津波による漁具の破損・船の転覆とその理由

普段行われている漁具や漁船の固定方法

海中の船や網、イケスは波の力と潮の満ち引きによって上下左右に揺れています。

揺れないと力が逃げられずに壊れやすくなり、たるみがありすぎると他の漁具とぶつかり破損しやすくなったり魚が獲れなくなるため、季節による干満差も含めて都度漁業者が調整しています。

津波(潮位上昇)による漁船の沈没と破損

漁船も定置網等と同様に海底との距離を調整した状態で港に停めています。

津波により水深が突然深くなった場合、アンカー(いかり)に付いたロープの長さが変わらないことによって海面下に船が引きずり込まれて船が沈んでしまう場合があります。

アンカーを使わない係留方法もありますが、その場合は津波により船がぶつかり合って破損したり漂流してしまう場合もあります。

津波(潮位上昇)による漁具の被害

船同様、網も長さの変わらないロープに引っ張られる形で浮きが海面より下に沈み、想定外の浮力が働き、海底のアンカーが抜けたり、網が破ける被害が発生し、その後、漂流や衝突、絡まりなどが発生する事もあります。

上記の原因により、過去には急激な潮位変化によって鮭の定置網、カキやホタテの養殖イカダ、養殖ワカメ、ノリ、モズクの漁業設備の破損が報告されています。

津波が川をさかのぼることで過去には鮭捕獲用川止め網の倒壊が報告されています。

このように、「海底から一定の距離に固定された状態での水位の上昇」と、従来の波と異なる「連続的な水の力」の影響により、漁船や漁具の被害が生じます。

他にも津波によって流木などが流されて網に引っかかり破損する場合もあります。

魚介類の傷や斃死

津波による一方向の流れが一定時間続くことで、例えば養殖場のブリ稚魚の大量死が報告された事があります(2022年トンガ火山噴火による津波)。

養殖魚は網の中で泳いでいます。津波による急激な流れにより網は寄れて変形して泳ぐスペースが小さくなり、流れに逆らえない魚達は、進行方向の網に押し付けられる状態となり体表が擦れて傷つきます。特に稚魚などは泳ぐスピードもウロコも弱いため死にやすい傾向があります。

死ななくても、ワカメやモズクのように波の力で傷つき出荷できなくなる場合もあります。

被災地を少しでも助けたい。皆様へのお願い

家屋や漁具の修理にもお金がかかりますが、その元手は魚介類が売れたお金からです。

水産業に限らず、自然災害などによる被害のニュースを聞いた地域や会社の製品や魚があったら購入する事で応援して頂けたら幸いです。もちろん魚に限りません。

日常の生活を営めている人たちが選ぶ商品によって、被災地の今後の復興につながるので、日常の食卓で応援してください。

 

海と共に生活をする漁業は、地震と津波による影響を最も受けやすい産業です。

危険だから別の産業に・・・という考えもありますが、食料確保や、地域経済を守るためにも重要な産業でもあります。

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