メルマガ 海蔵寺りかこの “なーるほど、水産販促企画” 2019.10~2020.12

“なーるほど、水産販促企画”  (20)  流行の予感(メルマガ2021年1月号)以後は、こちらから。

 

“なーるほど、水産販促企画”  (19)  年に一度のことだから(メルマガ2020年12月号)

“なーるほど、水産販促企画”  (18)  どうなる?2021(メルマガ2020年11月号)

“なーるほど、水産販促企画”  (17)  ミールキット(メルマガ2020年10月号)

“なーるほど、水産販促企画”  (16)  魚焼きグリル?(メルマガ2020年9月号)

“なーるほど、水産販促企画”  (15)  「ウィズコロナ」の国産国消(メルマガ2020年8月号)

“なーるほど、水産販促企画”  (14)  鰻を仕掛ける(メルマガ2020年7月号)

“なーるほど、水産販促企画”  (13)  初夏の味覚(メルマガ2020年6月号)

“なーるほど、水産販促企画”  (12)  つたえる力(メルマガ2020年5月号)

“なーるほど、水産販促企画”  (11)  その先を考える(メルマガ2020年4月号)

“なーるほど、水産販促企画”  (10)   新型コロナウイルス対応に思う (メルマガ2020年3月号)

“なーるほど、水産販促企画”  (9)  やっぱりお寿司が好き! (メルマガ2020年2月号)

“なーるほど、水産販促企画”  (8)  シズルをデザインする (メルマガ2020年1月号)

“なーるほど、水産販促企画”(7)「ONE TEAM」で豊かな食情報発信!(メルマガ2019年12月号)

“なーるほど、水産販促企画”(6)「嫌いになったわけじゃないの」(メルマガ2019年11月号)

“なーるほど、水産販促企画”  (5)  季節感と惣菜化 (メルマガ2019年10月号)

 

 

 

メルマガ2020年12月号

 

年に一度のことだから

 

今年の食品スーパー関連は、お歳暮、クリスマス、おせちなど総じて好調のようです。先週おせちの予約に行きましたが、高価格帯を中心とした限定品はほぼ完売、我が家がめざすボリュームゾーンのおせちはなんとか確保できました。来年は3が日休みのスーパーもそこそこ出てきています。3が日買うところがないわけではありませんが、どれくらい買いだめしておけばよいのか心配です。少なくとも12月31日の食品売場は「密」確定ではないでしょうか。

 

すでに11月末から「数の子」など年末商材は展開されていますが、いつも思うのは「おせち商材には必ず使い方や盛付をセットにしてほしい」ということです。

 

私がクッキングサポート担当だったころ、各店スタッフは、毎年同じおせちのレシピを出し、同じ盛付サンプルを展開していました。なぜかというと、おせちは1年に1回のことなので、お客様もどうしても「うろ覚え」になりがち、「数の子の塩抜きどうするんだっけ?」「重箱にどうやって盛り付けるんだっけ?」と確認したくなるわけです。レシピや盛付をパッと見ると「ああそうだった」と思い出すのですが、その「パッと」は、忙しい主婦に気づきをくれ、とても重要です。盛付の写真を撮ったり、とりあえず参考になりそうなレシピは手を伸ばすお客様は少なくありません。

かまぼこの飾り切りなどができちゃうと、「何?どうするの?」と注目度は格段にアップします。それ以上に、今年初めておせちを作ろう、盛り付けよう、というお客様は毎年確実にいるわけで、そういう新規顧客に一声かけられる売場であることが、キワの大事な時期の店舗選定理由につながります。

 

さらに、年末年始のレシピサイトの検索急上昇ワードは「おせちリメイク」です。

「数の子1箱買ったけど余っちゃった、えびも使いきれなかった、煮しめも残った、どうしよう?」

今度の正月は例年以上にリメイクネタは求められることでしょう。ちなみに、「数の子リメイク」で検索すると、炊き込みご飯、ピザ、パスタ、玉子焼きなどが登場、いかに苦労して皆に人気で簡単なものにアレンジしているかがよくわかります。 是非数の子のPOPには「余ったらパスタやピザのトッピングにも使えます」の一言をお願いします。

 

 

 

 

 

メルマガ2020年11月号

 

どうなる?2021

 

さんまが2か月近く遅れて店頭に並ぶようになった中、スーパーの販促担当には「さんまで鍋用、煮物用のメニュー提案をしましょう」と話しました。2か月遅れてもさんまはさんまですが、季節は大きく変わり、お客様の食卓も変化していることを忘れずにいただきたいということ、実際、レシピサイトにはさんまのHOTメニューが数多く掲載されています。

