コロナ禍の水産業界の話題
世界はコロナ禍で様変わりです。水産業界の内も外も大きな変化です。この先どうなるか、将来を見通すのはなかなか大変ですが、小さな変化にも気をつけて、身近な対応から今後の動きを見つめる必要もありそうです。そんなお話をご紹介したいと思います。
今回は小谷フードビジネスの小谷代表に寄稿いただきました。
2020年10月5日
コロナ禍でのマーケット変化、展示会で考えること
小谷フードビジネス 小谷一彦
続くコロナ禍のなか、マスクの着用も今や普段着に。
コロナ禍でマスクは病人や医療、食品従事関係者が使うだけでなく、マスクは日常生活に溶け込んだ普段着になっています。
10月より東京都もGOtoトラベルキャンペーンが対象とになり、今後、イート関連へも順次キャンペーン拡大のなか。有名観光地は賑わいを見せ、各地観光地も徐々に賑わいが波及し始めています。一方で感染拡大に危機感をもつ声も根強く、旅行熱の高まりがクラスターに繋がるのではとの懸念もあります。事業者、消費者とも感染対策を徹底し安心安全な旅にすることが求められています。
盆商戦は帰省客の割合がもともと高い地域ほど苦戦し、例年主力の寿司、刺身盛り合わせのご馳走感ある大容量が苦戦しました。一方、都内、地方の市内店舗は容量を押さえたご馳走感ある商品が伸張。
年末需要の展望については、続くコロナ禍のなか、帰省、旅行を引き続き見合わせる人たちも続くなか、盆同様な傾向が続くのでは想定されます。始まったおせち予約に関しては、百貨店、専門店、コンビニ、食品スーパーとも例年並みか、それ以下での計画数を立てており、おせち食材の発注も多くがそのような傾向となっています。
秋冬向け展示会の中止からオンライン展示会も開催されています。またリアル展示会とオンライン展示会の併用など、新たな展示会も始まりました。いままでの実際に商品を見て試食をして対面での情報収集からデジタルを活用しての情報収集、販売機会への移行も見られるようになりました。
9月より様々なリアルな展示会が東京ビックサイトでも行われるようになりました。もちろん自治体・保健所の指針に基づいての開催ですが、開催者、入場者の反応は、入り口での検温はもちろん、入場制限もあり入る時に緊張感が漂っているように感じられます。
第22回ジャパン・インターナショナル・シーフードショーはリアルに開催
出展者の方かだの展示方法も試行錯誤のようです。試食含め従来のやり方で行っている出展者から、個食にしての試食提供、蓋付き試食カップでの提供、商品のみの展示、飛沫防止シート越しでの商品提案、指針はあるようですが、実際リアルになると提案方法にバラツキが見られました。
展示会での試食はその場で味をわかって貰うインパクトある手法で有り、多くの来場者が期待し続けると思いますが、以前の提供の仕方では、逆に客離れを懸念します。従来のやり方での提供では、コロナ禍への意識の薄い企業と見られマイナスに働いてしまいます。と言うことは、その逆に予防を十分に行いながら試食を提供している所は、足を止めると考えられます。
例えば
- 説明接客する従業員と試食をだす人と分ける。
来場者にひとめでわかるように、説明係は腕章をつける。
ブースの一部分を試食の受け渡しコーナーとしてシールドで囲み、そこでのみお渡しする。試食をつくる人は白衣をまとい、衛生的に専任で試食づくりを行う。通路にゴミ箱は置かない。ゴミ箱は足踏み式の蓋付きゴミ箱を使用し、残渣などが飛散させない気配りをする。
- 全員、マスク+フェスガードを装着する。
- 従業員の一人を衛生責任者としてわかるように腕章をつけ、常に全体を見渡しながらコントロールする。
等、ものものしいですが、ここまでやられている出展者はありませんでした。
コロナ禍でライフサイクルの変化の予兆もでてきました。つい最近まで、人生100年時代や老後2千万円問題といったキーワードのように、長期の生活設計が求められていました。ところがコロナ禍により、従来以上に元気なうちに人生を楽しむと考える人が増えるてくることも想定されます。人生観の変化から、希少性、感動のある付加価値ある商品、コトに共感できる商品がより求められ、新たなマーケティングが求められます。
以 上