今注目の養殖魚!「スギ」ってどんな魚?

1.スギってどんな魚?ある魚にそっくり!
2.  味はどんな感じ?美味しいの?
3.なぜ今、養殖が注目されているの?養殖業界の救世主!

 


1.スギってどんな魚?ある魚にそっくり!

主に九州や沖縄などの暖かい海に生息しているお魚で、スギって検索すると、木の「杉(すぎ)」が出てきてしまうほど、まだまだ知名度が低い!(悔しい!)

でも、みなさん。水族館に行ったことがある人ならスギのそっくりさんを見たことがあるかもしれません。

姿形をじっくり見てください。見覚えはありませんか?細長くて、縦じまがあって、頭が平べったくて…大きな水槽(すいそう)で大きなお魚さんと一緒に泳いでる…

はい、そうです。コバンザメです!

ジンベイザメなどの大きなお魚にくっついて泳ぐ姿はスギにそっくりです。

↓これは珍しくお腹を上にして、おでこの小判を海底にくっつけている状態です。逆さにしてみてみてください。笑

↓体の模様や形以外にも、下あごが出ている感じ、細かい歯の感じがそっくりですよね。

上:スギ、下:コバンザメ

スギの生態はまだまだ謎に包まれていますが、水族館ではスギがコバンザメのようにウミガメやエイなどの大きな魚によりそって泳ぐことが知られています。

水の抵抗(ていこう)を減らして、楽して省エネで泳ごうとしているちゃっかり者?

泳ぐのにエネルギーを使わないってことは、あぶらがたっぷり乗りそうかな?美味しいのかな?など考えてみてもおもしろいですよね。

(皆さんもマラソンを走るときに、体の大きい人の後ろについて走ると省エネで走れますよ!)

2.  味はどんな感じ?美味しいの?

姿形がちょっと不思議なスギ。どんな味?美味しいの?って気になりますよね。

スギをさばいて、お刺身にすると…じゃ~ん!こんな感じです。

【マルハニチロ株式会社提供】

とってもきれいな身ですよね~白身と血合いの赤さのコントラストが美しい!カルパッチョなんかにすると見た目も華やかな一皿ができあがり!

そして味。はい。とっても美味しいです。脂が身全体にのっていて、なおかつ歯切れのいい食感

お魚は脂がのるほど、身は柔らかい食感になる傾向があるので、スギを食べた時、「んんっこれは!」今までにない魚だな!って思いました。

3.なぜ今、養殖が注目されているの?養殖業界の救世主!

美味しいとわかれば、食べてみたいですよね~

でも、実は、天然物のスギはめったにとれなくて、流通量が少ないとってもレアなお魚なんです。

スギはアジやイワシのように群れを作って泳がないので、獲るのが難しくて、偶然(ぐうぜん)、定置網のような網に入った時にとれるぐらいなんです。

そんなレアで美味しいスギを全国の食卓に届けたい!ということで養殖に力を入れていこうという動きが出ているんです。

スギがとれて食べる文化がある沖縄県では、先がけて「琉球スギ」の名で養殖が行われています。

みなさんに馴染みのあるブリやマダイと同じぐらい身近なお魚になったら嬉しいですよね。

海の環境変化に強い!

実は今日本の海では水温が上昇傾向で、現在養殖が盛んなブリやマダイは水温が高くなりすぎると、人間と一緒で夏バテのようになって、上手く成長できなくなってしまい、全国の養殖業者さんが困っているんです。(泣き)

一方で、スギは元々暖かい海に生息しているので、水温が高くても(30℃ぐらい)、エサをばくばく食べて成長できる、まさに救世主的な存在として注目されているんです。

成長がとても速い

スギは成長がとても速くて、1年で出荷サイズ(4~5kg)に成長します。成長が速いと生産効率がいいのはもちろんですが、他にも大きなメリットがあるんです。

自然災害のリスクに強い

現在、魚の養殖は西日本や九州などの温暖な地域で盛んに行われていますが、そんな地域に毎年夏から秋にかけてやってくるものがあります。

そう、台風です。大きな台風が来たら養殖場はひとたまりもありません。例えば、出荷するまでに3年かかるお魚の場合は、3年間も台風にたえないといけません。

他にも、養殖を行う沿岸の地域では、赤潮などが発生する可能性もあり、育つ時間が長いほど被害にあう可能性が高くなってしまうのです。

赤潮等については【こちら】

食べてみよう!食べるヒトが増えれば、養殖する量も増える!

といった理由から、養殖魚のスギが、これから目にする機会が増えていくハズです。

身近なスーパーや魚屋、回転ずしのような外食で目にすると思うので、見かけたら食べてみて下さい。

もちろん、ブリやマダイなどの養殖魚もとってもおいしいので、どちらが美味しいか、食べ比べをしてみてもいいでしょう。

背側と腹側も食べ比べたりすると、自分が好きな味が分かってきますよ。

みんなが食べればきっと養殖される数も増えていくでしょう。

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