 

このように、異常気象により魚を取り巻く世界は大きく変化していますが、それ以上に今年は「コロナ」による激動の1年でした。小売各社は来年度の予算編成をどうするか、とても頭を悩ませています。今年厳しかった小売は「来年はイケるだろう」と強気、今年絶好調の小売は「とりあえず昨年並み」の予算組みをして、様子を見ながら修正を加えていくところが多いようです。

 

そして、有無を言わさず変わってしまった行動様式、これが来年は「価値観の変化」につながるだろうとみられています。

 

まず、「時間」や「場」の概念が変わります。時間をかけてやってきたことが一瞬でできたり、オンラインで離れた場所もすぐ目の前に現れたり・・例えば、家はもはやプライベートの場ではなく、仕事をしたり、おうちキャンプやオンライン旅行など様々なことをする場、デジタルが人々の生活や気持ちに深く浸透していきます。

さらに、防災やSDG’sに対する意識も高まり、具体的な商品開発もどんどん進んでいきそうです。「LOOP」という、容器回収プロジェクトには大手企業が続々と参加表明していますし、ダンボール箱が災害時のベットとなる等、日常と非日常両方で役割を果たす「フェーズフリー」という商品も広がりつつあります。

 

そんな中、おさかな業界にぜひリクエストがあります。それは、もっと日々の情報発信をしてほしい、できることならQRコードなどを用い、スーパーの店頭で商品と連動してほしい、ということです。

オンライン収穫、クラウドファンディング、生産者支援や納得消費の流れはさらに高まります。特にリアルの店舗には「わざわざ買いに行く」為に、鮮度感にあふれ、魚独特の香りにそそられ、おいしさを五感で感じる「体験」が求められます。そこで生産者の皆さまの魚に対する思いが伝わったら、思わずファンになってしまいます!リアル店舗がネットに打ち勝つ為に絶対必要で、私も小売業界には強く推していきます。

 

 

 

 

 

メルマガ2020年10月号

 

ミールキット

 

最近、「ミールキットにチャレンジしたいんだけど、どうしたらいいですか?」という小売からの相談を受けます。ただ、リアル店舗、特に魚売場(肉も同様)で全ての材料がセットになったミールキットは、私としては正直おすすめしません。

料理が難しいのは、材料の時の形状と完成型の料理の形状が大きく異なる点にあります。バナナのように素材そのままの形でかぶりつけるものは少なく、多くは切り刻み、加熱調理、盛付をして、美味しい料理に変身します。その際、最も作業量が多いのは「材料を切る」工程、特に野菜を切っている時間が長い。「キット」というのは、加熱調理の工程の前までをしてあげる、切り刻んだものの組合せになります。

これがネットの世界なら、おいしそうな盛り付け写真が載っていてクリックすると切り刻んだものの積め合わせが届く、でもいいのです。が、リアル売場で鮮度感たっぷりの商品と横並びになると、食材としての魅力が薄れてしまう、魚売場に並べる際は、キット内の魚そのものがおいしそうであることが大前提。五感にダイレクトに訴えかける鮮度感、それこそがネットとの差別化の軸ですから。

 

とはいえ、ミールキットの伸張は著しく、ヤングミセスにとっては「料理練習教材」の役割も果たしています。私の娘も結婚して早々、オイシックスを始めました。その理由は

・おいしく飽きないだけのレパートリーがある

・そのとおりに作ると何よりおいしい

・家庭の食材ストックが減り、キットが割高でも結果的に食費支出は変わらない

とのこと、夫婦で都合のよい方が料理をしているようです。

さらに、ヤングミセスの魚料理のレパートリーも変化しつつあります。「照り焼き、煮付け、南蛮漬」といった定番魚メニューではなく、魚を拍子切りにして野菜と一緒にガッツリ炒めるといった、「肉メニューより」のものが増えているように思います。ですので、くせがなく身が大きい魚種、商品化も「切身」「小口切り」という切った状態ではなく、「鍋用」「唐揚用」「炒め物用」「ステーキ用」といった用途提案型商品作り、ネーミングは必要でしょう。

 

それらをあわせると、リアル店舗では「炒め物用」魚売場で「炒め物用カット野菜×おいしいタレ」のキットととのクロス販売と組合せでできるメニュー提案、もしくは冷凍食品で飽きさせないほど作りこめるか、くらいが受け入れやすいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

メルマガ2020年9月号

 

魚焼きグリル?

