(5)うかぶ金塊 くじらの龍涎香 海岸で拾って億万長者?

龍涎香はどのように作られる?

龍涎香の主成分であるアンブレイン(Ambrein)であり、マッコウクジラが食べたイカのクチバシや王冠が鯨の体の中で固まり、フンとして排出された後に波を漂いながらできると言われています。

(↓イカのクチバシ(:カラストンビ)や口の場所を知らない方は「こちら」からイカの身体の勉強をどうぞ!)

深海のイカは浮力を保つためにアンモニアを多く含むので、その成分も関係しているのかも?

イカを食べるクジラなら、龍涎香がおなかの中にあるの??

鯨は大きくヒゲクジラとハクジラに分かれ、ヒゲクジラはヒゲで魚やオキアミ等の獲物を濾しとります。ハクジラは歯で獲物を捕まえたり吸い込んだりして食べますが、大きさによっても食べるものは変わります。

イルカ(4メートル以下)が、ダイオウイカ(腕を含めると6-7メートル)を食べる事は・・・できなさそうですが、マッコウクジラ(♂は17メートル、♀は13メートル)ならダイオウイカ等の大きなイカを食べることができますね。

参考までに足を延ばして2メートルちょっとのアメリカオオアカイカの王冠(腕に一杯ついている吸盤の中にあるヤツ!)はこんな大きさです。

マッコウクジラの口の周りには、大型のイカが最後に「タベナイデ~~」と逃げようとした王冠の跡が見られる場合もあるようですよ。決して戦っているわけではないのです。

そんな楽しい事がわかるくじらぬりえは「こちら」から(教育用はコピーOKです)。

浮かぶ金塊 龍涎香とは?

「リュウゼンコウ」と読み、竜涎香と書かれることもあります。

昔、中国で「竜の涎(ヨダレ)が固まったモノ」と考えられ、香りが良いため「龍涎香」と呼ばれるようになったそうです。

他の香料の香りを安定させることから、シャネルの5番の原料として使われていた時期もあったとか。

香りは、お香の「抹香(マッコウ)」に似ているそうで、マッコウクジラは「抹香の香りがする龍涎香を体内に持つ」ので抹香鯨と名前が付いています。

英語ではアンバーグリス(ambergris)と呼ばれ、透明感の無い琥珀(アンバー)のような外観で、石や岩に見える事も。

↑2つともアンバー:琥珀の写真。

確かに龍涎香は上の白いタイプには似ていますね。

海岸に漂着する比重の軽さも、比重が軽く海水に浮く琥珀と同じですね。

竜糞?龍糞?

龍涎香は、昔は龍糞とも呼ばれ、琉球、土佐、紀伊で拾われており、琉球王朝では海外輸出用として海岸で龍涎香を見つけた場合は、届け出を義務付けて褒美を与えていたそうです。

妄想コーナー

マッコウクジラ以外でも、イカを食べるクジラからは龍涎香が作られるのか??

イルカが食べるような小さいイカのクチバシは・・・すぐに消化されてしまうのか??

↓タコのトンビを食べる海生生物は・・・どうなんだろうか・・・。。

2019年に新種のクジラが発表されるなど、まだまだ知られていない事が沢山あるので、可能性はあるのかもしれません・・・。

 

お金になるらしいゾ!と、お金のことばかり考えずに、海の生き物を想像しながら、魚(とクジラ!)のロマンも考えながら、美味しい魚介類を食べてくださいね。

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