日本水産動植物圖集・日本重要水産動物圖 明治~昭和初期に大日本水産会が出版した資料

大日本水産会発行の魚図鑑・図集について

水産業界の振興を目標に活動している大日本水産会は令和4年で創立140周年。

戦前から水産物に関する情報を発信してきました。

長い歴史の中で発行してきた資料をこのページでまとめます(一般読者が多い為、図や絵などを中心に紹介しています)。

この図は載っていないゾ!という情報は「こちら」からお待ちしております!

烏賊図解一覧(個人所有:匿名)

明治17年(1884年)当時の主要貿易品目であるスルメの図を発行しています。

日本重要水産動植物之図 (青木繁「海の幸」記念館所蔵)

明治21年(1888年)のパリ万博博覧会に出品されたためフランス語です。

2年後の「日本重要水産動物図」と配置が異なり、フランス語であることが特徴です。

日本重要水産動植物圖 第1図~第4図 (京都大学図書館所蔵

明治23年(1890年)に出版されました。54㎝×65㎝の大きさです。

上記4図の図解説は別の冊子「日本重要水産動物植物図解説」として明治30年(1897年)に発行されています。

日本重要魚介

明治25年(1892年)に魚介の図を刊行し、明治33年、43年に増補重版が出されたようですが、どのような資料なのか不明です。情報お待ちしております!

日本重要水産動物図 第1~7図 ・ 日本重要水産植物図 (金沢大学所蔵)

明治30年(1897年)に発行され、教育用(高等学校等)の掛図(ポスター)です。

日本産鮫一覧表(個人所有:匿名)

明治31年(1898年)に発行された鮫の図です。

日本水産動植物図集

昭和6-7年(1931-32年)に大日本水産会創立50周年事業として当時の知識・技術を集結させて上下巻で出版されました(当時45円)。52㎝×37㎝の大きさです。

600種類以上、805図が収録されています。

日本水産動植物図集の内容を確認したい場合

内容を確認したい方は下記の方法で閲覧できますので調べてみてください。

国立国会図書館の館内にあるPCで見る
(著作権法第38条)
②国立国会図書館と契約を結んだ各地の図書館にあるPCで見る
(著作権法第31条第3項)
③国立国会図書館の利用登録をした方が、会員としてログインしてから見る
(著作権法第31条第4項)

①②は直ぐに、③は2023年以降著作権法で認められている範囲内でプリントアウト可能です。

 

この絵を描いた伊藤熊太郎と大日本水産会が保管している100枚の原画については「こちら」からどうぞ。

当時利用されていた水産物を中心に描かれており、現在との違いを考えると興味深い資料です。

・・・ミナミマグロが書かれていない理由

例えばマグロは4種が記載されていますが、現在食用とされているミナミマグロは書かれていません。

インドマグロの別名でもあるこのマグロは、南太平洋に多く現在は冷凍、生鮮の場合は空輸でオーストラリアやニュージーランドから運ばれます。当時はそのような遠方からは運ぶことができなかったから利用されていなかった魚種であることがわかります。

・・・サーモンがいない??

現在のように空輸や冷凍コンテナにより海外から運ばれる事もなく、当時は刺身で鮭を食べる文化はないため、現在のサーモン(アトランティックサーモン、サーモントラウト)は存在してませんでした。

他にも外来種などなど、紐解いていくと、絵から読み取れることが多くあります。

・・・当時のザリガニって何ザリガニ?

現在ザリガニと言えばアメリカザリガニですが、本種は1927年の5月にウシガエルのエサとして神奈川県に20匹だけ持ち込まれたものが増えた結果です。「神奈川県鎌倉市におけるアメリカザリガニの由来(神奈川県自然誌資料2011年)」

「ニホンザリガニの博物学的知見Ⅷ(2017年日本甲殻類学会)」にもあるように、江戸時代のザリガニはニホンザリガニであったとされています。

100年前と比較して日本人の平均身長は10-15㎝高くなっており、当時栄養が足りていなかったことがわかります。

食糧を確保するためにウシガエルを食べよう!そのエサはアメリカザリガニだ!と考えた結果で、現在外来種は悪の存在ですが、それよりも生きる事が重要視された時代だったとも考えられます。

新日本水産動植物図集

日本水産動植物図集の「下」巻のみの復刻版です。

平成8年(1996年)に北日本海洋センターが出版しました。38.5×36.5㎝です。

古い資料であり、本会の所蔵している資料も少ないのですが、種類を見るだけでも100年前に日本で利用されていた海産物を知ることができ、島国日本の歴史を紐解くカギになりそうです。

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