「僕はパロマ 君の味方~♪」というコンロのTVCM、グリルパンごとさんまが食卓に並ぶ画を見て、「グリルパンってこんなに便利なのに・・・」とつくづく思います。

 

その昔は「魚焼きグリルを洗うのが大変」という理由で焼魚が敬遠されていましたが、道具は着実に進化しています。特にグリルパンが広がってからは、上下から加熱されるグリルのメリットはもはや「魚焼き」専用ではなくなり、魚以外のレシピも格段に広がりました。

 

もう一つ調理道具として重宝しているのは、「シリコンスチーマー」です。こちらも、食材をいれレンジでチンするだけ、蒸し料理はもちろん、焼魚、揚げ物、パン作りもできます。

これらの調理器具は特に「簡便、時短」という形で料理作りに貢献しています。まずは熱源をいくつも並行利用して調理を進めること、後片付けの手軽さ(食器洗い機にも入れられる)による「時短」。材料を入れて時間をセットするだけで調理が完成する「簡便」。特にシリコンスチーマーは、家族の食事時刻がバラバラな時、具材を個々にセットしておき都度加熱できるという利点もあります。さらに旨みを閉じ込めたり、食材自身が持っている水分や油分で調理の幅を広げる、といったおいしさにつながるメリットもあります。

 

青果物は色々な掛け合わせで新種のものが開発できますが、魚はなかなかそうはいきません。調味料のレパートリー拡大、全く新しいメニューの開発というのも簡単にはいかない。ならば、新しい調理器具とセットでの提案も、魚食普及の切り口になるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

メルマガ2020年8月号

 

「ウィズコロナ」の国産国消

先回、鰻の仕掛けの話をしましたが、土用丑当日もにぎやかな売場が目立ちました。今年は内側に少し金色のふちどりされたトレイが非常に多く、また玉子焼きの黄色、黄色の帯、黄色系をうまく使い鰻のおいしさを引き出す商品作りが目立ちました。

鮮魚店は、長焼や基本の鰻重は少しお買い得で、肝串や白焼などとの組み合わせで色々バリエーションを出していました。惣菜店は、鰻重だけでなく鰻を楽しむ弁当やお惣菜を展開していました。ただ、惣菜店の中には、鰻の腹の太いところがくる左側に帯をかぶせ、一番美味しいところを隠している鰻重も見受けられました。これは私の個人的な印象ですが、鮮魚店の方が「鰻愛」を感じました。この鰻への思いと惣菜店の品揃え感をミックスさせれば、鰻マーケットはまだまだ進化するように思います。

 

ということで、本題の「国産国消」の話です。

先日、農林水産省の農水産物販売支援事業の一環である

「品目横断的販売促進推進緊急対策事業におけるインターネット販売推進事業」

の説明会に参加しました。対象品目(水産物もあり)を指定のECサイトに登録した場合、販売時の送料を負担してくれるというものです。今年中ですが、うまく活用できる生産者様がいらしたら、是非ご紹介ください。 https://www.ec-hanbai-suishin.jp/

本来ならば東京オリンピックで盛り上がり、「MADE  IN  JAPAN」で各国の人をおもてなししていたはずが、この厳しい環境下、異なる形で「産地支援」や「日本を元気に」という動きが出てきています。8月3日にOPENした東京駅の「グランスタ東京」では、食品ではありませんが、伝統工芸品を今のニーズにマッチした商品が多く見受けられました。

写真は小倉織のエコバッグ、今、繊維製品はマスクかエコバッグがトレンド。さらに一言「着物からTシャツまで似合うのが、小倉織の実力です」。物語が語れること、それが共感消費につながるのです。

コロナ禍で大きく変容するマーケットにうまくマッチしていくことが大切です。

 

 

 

 

メルマガ2020年7月号

 

鰻を仕掛ける

 

先月の父の日当日、野菜売場でガツン!と生わさびを展開しているスーパーがありました。その店の鮮魚売場では国産の生まぐろが大トロから品揃えされていて、本当においしそうでした。青果部門も鮮魚でいい魚を品揃えしていることを知っているからこそ、鮮魚売場の手前から売り込めるのです。お店全体で常に情報共有し、他部門で何が売れているか興味をもつこと、スーパーではとても大切なことです。

 

7月に入り、鰻の展開は各社熱を帯びてきました。一律20%引きとかポイント10倍などお買い得な仕掛け、しじみ、山椒、お吸い物の関連販売も見られます。ただ、国産のこだわり鰻の関連が安いインスタントの汁物では価値を下げてしまいます。是非、店内でもこだわりや美味しさを情報交換してください。

 

