11月23日は珍味の日 いいつまみ

珍味

珍味というと文字の通り珍しい食べ物を指すこともありますが、アウトドアでの缶ビールのお供として、するめやイカ燻製のような乾きものをイメージする人も多いかと思います。

全国珍味商工業協同組合連合会(以下全珍連)によると「珍味とは主として水産物を原料とし、特殊加工により独特の風味を生かし、貯蔵性を与え、再加工を要することなく食用に供される食品(陸産品に類似の加工をほどこしたものを含む)で、一般の嗜好に適合する文化生活の必需食品である。」とされています。

冷蔵庫が無かった時代の魚介類の保存食として各地で発達し郷土食として根付いている珍味が多くあります。

(画像 全珍連HPより)

珍味の日

今でも宮中祭祀の一つとして行われている新嘗祭は、その年に収穫された新米や山海の珍味などを神に供え、供え物を神からの賜りものとして自らも食するという儀式です。

新嘗祭の日は勤労感謝の日として祝日になっておりますが、恵みに感謝するとともに、食していただく消費者に感謝するという意味から、全珍連が新嘗祭にあたる11月23日を珍味の日に制定しました。

なお、11月23日が「いいつまみ」の語呂合わせになっているという事は、珍味の日を制定した後から気が付いたそうです。

全珍連では毎年珍味川柳を募集しており、珍味の日に優秀作品の発表を行っております。(本年度の募集は既に終了しております)

また、神戸北野天満神社にて奉納した珍味のプレゼント公募を行います。供え物を神からの賜りものとする新嘗祭ならではのイベントですね。その他にも各地で珍味の日にちなんだイベントが行われる予定です。

 

珍味の種類

珍味と言われる食品には多種多様な食品があります。製法ごとに分けると主に次のようなものがあります。

燻製品類…鮭、鱈、いか、鰊、鮹、鮪などの原料に調味し、いぶし、乾燥させたもの。

塩辛類…うに、いか、えび、魚卵、内臓などの原料を調味、混合し熟成させたもの。

あえもの類…うにあえ類、酢漬類などがあり、調味し混合したもので、ものによっては熟成させるものもある。

漬物類…魚類のかす漬、ぬか漬、みそ漬とあり、調味しそれぞれに漬け込み熟成させたもの。

焙焼品類…儀助煮、姿焼(いか類 )、焼松茸等があり、調味し焼いたもの。

煮揚物類…小魚(アユ、ワカサギ、白魚の照焼)、海老満月(油で揚げた物)等があり、調味し焼い(揚げ)たもの。

裂刻品類…するめ裂いか、生裂きいか、吹雪鱈、春雨いか等があり、基本的に調味・焼く・裂くといった製法でできるもの。

圧伸品類…小魚の鉄板焼、のしいか、エビ鉄板焼、のしふぐ等があり、調味し焼き、圧伸したもの。

 

日本の三大珍味

塩ウニ、このわた、からすみが日本の三大珍味と言われています。

ウニは卵巣又は精巣が可食部です。これに塩を混ぜて熟成させたものが塩ウニ、あるいはウニ塩辛として珍味とされています。戦の時に持ち歩ける保存食として開発されたものと言われています。

このわたは、ナマコの腸を洗って塩と混ぜ熟成させた塩辛です。徳川将軍家にも献上されていたそうです。よく「ナマコを最初に食べた人はすごい」と言われますが、その腸の塩辛を作って食べた人はもっとすごいかも知れません。

からすみは、ボラの卵巣を塩漬けにしてから乾燥したもので、形が唐の国の墨に似ていたのでからすみになったと言われています。

ただ、自分の土地の名物を三大珍味に入れたがる地域も多く、ナマコの卵巣を乾燥させたくちこや、鮎内臓塩辛のうるかを三大珍味に入れるという説もあります。

 

世界の三大珍味

トリュフ(欧州のキノコの一種)、フォアグラ(肥育させたガチョウの肝臓)、キャビア(チョウザメの卵を塩漬けにしたもの)が世界三大珍味と言われています。

トリュフ

フォアグラ

キャビア

キャビアは日本人から見ても珍味の仲間のようですが、トリュフ・フォアグラは調理素材であって、日本語の珍味とはちょっと違うジャンルのものです。貴重で皆がありがたがる食べ物=珍しい味という意味のようです。

 

今号の記事は全国珍味商工業協同組合連合会(全珍連)の協力のもと作成しております。

いろいろなおさかなの記念日は 「こちら

イカ塩辛の黒作り、白作り、赤作りについては 「こちら

スルメに使うイカの種類については 「こちら

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