水産物の寄生虫 その他 (無害の寄生虫も含む) 食中毒を考える 

水産物の食中毒

過去7年に厚生労働省に食中毒として報告があった寄生虫は、水産物ではアニサキスとクドアが大半です。それ以外ではホタルイカ2件、サワガニ1件のみで、いずれも家庭での調理の結果でした。

淡水生物の生食や、ホタルイカの踊り食いが危険なのは、秋サケのアニサキスと同レベルの「常識」です。同じカテゴリーの食中毒事例ではクマの刺身、馬の刺身での寄生虫食中毒事例なので、特殊な食べ方(俗に言うゲテモノ食い)をしない事が大事です。

でも、生食のホタルイカがお店で売られていることがありますよね?そんな時「なぜ食べていいのか?」と考えてみると、自分の身を守ることにつながります(お店のホタルイカは、一回冷凍してあるため生食可能となっていることがわかります。寄生虫は冷凍すれば死滅する、でしたね)。

恐れなくてもいい寄生虫

ここからは、恐れずに身近な生き物として覚えてほしい、そこまで恐れる必要はない寄生虫の紹介です。

人によっては気持ち悪いイメージもあるでしょうが、イキモノを食べている以上、目に見えていないイキモノ含めて様々な命をエネルギーという形で吸収して人間は生きています。

自然の中で生きてきた魚に寄生虫がいることは、ごくごくアタリマエの事と考えてもいいでしょう。

〇ウオノエ

気づかずに食べることはない大きさの、口の中に潜むダンゴムシのようなイキモノ。

タイに潜むタイノエは鯛の福玉といわれる縁起物で食べるとエビのような味です。

大きい方がメスで小さい方がオス、セットで出るので縁起ものなのです。

魚の口の中でギュッとしがみつくために爪が鋭いので心の準備は必要です。

水族館のヒーロー、ダイオウグソクムシの仲間で、料理教室で見つかると歓声が上がります。

エビのような味なので焼いて食べる事もあります。

〇ニベリニア

鮮魚のイカなどで見つかるナメクジ君のようなカワイイヤツ。指の上で動く様子もオススメです。

〇粘液胞子虫

米粒より小さい、白や黄色のツブが見える場合があります。

害がないと、そのまま刺身で食べる人もいますが、見た目が悪いので取り除いたり、冷凍したりするとより安全です。表面に衣をつけ、熱を通せば見た目も気になりません。

スズキから。(クドア イワタイ:冷凍をおススメ!)

加熱すれば目立ちません!魚一尾を捨てるなんてアホなことしないように。

メバチマグロから。周りの筋肉が溶けてゼリーミートの原因になる。

メバチのほとんどは冷凍です。見た目は悪いですが、冷凍ならそのまま食べても大丈夫です。

〇テンタクラリア

カツオをさばいていたら、いらっしゃいました。

冷凍カツオなので無害。見た目の問題だけです。

〇ブリ糸状虫

初見では驚かずにいられない、ブリの体の中に潜むミミズのようなヤツ。

筋肉に寄生するので可食部分が減ってしまうのが悲しいですが、周囲が溶けている場合は削って食べればいいでしょう。寄生された魚が生きていたことに驚くほどの長さが寄生している場合も。

・・・・土の中にいる似たヤツとは、小さいころ遊んだのでは?

ブリ線虫のイメージ写真(ミミズです)

○ヒルディネラ

東京湾の1KG程度のイナダから。ブリ線虫かと思ったら、こんなに小さなヤツでした。

こいつが通った後は黒い排泄物で見た目が悪くなります。右上に通った道が黒く見えます。

吸盤が二つ付いており、片方ずつ吸い付きながら移動します。

内臓の腹腔内が真っ黒に汚れる場合もあり、商品価値がなくなります。

この子が通った場所以外は見た目も問題ないので、お刺身でおいしくいただきました。

ペンネラ(サンマヒジキ虫)

取り除いてもそのままでも、焼けば関係なし。

サンマが泳いでいる時に邪魔にならないのかな?と水の中でゆらゆらしてみてもいいかも?

〇カニビル

ツブツブの卵の中に赤ちゃんがいます。

見た目はイマイチかもしれませんが、脱皮から時間が経過している証拠(=身が詰まっている)なのでオイシイ証です。

寄生虫がいた魚は食べたくない?

知らない・見たことがない人にとっては漠然と気持ち悪いと感じるでしょうが、安全にする方法がわかっていれば安心です。

「加熱しても、寄生虫が中にいるのは気持ち悪くて食べられない」という人は一定数いますが、食べても安全なものは、普通にいただくのが命を頂く事なのかなと考える人もいます。

野菜も、葉っぱに虫が停まったのでは?歩いていたのでは?等と考えはじめると、気持ち悪くなる人もいるでしょう。

気分もおいしさの一つです。「そりゃー生き物だもの。これが当たり前だろう」ぐらいにおおらかに考えて、わざわざ「かもしれない・気持ち悪い」というマイナスイメージを自分の中で大きくしないでもいいのではないでしょうか。

それよりも、体半分を乗っ取られても敵に食われずに生き残ったブリ。その元気な半身はしっかり食べよう!とか、前向きに、楽しい考え方で、命を無駄なく食べてほしいです。

それでも・・・絶対に見たくない!という人は、半身や柵になった魚や切り分けられた魚を選ぶのも手です。当然手間がかかっているので、その分はお値段は高くなりますよね。それを選択するのはあなた自身です。

完璧と安全は違うので、どう生きていきていきたいかを考えて、魚と向き合ってくださいね。

もっと知りたい寄生虫 データベース

他の寄生虫は「こちら」から。魚種や部位で検索できます。

このデータベースを作成した方の意思は趣旨説明にあります。

この写真や病気の数以上に、養殖現場や漁業者、加工業者さんの嘆き・手間が背後にあります。

面白おかしくするためではありませんので、楽しく安心な食生活を送るために利用してください。

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