実は我が家も既に2回鰻を食べました。仕掛けているとおいしそうで買いたくなるものです。でも意外と飽きてしまう。そんな中、ヤオコーのクッキングサポート誌は「鰻特集」、鰻の美味しい温め方、アレンジの仕方が掲載されていました。

それ以上に目をひいたのは、「うなぎのたれ」を使ったメニュー提案。たれって美味しい、でも鰻だけに使っても余る、他に使えれば買ってもいいんだけどねえ・・というニーズをついていますね。この冊子が鰻売場にあり、このような情報が載っていることが一目でわかれば、鰻と一緒に色々なものがカゴに入る機会が増えることでしょう。

 

今は試食販売は難しいですが、ホットプレートの上でたれが焼けるあの匂いだけでも引き寄せられます。今年は二の丑もありますし、何度でも何度でも、お客様に飽きずに食べていただけるよう、あの手この手を使い仕掛けてください。手板に一言「今日はさっぱりうなちらし寿司」と書くだけでも受け手のヒントになります。

 

 

 

 

 

メルマガ2020年6月号

 

初夏の味覚

 

初夏の味が目白押し、今こそ鮮魚が主役の時ですね。2日前に行ったスーパーでは、串うちの 鮎が品揃えされていました。こういう商品に出会うワクワク感が「買う楽しみ」の一つ。

一次中断されていたチラシ等販促も再開、行列を生むグロサリー目玉訴求が少ない今、旬をどれだけ訴求できるかが、重要なファクターとなっています。

 

ということで、6月13(土)、各スーパーのチラシを調べてみました。梅雨のジメジメの毎日、ごちそうステーキより、旬が打ち出されているチラシは圧倒的においしそう。感度の良いチラシをいくつかご紹介します。

 

オギノ様6/11号

旬野菜をおさえ、かつお、あじがトップに。メニュー提案、関連商品も同時掲載。あじはフライも掲載。父の日予告欄ではうなぎも。

 

 

ヤマナカ様6/14号。

銀さけを筆頭に、かやめばる、真ほっけ。駅弁も鮮魚の打出しを後押し。肉に圧勝しています。初夏の味覚コーナーでは、さすが名古屋本拠地の企業様だけあり、うなぎの打ち出しもしっかり。今年はチャンスのうなぎ、6月に入り各店でかなり露出してきました。うなぎは価格さえはまれば肉に負けないボリューム、簡便商材。猛暑予想もあり、早くからの仕掛けは重要です。

 

 

カスミ様6/12号

鮮魚はお刺身メインですが、さすが茨城の企業様、おいしそうなメロンも掲載。

加世田のかぼちゃはこだわりが大きく掲載されており、産地や商品への愛着がわきます。

チラシ裏面で、表面メイン素材のレシピ掲載。うなぎメニューが掲載され、土用丑にむけて着々と仕掛けられています。

 

 

毎日の生活が戻るにつれ、外食、中食、簡便の流れも戻ってきますが、100%戻るのは先のことです。産地支援の流れも継続しますし、内食で旬を味わう楽しさにはチャンスがあります。

 

ただし、家計が本格的に苦しくなるのはこれから。小売各社は頻度品を値下げしています。その中でお客様に財布のヒモを緩め、思わず手を伸ばしてもらう為には、「おいしそう」が大切。試食販売も当分できない中、WEB販促、紙販促、加工や陳列技術、もう一度見直しましょう。

 

 

 

 

 

メルマガ2020年5月号

 

つたえる力

 

この1か月半、必需品の買物と散歩以外は「ステイホーム」、テレワーク、WEBでのコミュニケーションが加速しました。先日もあるお取引先様とのWEB会議にて「これからのスーパーの3軸をどうするか」の話をしました。

私が考える3軸は次の3つ。

・売るかたち ・・ 店舗フォーマット

・ものづくり ・・ 品揃え政策、商品開発

・つたえる力 ・・ プロモーション VMD

このうち「つたえる力」でメニュー提案や価値伝達に深く携わった身として、食品を黙々とカゴに入れるだけの買物は「義務的、物足りない」の一言につきます。

 

緊急事態宣言下の魚の買物で経験したことを二つ。

ある店でとても鮮度のよいいさきがお手頃価格で販売されていました。このご時世ですから丸魚は全てパックに入っていました。自分は頭の中で「パックに入ってるから下処理されているだろう」と思い込み、売場にも「下ごしらえします」の文字もなく、パッとカゴに入れ帰宅。それを主人が焼いてくれたのですが、「下処理してないから面倒だったよ!」と言われてしまいました。「そうか、売場でお願いすればよかった」と。でも黙々と買うことだけ考え声をかける発想もなかった、気づいてもなんとなく声をかけることに気がひけたかもしれない、そんな世の中ですよね。たとえ接客ができなくても必要な情報はあります。

