メルマガ 海蔵寺りかこの “なーるほど、水産販促企画”

“なーるほど、水産販促企画”  (10)  新型コロナウイルス対応に思う (メルマガ2020年3月号)=NEW!!

“なーるほど、水産販促企画”  (9)  やっぱりお寿司が好き! (メルマガ2020年2月号)

“なーるほど、水産販促企画”  (8)  シズルをデザインする (メルマガ2020年1月号)

“なーるほど、水産販促企画”(7)「ONE TEAM」で豊かな食情報発信!(メルマガ2019年12月号)

“なーるほど、水産販促企画”(6)「嫌いになったわけじゃないの」(メルマガ2019年11月号)

“なーるほど、水産販促企画”  (5)  季節感と惣菜化 (メルマガ2019年10月号)

 

 

 

メルマガ2020年3月号

 

“なーるほど、水産販促企画”  (10)

新型コロナウイルス対応に思う

令和初めての新年を迎えた2か月前、これほど厳しい春を迎えるとは夢にも思わなかった、そんな日々が続いています。

 

学校が休校となり一週間たった3月最初の週末、スーパーでの買物でこんなことが起きていました。

・男性がとにかく多い、外出を控え、買い出しのお手伝い要員として同行

・「キャベツはもう飽きたしねえ」とご主人に話しかける女性

・保存食品や飲料でカゴいっぱい、「惣菜に伸びる手が足りない」と愚痴る惣菜担当

 

そうなんです。時短簡便化が進んだ現在から20年くらい時代が戻ったとでも言えばいいのでしょうか、主婦はとにかく買い出しし、日々自宅で朝昼晩の料理を提供し続け、すでに疲労感漂います。そんな中でクックパッドさんは有料レシピを開放、レシピ検索急上昇ワードは「昼ごはん」とのこと、タスカジさんも作り置き割引や「大根一本作り置きキャンペーン」を実施、お弁当商材の伸び、コンビニはおにぎりを無償配布、外食各社も子育て家庭応援企画を仕掛けています。率直に感じることは「ネットの世界の変化対応は早い」、食の切り口のみならず、エンタメ各種の無料配信拡大など今必要とされることにスピーディ―に対応しています。私の出身母体であるリアル店舗は残念ながら商品の供給に終始している感が強いです。本当は今こそメニュー提案などの情報発信、仕掛けでお買い物してくださるお客様をサポートすることが大切なのでしょう。

 

ところで、この状況下で主婦はどんなお魚レシピを検索しているのでしょうか。人気順で見ると

・煮つけ ・下処理 ・ムニエル ・フライパン調理 ・・・

今は魚調理しない人が増えていますから、結局お客様の知りたいことは基本の魚料理なのですね。お刺身など生ものはちょっと、という方もいらっしゃるでしょう、今こそフライパンでおいしい焼魚煮魚の調理法を伝える、親子でお魚をさばいてみよう、鯛丸ごと一尾使い切り、など家庭料理でじっくり楽しむシーンにつながりそうです。さらに、外で呑めない分、珍味や乾きものの家呑み提案、少しは気晴らしも必要でしょう。

 

そして本当にやりくりに困った時は、端材をかき集めて一鍋で完結するメニューが最適。季節がら鍋つゆの品揃えは少なくなくなりましたが、「残り物一掃!海鮮春鍋」などはお助けメニューの代表となるでしょう。

 

厳しい環境が続きそうですが、一つでも二つでもチャンスに変え、魚売場が盛り上がることを期待してやみません。

 

 

 

メルマガ2020年2月号

 

“なーるほど、水産販促企画”  (9)

「やっぱり寿司が好き♪」

 

2月3日の節分、都心の各店をMRしました。

今回は、食品ロスが問題となる中、各店、お客様の様子はどう変化しているのかを確かめることが主な目的でした。一言でいうと、極端な売り込みや奇をてらった商品は減少傾向で、皆「節分に恵方巻」という行事食をきちんと仕掛けていたという印象です。お客様の動向はというと、気温上昇したこともあり、例年通りこの機会にと手が伸びていました。

