水産業って何?

レジームシフトとは?獲れる魚種が変わる魚種交代はなぜ起きる?

レジームシフトとは

気候(気温や風など)が急激に変化する事をレジームシフトと呼びます。

変化後の状態が10年単位で続く事で、水温や潮の流れも変わります。

魚種によって成長しやすい餌や水温が異なるため、レジームシフトの結果としてイワシ、アジ、サバなどの獲れる魚種が変化する、「魚種交代」が起こるという説があります。

見えない海の中で原因は一つではなく、諸説ありますが、大きな考え方としては、水温などが長期に変化する事でその海域のエサの種類や、魚が大人になり卵を産める個体数が増減する事が考えられます。仮にイワシが減った場合、イワシたちが利用していた餌を別の種類が食べればその魚種が増える!という考え方だとわかりやすいでしょうか。

大量に獲れる大衆魚であるイワシ、アジ、サバに比較すると大量に獲れないものの、大型の魚介類でも、同様のことが考えられます。

例えば・・・メキシコ近辺では、捕食者のサメに変わって、1-2年で大きくなる人間ぐらいのサイズの大型のイカが増えたと言われています。大人になるまでに時間がかかるサメがイカとの競争に負けて、一度そのような流れができると、今度は数が少なくなったサメの出会いの機会が減り、さらに子供が少なくなるなどで、元の状況とは別の次元に移ってしまうというような考えができます。

温暖化?レジームシフト?獲りすぎ?

しかし、ただでさえ見えない海は広く深く、何が原因かわからない事もよくあります。

魚種毎に、生きる海域も好む餌や水温も異なります。産卵場所は特に重要ですし、ヒトによる漁獲量も影響を及ぼします。

サケやブリが獲れるようになったり獲れなくなったのは、温暖化が原因であることが濃厚ですが、スルメイカは温暖化の影響もあるけれど、他の影響も関係していると思われます。

 

どれか一つではなく、例えば温暖化によって産卵場所が適さなくなった+クロマグロが増えた+人が追い打ちをかけたとすれば、複数の原因があるという事になります。

そのため、これが原因です!と断言する事が難しいのです。

温暖化による魚種別の水産物への影響は「こちら」

 

 

温暖化による様々な現象は他にもいろいろあり、水産物に影響を及ぼしています。

極端現象とは?

極端な高温や低温、強い雨などの現象です。

大型台風の襲来、ゲリラ型豪雨の発生や連日の猛暑日など、我々の生活に関係し、一昔前よりも増えたのではないかと体感している人も多いと思いますが、海でも同様の状況は生じています。

海洋熱波とは?

海水温が急激に上昇する状態です。規模や期間(数日から数年)、原因は様々です。

一例として、12Km上空を吹く偏西風が北に移動、そこに太平洋高気圧が入り込み、強い日差しが海水に当たるようになり、水温が6℃上昇した。というものです。

海洋熱波の数か月後に、赤潮が発生し、300Kmに渡る赤潮が発生した例もあります。「こちら」

プランクトンが関係する赤潮や青潮は日差し、水温、富栄養化の影響が大きく、爆発的に増加するのもその特徴です。

海洋寒波とは

熱波の逆で、低水温が発生・継続する状態です。寒気が突然南下する事で引き起こされます。

魚種によって寒すぎると動きが遅くなる場合があり、「ハマグリやホッキガイ」「イワシ」が打ち上げられる例が知られています。

黒潮・親潮の変化

海水温や風が変化する事で、黒潮大蛇行などのように大きな潮の流れが変わる場合があります。

マリアナ海溝から日本沿岸まで潮の流れの乗って移動し、川をさかのぼるウナギを例に考えると、潮の流れが変わる事で陸に近づけなくなる例など、生物に対して影響があります。

ウナギを増やすために食べない・獲らないとしても、そもそも稚魚が戻ってこないとウナギは増えないのです。「こちら」

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