 

また別の日、あるスーパーに入ったとたん、店長が「今日は朝どれのかつおが入荷しました」という店内放送が聞こえてきました。鮮魚売場へ行くと鮮度バツグンのかつおのさくが。晩御飯でおいしくいただきました。店内放送がなければ通り過ぎていたかもしれません。

新しい小売様式の中、当面試食販売は難しく、接客も限定的となるでしょう。でも、商品を買う時には情報が必要なのです。人と人とのつながりが希薄となる中で、手板の文字、マイクから聞こえる声、こういう一つ一つのものにも温かさを感じ、買物が豊かになります。

少しずつ、新しい形で、売る楽しさ、買う楽しさ、を取り戻していきましょう。

 

 

 

 

 

メルマガ2020年4月号

 

“なーるほど、水産販促企画”  (11)

その先のことを考えてみる

 

今は世界中がコロナウイルスとの闘い、医療従事者の皆様、本当にありがとうございます。様々な経済活動が止まり今を乗り越えることさえままらないですが、あえて「その先のこと」を考えてみたいと思います。

 

まずは今のことから。買物頻度が増え、旬の打ち出しなどの変化にはより敏感になっています。美味しそうなしらす、あさり、青果売場にも立派な筍が並ぶ、マンネリの食生活を変えてくれるのはこのようなアイテムです。この時期保存食として食べる機会の多いパスタに「しらすON」、おいしそうですよね。

今日買物にいったお店では、生明太子が売られていました。精肉売場では上質のローストビーフ、家飲みに思わず手が伸びる一品、こういう品揃えができるのは本当にすばらしい。メディアでは飲食向けの食材が余っていると報道されています、ちょっとしたご褒美がうれしいし、なにかしらの支援になればと思います。

 

そして本題の「その先のこと」。

イベントでいうと、母の日は5月10日(日)、プレゼントは贈れてもなかなかごちそうを囲みづらいタイミングでしょう。父の日は6月21日(日)、この頃ならば「まとめて父母の日」など仕掛けられるかもしれません。土用丑は7月21日(火)、いくばくかの給付金等、何かしら使えるお金が出たら、鰻に追い風ですね。

夏休みにはまずは田舎に帰りたい、旅行をしたい、そんな時は売場をガラッと変えてハレの気分を満喫するべく、刺身、寿司、バーベキュー、しっかり仕掛けたい。

 

そうはいっても、自粛解除になりました、給付金が出ました、「さあ、ごちそうだ!」と言われても、なかなか思い切って仕掛けづらいものです。こんな時こそチラシ等の販促で売場をリーディングしてほしい。

コロナとの闘いが終わると、またお客様争奪戦が始まります。厳しい中でも希望を抱き、生産者の皆様と一緒になって先のことを企画していきましょう。

 

 

 

メルマガ2020年3月号

 

“なーるほど、水産販促企画”  (10)

新型コロナウイルス対応に思う

令和初めての新年を迎えた2か月前、これほど厳しい春を迎えるとは夢にも思わなかった、そんな日々が続いています。

 

学校が休校となり一週間たった3月最初の週末、スーパーでの買物でこんなことが起きていました。

・男性がとにかく多い、外出を控え、買い出しのお手伝い要員として同行

・「キャベツはもう飽きたしねえ」とご主人に話しかける女性

・保存食品や飲料でカゴいっぱい、「惣菜に伸びる手が足りない」と愚痴る惣菜担当

 

そうなんです。時短簡便化が進んだ現在から20年くらい時代が戻ったとでも言えばいいのでしょうか、主婦はとにかく買い出しし、日々自宅で朝昼晩の料理を提供し続け、すでに疲労感漂います。そんな中でクックパッドさんは有料レシピを開放、レシピ検索急上昇ワードは「昼ごはん」とのこと、タスカジさんも作り置き割引や「大根一本作り置きキャンペーン」を実施、お弁当商材の伸び、コンビニはおにぎりを無償配布、外食各社も子育て家庭応援企画を仕掛けています。率直に感じることは「ネットの世界の変化対応は早い」、食の切り口のみならず、エンタメ各種の無料配信拡大など今必要とされることにスピーディ―に対応しています。私の出身母体であるリアル店舗は残念ながら商品の供給に終始している感が強いです。本当は今こそメニュー提案などの情報発信、仕掛けでお買い物してくださるお客様をサポートすることが大切なのでしょう。

 

