水産物の水銀摂取リスク

食品内の水銀基準について

総水銀  :0.4ppm (mg/kg)

メチル水銀:0.3ppm(mg/kg)

※マグロ類、深海性魚介類等、河川産魚介類は適用外

が基準です。

我々が摂取する水銀の8-9割は水産物に由来しますが、魚介類を食べる事のメリットを考えると、心配せずに食べること、が推奨されています。

ちなみに日本人平均摂取量は、一生食べ続けて大丈夫という基準の6割弱ぐらいなので、平均の倍程度食べても問題ないと考えることもできます。

ただし、妊娠中、その可能性がある人は注意が必要という指針が出ています。

水銀は体内に溜まり続ける?

「環境省」によると、乳児からお年寄りまで水銀を摂取しても約70日で半分が排出されます。

※お腹の中の赤ちゃんは排出できないため、妊婦さんと予定がある方は魚種を選んで食べる事が推奨されています。

サメやクロマグロ等の高次捕食者は、常に魚を食べ続けているので体の中の水銀量が他の魚よりも高めになります。

妊婦さん向け水銀情報

水産物の水銀摂取のリスクについては、厚生労働省から「こちら」妊婦さん向けに魚種別にわかりやすいパンフレットが発行されています。

「水産物を食べないではなく、選んで食べる」事が推奨されています。

見慣れない名前が多いと思いますが、ユメカサゴ、クロムツ、ミナミマグロ(インドマグロ)、ヨシキリザメ、クロマグロ(本マグロ)、メバチマグロ、メカジキ、マッコウクジラ、マカジキ、キダイ、キンメダイ、などは、毎日は食べないようにしましょう。

高級魚が多いので、毎日は食べないでしょうが・・・イワシやアジ、サバなどの大衆魚は気にせず食べて大丈夫です。サバ缶が楽ですね!

「魚を食べるメリットの方が大きいですよ!水銀を心配しすぎる事はありません!」と、栄養大学の先生が説明しているのは「こちら」の30ページをご覧ください。前半では魚を食べてアトピー予防と軽減の話も書かれています。

食べすぎた場合に赤ちゃんへの影響は?

「音を聞いた場合の反応が1/1000秒以下のレベルで遅れる可能性がある」と言われています。

水俣病は重篤な例もありましたが、その様な影響が出るわけではありません(公害の経験含めて世界中で水銀の使用が少なくなっているのです)。

生まれてくる赤ちゃんの事を思うと少しでもリスクは低い方がいいのですが、魚を食べないリスクの方が高いとも考えられます。栄養面での生育や、DHA等の脳の発達もしっかり考えましょう。

資料に書かれている高級魚であるキンメダイも週に1回は食べられる!など前向きに考えて、特定の魚に集中せずにバランスよくいろいろな魚を食べるのがおススメです。もちろん肉や野菜も。

クジラやイルカは大丈夫?

妊婦さんは避けたほうがいいですが、クジラやイルカ等、食物連鎖の頂点にいる海洋生物には(メチル)水銀が多いといわれており、上記資料でもイルカの名前が見られます。

和歌山県太地町は伝統的にクジラ・イルカ漁が行われ、住民も地元の食材として漁獲物を利用しており、その水銀摂取が健康被害を起こすのか研究が行われてきました。

2019年10月に環境省国立水俣病総合研究センターが研究結果を発表し、ヒトへの健康被害の無いことが報告されています。

そこまで心配することはないけれど覚えておく程度で大丈夫です。

「国立水俣病総合研究センターの年報」:[3.曝露・影響評価グループ(3)クジラ由来の高濃度メチル水銀の健康リスク評価]に掲載

「発表にかかわる日刊水産経済新聞の特集記事」(2019年12月25日)

 

ヒゲクジラは大丈夫!

イルカが含まれるハクジラは多めですが、ヒゲクジラの2024年クジラ内のメチル水銀は、ナガスクジラ・ニタリクジラ0.05、イワシクジラ0.06、ミンククジラ0.1と基準内です。食べている餌によるものですが、その様なことも考ると、安心して食べることができます。

改めて、基準は、総水銀:0.4ppm (mg/kg) メチル水銀:0.3ppm(mg/kg)でしたね。

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