お寿司を選ぶお客様の様子を見て一番感じたことは「日本人はやっぱり寿司が好き」だということ。普段は肉食に押され気味ですが、やはりおいしそうな巻き寿司を見ると食べたくなる。やはり主力はオーソドックスな恵方巻、海鮮恵方巻。魚と酢飯、のりのハーモニーは日本人のおいしさの記憶としてしみついているのでしょう。

 

品揃えはというと、1本巻きの構成はグッとさがり、「ハーフ」が基準単位になってきています。特にご年配の方が、海鮮の美味しそうな恵方巻を食べたいが「半分でも多いわね」と話されている姿に幾度となく出会いました。おいしそうな海鮮がたっぷりのった恵方巻の3分の1本サイズがあってもいいのかもしれません。

 

そして、恵方巻はパッと見るとラベルと海苔しか見えず比較購買しにくい。そんな中、ラベルの色を変え、一目で中身の違いがわかる、価格も400円、500円などチョッキリ価格で買いやすさを工夫している店がありました。これは買いやすい! 恵方巻の寿司売場は人が集中しますから品出し一つとっても大変。そんな中色分けを頼りにパッと比較購買できる売場となれば、お客様は欲しいモノをストレスフリーで買うことができる、さらにお店側は色分けどおりに補充できますし、お客様の滞留時間が短く回転があがります。こういう小さな一つ一つの工夫が成功への分かれ道だと感じました。

 

そして「やっぱり寿司が好き♪」は、今や日本人だけでなく海外の方々の共通項。節分の云われ、恵方巻の食べ方を英文POPで紹介している店舗もありました。これこそ、モノを通じてコトを体験する、ですね。

 

これからも生産者と小売が一体となり、魚が主役の行事催事をもりあげていきましょう

 

 

 

メルマガ2020年1月号

 

“なーるほど、水産販促企画”  (8)

シズルをデザインする

 

新年最初のコラムとなりますが、昨年末のことを少し触れます。

昨年9月に「あるスーパーが平日の夕方からパエリア、アヒージョセットを売り込んでいる、クリスマス商戦は始まっている」と書かせていただきました。実際どうなっているのか、12月24日に見に行ったところ、アヒージョセットはオリーブオイルと一緒にパッキングされ、数種類、1人前から3人前までの展開、パエリアセットも同様に種類、サイズをもち自信をもった展開、お客様もついていました。これからこの品揃えがどうなっていくのか楽しみです。

と、昨年のことはここまでにして、今回は「シズル」についてお伝えします。

先日、本屋さんでとても興味深い本を見つけました。

B・M・FTことばラボ編著「シズルのデザイン」(誠文堂新光社)です。

ネット台頭の時代、いかにビジュアルでおいしさを表現するか、はとても大きな要素となっています。

「おいしさを感じる言葉 調査報告書2017」によると、2017年もっとも「おいしさを感じる言葉」ベスト3として選ばれたのは「もちもち/ジューシー/濃厚な」です。「もちもち」は2003年の12位からの大躍進。

逆に下位から順番にみると、「天然の/コシのある/産地直送/採れたて」となり、魚の分野で出番の多い言葉が並びます。これらの言葉は「コシのある」以外はおいしさを伝えようとしている言葉ではない為当然です。しかしながら、巷で「おいしさ」そのものに関する表現が溢れている今、魚にもおいしさを表現する言葉が求められます。

たとえば野菜でいうと、「レタス⇒シャキシャキ」「焼きいも⇒ほくほく」。マルハニチロ「タルタルソースinえびカツ」はパッケージに「プリッ旨!」とのコピー、やっぱりえびは「プリプリ」にそそられます。

このような「口に入れる前のおいしさ表現」があふれている今、手板やPOPに書く一言にもそのような言葉が求められるのでしょうね。たとえば「クセになる味!」とか、「旨みジュワッ!」とか。それらの言葉を使うためには、まず商品をよく見て、調理して、食べてみて、その中で感じたおいしさにつながる言葉をまず書き留めておくことが必要です。

近い将来、シズルワードにあふれた魚屋さんができるのかもしれませんね。

 

 

 

メルマガ2019年12月号

 

“なーるほど、水産販促企画”(7)

「ONE TEAM」で豊かな食情報発信!

