます。
このように、経験で言われていたことが後から証明される事は結構多いのです。
ところで最近は、アニサキスを食べるとアレルギーが出る人がいることもわかってきています。
そのような体質の人は、鮮度が良いサバを食べてもアニサキスによるアレルギーで体内でヒスタミンが生成されてしまう場合もあります。
ヒスタミン食中毒の半分はアニサキスアレルギーではないかとも言われており、サバの生き腐れの原因の③として、「アニサキスによるアレルギー」の事を指した可能性もあります。
アレルギーは免疫反応なので食中毒とは呼ばないという医師もいます。
このあたりはまだまだ結論が出ていない研究途上の分野です。
いずれにせよ、しっかり考えることで、目の前で取れてぴちぴちしているサバなら、ヒスタミンの心配はなくアニサキスだけ注意すればいい事がわかり、冷凍すればアニサキスもやっつけられて安全だと考えられます。このような積み重ねで魚を安全にさばけるようになってきます。
20年前、釣って来たばかりのサバを刺身にして、光にかざしながら食べた記憶があります。ビクビクしながら恐る恐る食べたので味はわかりませんでした。
無理せずに自分の知識の範囲で安全に食べてくださいね。