ところで、この状況下で主婦はどんなお魚レシピを検索しているのでしょうか。人気順で見ると

・煮つけ ・下処理 ・ムニエル ・フライパン調理 ・・・

今は魚調理しない人が増えていますから、結局お客様の知りたいことは基本の魚料理なのですね。お刺身など生ものはちょっと、という方もいらっしゃるでしょう、今こそフライパンでおいしい焼魚煮魚の調理法を伝える、親子でお魚をさばいてみよう、鯛丸ごと一尾使い切り、など家庭料理でじっくり楽しむシーンにつながりそうです。さらに、外で呑めない分、珍味や乾きものの家呑み提案、少しは気晴らしも必要でしょう。

 

そして本当にやりくりに困った時は、端材をかき集めて一鍋で完結するメニューが最適。季節がら鍋つゆの品揃えは少なくなくなりましたが、「残り物一掃!海鮮春鍋」などはお助けメニューの代表となるでしょう。

 

厳しい環境が続きそうですが、一つでも二つでもチャンスに変え、魚売場が盛り上がることを期待してやみません。

 

 

 

メルマガ2020年2月号

 

“なーるほど、水産販促企画”  (9)

「やっぱり寿司が好き♪」

 

2月3日の節分、都心の各店をMRしました。

今回は、食品ロスが問題となる中、各店、お客様の様子はどう変化しているのかを確かめることが主な目的でした。一言でいうと、極端な売り込みや奇をてらった商品は減少傾向で、皆「節分に恵方巻」という行事食をきちんと仕掛けていたという印象です。お客様の動向はというと、気温上昇したこともあり、例年通りこの機会にと手が伸びていました。

お寿司を選ぶお客様の様子を見て一番感じたことは「日本人はやっぱり寿司が好き」だということ。普段は肉食に押され気味ですが、やはりおいしそうな巻き寿司を見ると食べたくなる。やはり主力はオーソドックスな恵方巻、海鮮恵方巻。魚と酢飯、のりのハーモニーは日本人のおいしさの記憶としてしみついているのでしょう。

 

品揃えはというと、1本巻きの構成はグッとさがり、「ハーフ」が基準単位になってきています。特にご年配の方が、海鮮の美味しそうな恵方巻を食べたいが「半分でも多いわね」と話されている姿に幾度となく出会いました。おいしそうな海鮮がたっぷりのった恵方巻の3分の1本サイズがあってもいいのかもしれません。

 

そして、恵方巻はパッと見るとラベルと海苔しか見えず比較購買しにくい。そんな中、ラベルの色を変え、一目で中身の違いがわかる、価格も400円、500円などチョッキリ価格で買いやすさを工夫している店がありました。これは買いやすい! 恵方巻の寿司売場は人が集中しますから品出し一つとっても大変。そんな中色分けを頼りにパッと比較購買できる売場となれば、お客様は欲しいモノをストレスフリーで買うことができる、さらにお店側は色分けどおりに補充できますし、お客様の滞留時間が短く回転があがります。こういう小さな一つ一つの工夫が成功への分かれ道だと感じました。

 

そして「やっぱり寿司が好き♪」は、今や日本人だけでなく海外の方々の共通項。節分の云われ、恵方巻の食べ方を英文POPで紹介している店舗もありました。これこそ、モノを通じてコトを体験する、ですね。

 

これからも生産者と小売が一体となり、魚が主役の行事催事をもりあげていきましょう

 

 

 

メルマガ2020年1月号

 

“なーるほど、水産販促企画”  (8)

シズルをデザインする

 

新年最初のコラムとなりますが、昨年末のことを少し触れます。

昨年9月に「あるスーパーが平日の夕方からパエリア、アヒージョセットを売り込んでいる、クリスマス商戦は始まっている」と書かせていただきました。実際どうなっているのか、12月24日に見に行ったところ、アヒージョセットはオリーブオイルと一緒にパッキングされ、数種類、1人前から3人前までの展開、パエリアセットも同様に種類、サイズをもち自信をもった展開、お客様もついていました。これからこの品揃えがどうなっていくのか楽しみです。

と、昨年のことはここまでにして、今回は「シズル」についてお伝えします。

先日、本屋さんでとても興味深い本を見つけました。

B・M・FTことばラボ編著「シズルのデザイン」(誠文堂新光社)です。

ネット台頭の時代、いかにビジュアルでおいしさを表現するか、はとても大きな要素となっています。

「おいしさを感じる言葉 調査報告書2017」によると、2017年もっとも「おいしさを感じる言葉」ベスト3として選ばれたのは「もちもち/ジューシー/濃厚な」です。「もちもち」は2003年の12位からの大躍進。