 

先日、鹿児島県の生産者の方々にお話をする機会があり、鹿児島市内を訪れました。

訪問先ではスーパーをじっくり見て土地の食に触れるようにしていますが、鹿児島は魚の豊かさはもちろん、肉は牛豚鶏ともブランドがあり、野菜もじゃがいも玉ねぎ等を除き多くは鹿児島県産あるいは九州産。そして豊かな産物に囲まれているからこそ調味料もとてもシンプルで、あわせ調味料的なものの構成は低かったです。何よりも、丸から四半身分の冊だけ取り除かれた状態の魚が売られていたのはびっくり、すばら

しい歩留まり、これを買って調理する人がいるからこそ売っているのですよね。

夜はかつおのたたきをその場で焼いてくれるお店で堪能しました。首都圏の売場で売っているたたきとはちょっと違う、かつおの旨みと藁焼きの香り、焼き目の旨み、美味しい!最近の調理機器は進化している、過去はできなくても今なら何かしら家で簡単にできないものか、少なくともバーベキュー商材になるのでは。

 

翌日のセミナーと講演会で、生産者の皆さまに、小売の店頭でお客様に触れるスタッフに

「自分の商品のオンリー1の価値は何?」

「その商品を一番よく知っている生産者の皆様がどう食べているか」

「情報は写真などを踏まえより具体的に」

の3点を踏まえた情報を商品とセットで流せるよう協力してほしいとお願いしました。

特に料理の仕方を聞くと、「たいしたことしていないわよ、パパッとあるもので作るだけよ」と謙遜気味の返答がくるのですが、その「たいしたことでない」「パパッと」は、買い手にとっては「たいしたこと」で「パパッといかないこと」なのです。だから商品とともに具体的に伝えるのが小売店頭での情報発信です。もしその通りできなくても方法を知ればアレンジができます。

 

お客様への伝え方のポイントは、五感にダイレクトに、ミックスして伝えられること。この商品にはこんな魅力があるからこう食べましょう。材料はコレです、下処理、調理はこうして、見せ、聞かせ、匂いをかがせながら、最後に食べて納得させる。さらにその場では忘れてしまうため、スマホや紙で作り方を持ち帰り、記憶を呼び起こしながらトライして、初めて家庭でほんの少し再現できるようになります。だから、当たり前のことを事細かく教えてほしいのです。

 

情報が溢れている時代ですが、その商品を一番おいしく食べる為にどうしたらいいか、ということをお客様はまだまだ知らない、知ってチャレンジする機会が不足しています。生産者と小売が「ONE TEAM」となり、もっとお客様に情報発信していきましょう。(了)

 

 

 

メルマガ2019年11月号

 

“なーるほど、水産販促企画”(6)

「嫌いになったわけじゃないの」

 

㈱ダイヤモンド社「ダイヤモンド・チェーンストア」2019年11月号の「鮮魚で稼ぐ!」こういう特集を待っていた、とばかり、熟読しました。なぜなら私も小売で鮮魚の利益改善に取り組みましたが、鮮魚部門出身でない私にとって、鮮魚は本当にきめ細かく奥深さが必要、おそらく一番難しい部門だと感じたからです。

 

記事の中にもありましたが、単純に効率や利益性の視点から入り、対面や近海魚の売場を絞り込み、売れ筋の魚種、加工品や惣菜の構成をあげるという施策がとられる売場を何度も見てきました。こういう売場は、施策直後は一見利益改善されたように見えますが、結果的には客数、売上金額が減り、経費をカバーする荒利絶対額に届かず利益体質につながりません。「ここに答えはない」と確信しました。そして、鮮度感ある近海魚の仕入れ、仕掛け、時間帯別展開、生魚と利益商材のバランス、何よりバイヤーの日々の計画精度、こういうことをコツコツと確実に取り組み続けるしかないと。今回の記事を見て、そのような取り組みをされている方々が「勝ち組」となりお客様に支持され鮮魚の未来を担われておられ本当に素晴らしい、語られる一言一言に学ばせていただきました。

