8月3日は「ハモの日」
8月3日は「はもの日」
徳島県漁業協同組合連合会 参事役 岡﨑孝博
徳島県のハモの年間漁獲量は、2001年にそれまでの3倍以上に増大し、その後も多少の変動はあるものの高水準を維持し、近年では350トン程度で推移しています。農林水産省による全国統計の発表があった2006年までに、徳島県の漁獲量は2001年に599トン、2002年に714トンで、ともに全国一位になりました。
ハモの年間漁獲量の推移(徳島県:単位トン) ※ 2006年までは農林水産省発表、2007年以降は徳島県調べ
漁獲量が急増した点については、海水温の上昇傾向が、暖海性のハモにとって好適な成育環境をもたらし、海域における稚魚の生残量、さらには漁獲対象となる資源量が一気に増えたことが考えられます。また、急増した後も漁獲量が高水準を維持している点については、資源の再生産が良好であったことに加え、長年、漁業者が取り組んできた資源管理型漁業、すなわち小型底曳網では体重200グラム未満、延縄では体重300グラム未満の「小さいハモの放流」が奏功しているのでは。
ハモの豊漁が続くなか、2008年の7月に、生産者団体である徳島県中部底曳網協会をはじめ、徳島市中央卸売市場関係者、(一財)徳島県観光協会、徳島県旅館業生活衛生同業組合、徳島県料理業生活衛生同業組合で組織する「徳島の活鱧ブランド確立対策協議会」が設立、JF徳島漁連が事務局を務め、徳島県などと連携して、県産ハモの消費拡大、認知度向上への取組が始まりました。
2009年には、協議会は「徳島産はも指定料理店」と協力して、ハモ料理を注文した方に、抽選で徳島県の農林水産物などが当たる、「徳島活鱧料理 味わいキャンペーン」をはじめて実施し、その後毎年、回を重ねるごとに「徳島産はも指定販売店」や「徳島産はも指定加工業者」等にも参画いただき、規模拡大を図りながら取り組んできました。コロナ禍でキャンペーンが実施できない年もありましたが、2022年には3年ぶりにキャンペーンが復活し、今年も7月1日から10月31日まで開催されていますので、詳しくは「徳島の活鱧」で検索してみてください。
また、協議会では、京都「祇園祭」、大阪「天神祭」、徳島「阿波おどり」を、「日本三大ハモ祭り」と称して、例年、祭りの会場で、徳島産ハモのPRを精力的に行うとともに、ハモに馴染みがない首都圏の消費者に対しても、量販店や飲食店はもとより、築地市場「ととの日祭り」において試食していただきました。さらに、若い世代にもハモを味わってもらおうと、県内4大学の学食で「ハモ料理メニュー」を提供しました。
そして、JF徳島漁連では、こうした取組をさらに盛り上げるべく、全国に先駆けて「ハモの日」をつくろうということになり、ハモの語源が鋭い歯と強い顎を象徴する「はむ」「はみ」などが訛って、「はも」と呼ばれるようになった、とされることから、8と3で「はみ」の語呂合わせで「8月3日」としました(2011年7月、日本記念日協会に登録)。
今年もゴールデンウィーク明けから、はしりのハモが見え始め、梅雨に入って漁が徐々に本格化、7月には最盛期を迎える見通しで、生産は好調のようです。
この夏、上品で適度に脂がのり、旨みたっぷりの「徳島産ハモ」を是非ご賞味ください。