逆に下位から順番にみると、「天然の/コシのある/産地直送/採れたて」となり、魚の分野で出番の多い言葉が並びます。これらの言葉は「コシのある」以外はおいしさを伝えようとしている言葉ではない為当然です。しかしながら、巷で「おいしさ」そのものに関する表現が溢れている今、魚にもおいしさを表現する言葉が求められます。

たとえば野菜でいうと、「レタス⇒シャキシャキ」「焼きいも⇒ほくほく」。マルハニチロ「タルタルソースinえびカツ」はパッケージに「プリッ旨!」とのコピー、やっぱりえびは「プリプリ」にそそられます。

このような「口に入れる前のおいしさ表現」があふれている今、手板やPOPに書く一言にもそのような言葉が求められるのでしょうね。たとえば「クセになる味!」とか、「旨みジュワッ!」とか。それらの言葉を使うためには、まず商品をよく見て、調理して、食べてみて、その中で感じたおいしさにつながる言葉をまず書き留めておくことが必要です。

近い将来、シズルワードにあふれた魚屋さんができるのかもしれませんね。

 

 

 

メルマガ2019年12月号

 

“なーるほど、水産販促企画”(7)

「ONE TEAM」で豊かな食情報発信!

 

先日、鹿児島県の生産者の方々にお話をする機会があり、鹿児島市内を訪れました。

訪問先ではスーパーをじっくり見て土地の食に触れるようにしていますが、鹿児島は魚の豊かさはもちろん、肉は牛豚鶏ともブランドがあり、野菜もじゃがいも玉ねぎ等を除き多くは鹿児島県産あるいは九州産。そして豊かな産物に囲まれているからこそ調味料もとてもシンプルで、あわせ調味料的なものの構成は低かったです。何よりも、丸から四半身分の冊だけ取り除かれた状態の魚が売られていたのはびっくり、すばら

しい歩留まり、これを買って調理する人がいるからこそ売っているのですよね。

夜はかつおのたたきをその場で焼いてくれるお店で堪能しました。首都圏の売場で売っているたたきとはちょっと違う、かつおの旨みと藁焼きの香り、焼き目の旨み、美味しい!最近の調理機器は進化している、過去はできなくても今なら何かしら家で簡単にできないものか、少なくともバーベキュー商材になるのでは。

 

翌日のセミナーと講演会で、生産者の皆さまに、小売の店頭でお客様に触れるスタッフに

「自分の商品のオンリー1の価値は何?」

「その商品を一番よく知っている生産者の皆様がどう食べているか」

「情報は写真などを踏まえより具体的に」

の3点を踏まえた情報を商品とセットで流せるよう協力してほしいとお願いしました。

特に料理の仕方を聞くと、「たいしたことしていないわよ、パパッとあるもので作るだけよ」と謙遜気味の返答がくるのですが、その「たいしたことでない」「パパッと」は、買い手にとっては「たいしたこと」で「パパッといかないこと」なのです。だから商品とともに具体的に伝えるのが小売店頭での情報発信です。もしその通りできなくても方法を知ればアレンジができます。

 

お客様への伝え方のポイントは、五感にダイレクトに、ミックスして伝えられること。この商品にはこんな魅力があるからこう食べましょう。材料はコレです、下処理、調理はこうして、見せ、聞かせ、匂いをかがせながら、最後に食べて納得させる。さらにその場では忘れてしまうため、スマホや紙で作り方を持ち帰り、記憶を呼び起こしながらトライして、初めて家庭でほんの少し再現できるようになります。だから、当たり前のことを事細かく教えてほしいのです。

 

情報が溢れている時代ですが、その商品を一番おいしく食べる為にどうしたらいいか、ということをお客様はまだまだ知らない、知ってチャレンジする機会が不足しています。生産者と小売が「ONE TEAM」となり、もっとお客様に情報発信していきましょう。(了)

 

 

 

メルマガ2019年11月号

 

“なーるほど、水産販促企画”(6)

「嫌いになったわけじゃないの」

 

㈱ダイヤモンド社「ダイヤモンド・チェーンストア」2019年11月号の「鮮魚で稼ぐ!」こういう特集を待っていた、とばかり、熟読しました。なぜなら私も小売で鮮魚の利益改善に取り組みましたが、鮮魚部門出身でない私にとって、鮮魚は本当にきめ細かく奥深さが必要、おそらく一番難しい部門だと感じたからです。

 

