ハクレン大量死 その理由と原因を考える
ハクレンとは
中国原産の淡水魚で、1mを超える大きな魚です。コクレンと合わせてレンギョと呼ばれる事もあります。
霞ケ浦の北にある北浦で定置網によって捕らえられたハクレン。
80cmで12Kgと巨大!
下に目が付いているのでシタメとも呼ばれ、上からだと目は見えません。
証拠写真。さばいている途中に、思い出したので切れ目があってカッコ悪くてごめんなさい。
大きいだけで、普通にさばける!ハクレンのさばき方は「こちら」!
ハクレンの大量死
イワシやボラなどと同様に、大量死のニュースで名前を聞く事があります。
1mを超える巨大なハクレンがお腹を見せて浮かんでいる様子は衝撃的です。
匂いも重なって不安になってしまうでしょう。ただ、必ず何か理由があって死んでしまったハズです。
毒だ!等と安直に考えずに、ニュースとなった現場の状況と、他の魚との共通点を考える事で、原因が見えてきます。
①2024年5月30日頃 「茨木県土浦市桜川 ハクレン大量死」。
県による水質検査では問題がなかった。
24日から上流で田んぼに水を引いたことで、川の水量が減っていた。
→川の水が減ったことで、ハクレンが呼吸できる水中の酸素の絶対量が減り、酸欠になったと考えられた。
②2022年7月20日 「栃木県渡良瀬遊水地 ハクレン大量死」
河川事務所の水質検査で毒物は検出されなかった。
大量死の2週間前と大量死翌日の水中酸素量は、水中の酸素量が4分の1程度に減っていた。
→酸欠による大量死と考えられた。
酸欠につながる原因
川魚は、下記のようなポイントも関係する可能性があります。
①6-7月の産卵期にハクレンが産卵のために集合する事によって、通常よりもハクレンの密度が高まり、狭い範囲で酸素消費が進んだ。
②夏場に水温が高くなったことで水中で分解が進み、酸素消費が進んだ
③雨などにより水中で泥などが巻き上がり、酸素消費が進んだ。
④雨などにより水中で泥などが巻き上がり、エラが詰まった。
ハクレンの場合は、海に住むイワシ大量死の原因よりも、同じく川や汽水域に住むボラの大量死の原因に近しいと考えられますね。
少し可哀そうですが、毒?等の心配はしないでも大丈夫です。
イワシ、ボラ、トラフグ、ホタテの稚貝などの大量死、ハマグリやホッキガイの打ち上げについては「こちら」から。