「世界の魚市場から」 ~台湾サンマと国産サンマ~

海外とのサンマ資源管理

そろそろサンマの初セリの時期です。

また、サンマといえば、日本、中国、台湾など8か国が都内で北太平洋の公海におけるサンマなどの資源管理の具体策を話し合いました。

昨年に引き続き中国の反対で合意に至らなかったものの、サンマが大量に取れた際に商品価値の低い小型魚を海に捨てる「海上投棄」の禁止、無許可での操業が疑われる漁船は、中国船だとしても日本の取締船が公海上で乗船検査できる事にした、この2点は高く評価できる点だと感じます。

台湾のサンマ事情 2018年

サンマの話題に絡めて、2018年10月に台北の松山空港から車で約10分の台北漁市(一般市民が利用し、肉、野菜、魚類が販売される)訪問した際の簡単なレポートを。

鮮度が良い立派な太刀魚。湯(スープ)用に頭や腹ビレ部位のみの販売があるのも特徴。

市場外の一角にある下処理場。内臓・鱗などを順次除去している。有料ながら5名程度が並んでおり、非常に便利な印象です。

サンマは一山50台湾元(一尾50円)で悪くないサイズ。一尾売りで約40円の場所も。

船上凍結品で鮮度は良く、刺身でも食べられるレベルと判断できました。

他の鮮魚は、日本の魚市場価格と同等か高い中で、サンマは際立って安く、人気にも納得。

日本との比較

帰国後、東京都江東区の某スーパーで、原料原産国が台湾、加工国中国のサンマの蒲焼冷凍品が販売されていました。そのすぐ隣では国産の鮮魚のサンマも売られていました。

個人的に美味しそうなのは鮮魚の方ですが、簡便性を考えると蒲焼冷凍品を選ぶ消費者も一定数いるハズです。うーん・・・・。

 

どの会社も、老朽化した機械類の更新や、船の更新のためにも商品が売れる必要があります。

安さや簡便性で海外品を買う事が、雇用の減少を通じて現世代の給与は勿論、子孫にも関係する自国国内設備の老朽化につながり、国内産業が衰退する選択に繋がる事を自分も含めて消費者が考える点かと感じます。

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