記事の中にもありましたが、単純に効率や利益性の視点から入り、対面や近海魚の売場を絞り込み、売れ筋の魚種、加工品や惣菜の構成をあげるという施策がとられる売場を何度も見てきました。こういう売場は、施策直後は一見利益改善されたように見えますが、結果的には客数、売上金額が減り、経費をカバーする荒利絶対額に届かず利益体質につながりません。「ここに答えはない」と確信しました。そして、鮮度感ある近海魚の仕入れ、仕掛け、時間帯別展開、生魚と利益商材のバランス、何よりバイヤーの日々の計画精度、こういうことをコツコツと確実に取り組み続けるしかないと。今回の記事を見て、そのような取り組みをされている方々が「勝ち組」となりお客様に支持され鮮魚の未来を担われておられ本当に素晴らしい、語られる一言一言に学ばせていただきました。

 

「魚離れ」は漁獲量や調理の手間、ゴミの問題、肉より割高でボリューム感が不足するなどの要因で進んでいるものであり、決して急に魚嫌いな人が増えたわけではありません。本当に魚が嫌いなら「寿司」も売れませんし、今の若い人たちが家庭で作ってもらったことがないであろう「ぶり大根」や「さばの味噌煮」に「おふくろの味」感を抱くこともありません。だから、「美味しい」の前に売場自体が「美味しそう」であることが大切、ピチピチの近海魚を見て「買って食べたい」、その思いから手を伸ばすものの一つが惣菜であったりするわけです。

 

お魚は美味しいのですから、買わない、調理しない人たちも潜在的には「調理して食べたい」という願望が少なからずあります。そのような方には、POPに「バター焼きでどうぞ」など書くだけ、レシピを商品の近くに置いておくだけではダメで、調理の仕方を見せ、耳で具体的な方法を聞き、実際に完成品を食べる、という一連の流れを事細かに伝える必要があります。そしてメニューサンプルも単品でなく、一汁三菜、お箸まで揃え食卓提案にする。このようなありとあらゆる情報発信を組合せ、五感にフルアプローチすることで、やっと「買ってみようかな」という気持ちが引き出せるものです。メニュー提案に長年携わった身として、これからも鮮魚の未来に様々な形で貢献できればと思う次第です。(了)

 

 

 

2019年10月号

 

“なーるほど、水産販促企画”  (5)

季節感と惣菜化

 

10月1日、神奈川方面の店をMRしました。今年は生秋鮭や生筋子がしっかり並ぶ店頭に「秋」を感じる一方で、二つのことを強く感じました。

 

一つ目は温暖化によりメニューの打ち出しに変化が必要だということです。

 

私は長年にわたり食品各部門の横串しをさす企画の仕事をしていました。今の時期は「鍋プロジェクト」と題し、生鮮とグロサリーのクロスMDが立ち上がるタイミングでした。

が、実際青果売場には晩生の枝豆、黄桃など夏の名残がする商品も見られ、少しずつ「旬」が変わっていることを感じます。

その隣の鮮魚売場では2000円の豪華鍋セットを販売、そして鍋つゆ売場ではその素材を美味しく食べるには物足りない200円台のものがドンと展開されていました。

メニューは素材と調味料の組合せで成り立ちますから、このように売場トータルでメニュー感のバラつきが生じると買上点数が伸びず客単価がダウンします。温暖化が進み、生鮮の動きが明らかに変わっている中、やはり鮮魚部門としては「今一番美味しい魚を一番美味しく食べる提案」が望まれます。今まで以上に焼きメニューなどを充実させ、「今日これ食べよう」のヒントになる売り方をまずは商品、そしてクロスMDで見せていってほしい。これは店舗でのコントロールが一番大切ですが、生産者の皆さまが日々ご家庭で食べている「美味しい焼メニュー情報」などがいただけるとより効果的です。

 

もう一つ感じたのは「素材部門の惣菜化」です。

 

ある有名な精肉専門店は対面ケースをかなり縮小させ「さばの塩焼」まで売っていたことには驚きました。隣の鮮魚専門店も魚介のフライものを展開、その隣の惣菜店は「どこからどこまでがこの店の商品なの?」とわからないほどでした。

当然惣菜化は進みますが、各々がバラバラに進めてしまうと館全体で揚げ物の茶色い売場面積が拡大、結果的に隣接店と同質化してしまいます。お客様は新鮮でおいしそうなお魚があるからこそ、横に並ぶ魚惣菜に価値を感じます。魚屋にしかできない強みを生かした、オンリー1、№1の魚惣菜開発が進むことを期待してやみません。(了)

 

(10月号以前の記事は、「メールマガジン」の「過去のバックナンバー一覧」からお読みいただけます。)

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