 

「魚離れ」は漁獲量や調理の手間、ゴミの問題、肉より割高でボリューム感が不足するなどの要因で進んでいるものであり、決して急に魚嫌いな人が増えたわけではありません。本当に魚が嫌いなら「寿司」も売れませんし、今の若い人たちが家庭で作ってもらったことがないであろう「ぶり大根」や「さばの味噌煮」に「おふくろの味」感を抱くこともありません。だから、「美味しい」の前に売場自体が「美味しそう」であることが大切、ピチピチの近海魚を見て「買って食べたい」、その思いから手を伸ばすものの一つが惣菜であったりするわけです。

 

お魚は美味しいのですから、買わない、調理しない人たちも潜在的には「調理して食べたい」という願望が少なからずあります。そのような方には、POPに「バター焼きでどうぞ」など書くだけ、レシピを商品の近くに置いておくだけではダメで、調理の仕方を見せ、耳で具体的な方法を聞き、実際に完成品を食べる、という一連の流れを事細かに伝える必要があります。そしてメニューサンプルも単品でなく、一汁三菜、お箸まで揃え食卓提案にする。このようなありとあらゆる情報発信を組合せ、五感にフルアプローチすることで、やっと「買ってみようかな」という気持ちが引き出せるものです。メニュー提案に長年携わった身として、これからも鮮魚の未来に様々な形で貢献できればと思う次第です。(了)

 

 

 

2019年10月号

 

“なーるほど、水産販促企画”  (5)

季節感と惣菜化

 

10月1日、神奈川方面の店をMRしました。今年は生秋鮭や生筋子がしっかり並ぶ店頭に「秋」を感じる一方で、二つのことを強く感じました。

 

一つ目は温暖化によりメニューの打ち出しに変化が必要だということです。

 

私は長年にわたり食品各部門の横串しをさす企画の仕事をしていました。今の時期は「鍋プロジェクト」と題し、生鮮とグロサリーのクロスMDが立ち上がるタイミングでした。

が、実際青果売場には晩生の枝豆、黄桃など夏の名残がする商品も見られ、少しずつ「旬」が変わっていることを感じます。

その隣の鮮魚売場では2000円の豪華鍋セットを販売、そして鍋つゆ売場ではその素材を美味しく食べるには物足りない200円台のものがドンと展開されていました。

メニューは素材と調味料の組合せで成り立ちますから、このように売場トータルでメニュー感のバラつきが生じると買上点数が伸びず客単価がダウンします。温暖化が進み、生鮮の動きが明らかに変わっている中、やはり鮮魚部門としては「今一番美味しい魚を一番美味しく食べる提案」が望まれます。今まで以上に焼きメニューなどを充実させ、「今日これ食べよう」のヒントになる売り方をまずは商品、そしてクロスMDで見せていってほしい。これは店舗でのコントロールが一番大切ですが、生産者の皆さまが日々ご家庭で食べている「美味しい焼メニュー情報」などがいただけるとより効果的です。

 

もう一つ感じたのは「素材部門の惣菜化」です。

 

ある有名な精肉専門店は対面ケースをかなり縮小させ「さばの塩焼」まで売っていたことには驚きました。隣の鮮魚専門店も魚介のフライものを展開、その隣の惣菜店は「どこからどこまでがこの店の商品なの?」とわからないほどでした。

当然惣菜化は進みますが、各々がバラバラに進めてしまうと館全体で揚げ物の茶色い売場面積が拡大、結果的に隣接店と同質化してしまいます。お客様は新鮮でおいしそうなお魚があるからこそ、横に並ぶ魚惣菜に価値を感じます。魚屋にしかできない強みを生かした、オンリー1、№1の魚惣菜開発が進むことを期待してやみません。(了)

 

(10月号以前の記事は、「メールマガジン」の「過去のバックナンバー一覧」からお読みいただけます。)

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