マグロをキャッチアンドリリース?死なないの??
釣れたマグロ。逃がさないといけない場合や理由は?
クロマグロは取ってよい量が決まっているので、間違って連れてしまった場合は逃がさなければならない事があります(年によっても異なります)。
え!せっかく釣ったのに、結局逃がしても死んでしまうなら、食べないともったいない!という意見もありますが、死んだら食べて良い!となると、死んでいた!と言い始める場合があるので、死んでしまっていても弱っていても元気でも、一律で逃がす事、と決まっています。
定置網に入ってしまったクジラの場合は定置網を壊した金額分や、定置網を壊すことになるので、種によっては水揚げしてもいい場合もあったり(DNA登録して密漁でない事が証明できるようにして)現実的なことが考えられています。
マグロが釣れてから逃がした場合、生き残る割合はどれぐらい?
①定置網の中でグルグル泳いでいる状態から逃がす場合、②一本釣りで5分で釣れた場合、③一本釣りで1時間格闘後に釣り上げた場合、④電気ショッカーを使ったか、⑤はえ縄で針に掛かってから時間が経過していた等の他、どの場所に釣り針が刺さったか、針に返しが付いていたか、などなど様々な状況があり、漁法によっても異なるため、一概には言えませんが、一例として論文がありました。「こちら」
ザックリで若干間違いがあるかもしれませんが、下記のことが書かれていました(正確に知りたければ英文でお願いします!)。
カナダのクロマグロ60尾での放流後の死亡率調査
カナダで大西洋クロマグロのキャッチアンドリリース(レジャーとしての釣り)が計画されており、本格的な実施前に逃がした後の死亡率の確認を行った。
釣り針はサークルフックで、全て顎にかかり、格闘時間は6-79分。平均33分だった。
60尾のうち一尾はシッポに絡まり即死。残り59匹のうち、衛星タグで確認できた死亡は2匹だった。
→放流後の死亡率は3.4%だった。
※補足として、釣りで1尾即死しているため、レジャーでキャッチ&リリースすると60尾のうち3尾≒5%が死亡するとも考えられます。
予想よりも少ない死亡率かなと感じましたが、皆さんはいかがでしょうか?
守りながら資源を活用(食べる・観光に利用する)の一つのデータとして考える事ができそうです。
ウミガメの混獲・死亡を防ぐ眠り針(サークルフック)
先ほどの中でサークルフックという言葉が出てきました。
これは釣り針の先が曲がっている針です。
右側がサークルフック(ねむり針)と呼ばれる針で、針先が内側に曲がっています。
釣り針はマグロ顎ではなく喉に引っかかる場合がありますが、内側に曲がったサークルフックだと、エサと共にゴクン!と飲んでも喉に引っかからずに口に引っかかることになります。
絶滅の恐れがあるオサガメは大きいと900kg。針を外すために甲板に上げる事はできません。
針を外す際に喉に引っかかっている場合は針を外すことは難しいけれど、口元で引っかかっている状態であれば、ペンチなどで外すことができ、最小限の負担で逃がす事ができます。
このように、釣り針を工夫したりすることも資源を守ることにつながります。