かまぼこでSDGs?
おせち料理とかまぼこ
お正月のおせち料理に欠かせないものと言えばいろいろとありますが、そのうちの一つがかまぼこですね。かまぼこの断面の半円形が初日の出を表しているのでおめでたいとされています。
かまとと?
「かまとと」という言葉は、知っているのに知らない振りをして上品ぶったり、うぶを装ったりすることですが、かまぼこがとと(魚)からできているということを知らないふりをする人が語源となっています。
以前は、かまぼこが魚から出来ているということは常識でしたが、今では知らない人も珍しくはなくなってきて、「かまとと」という言葉も最近聞く機会は少なくなりつつあります。
魚からかまぼこへ
かまぼこは、以前はかまぼこ屋さんが市場から毎日生の魚を仕入れて、それをさばいて身だけを取り出し、ミンチにして水さらしを行ってから水気を絞り、塩や調味料を混ぜて良く練ってから、板の上に成形して、蒸すという工程を全て一気に行っていました。
魚肉を水さらしすることで、色を白くしたり、魚の臭さを消すとともに、かまぼこがぷりぷりの食感になる手助けをしています。
今でも伝統的な方法でかまぼこを作っている業者も各地にあります。それぞれの地域の地魚を使い、土地の名物として根付いているものも多々あります。かまぼこに向いた魚があがり、水さらしに向いたきれいな水がふんだんな地でかまぼこは発達しました。
現在、スーパー等で販売されているかまぼこの多くは、冷凍すりみを原料としているものが多くなっています。冷凍すりみを使うと、原料魚の不漁を気にしなくていいし、正月前の需要期に大量に生産ができるなど、工場が効率的に回り、価格を抑えることができるのです。
かまぼことすりみの作り方は「こちら」
かまぼこと冷凍すりみについては「こちら」
かまぼこは正月以来食べていないという人もいるかもしれませんが、外食をする人はチャーハンやちゃんぽんなどで知らずに食べている事が多いですね。
かまぼこは、そのまま食べたりワサビ醤油で板わさにしても美味しいですが、炒め物などの具材にも使いやすく非常に便利な食材でもあります。
正月だけの食べ物と考えるのはもったいないですね。
かまぼこってエコ?
実はかまぼこは、SDGsの観点からも優れた食品なのです。
昔から余った魚や、鮮魚としてはあまり人気のない魚を有効利用できるという事で、魚をムダにしないという知恵が詰まっていました。
今は、原料のすりみ工場のほとんどは、すりみを作るときに出てきた頭や骨・内臓を使ってフィッシュミール(魚粉)を製造し、養殖の餌原料に使用していますし、すりみを水さらしした廃液からもタンパク質の回収を行い、魚を余すところなく有効利用しています。
魚粉については「こちら」