マングローブ林とは? 海水の中で生きる植物の工夫と、そのすごさ!
マングローブという種類の植物はない!
汽水域(淡水と海水が混じった状態)の湿地に生える植物の仲間の事をマングローブと呼びます。
マングローブと呼ばれる植物の種類は世界では100種類ぐらいで熱帯・亜熱帯の河口に多いです。
潮の満ち引きで海に沈むこともある、海水中でも生きていける不思議なこの植物たち。日本では沖縄を中心に7種類(メヒルギ、オヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギダマシ、ヒルギダマシ、ハマザクロ、ニッパヤシ)が確認できます。
後に説明する理由から、これから種類数が増える可能性は十分にあります。
不思議な形・生活をする植物
満潮時に水につかる部分は葉が無い事が多いので、どこまで水に浸かるかわかります。
根が入り組んでいて、波で砂が流されても体を支えられるようになっています。
枝も入り組んでいます。台風などで簡単に折れないように??きっと理由があるハズです。
種(胎生種子:たいせいしゅし)が木の上にできるヒルギの仲間は・・・
下に落ちて、ぐさっ!と突き刺さって大きくなります。
このまま根を張り葉が出て大きくなることで、林が少しずつ広がります。
下に落ちた時に水があり刺さらなかった場合は、海を漂ってどこかにたどり着いて成長する事も。
同様に日本より南の熱帯付近から日本にたどり着くマングローブの仲間がいるハズです。
大きさはこれぐらい。沖縄などの浜辺で見かけることがあります。
見かけたら、本当に浮くのか水に浮かべてみて下さい。
ヤシの実も同じようにプカプカ浮いてどこか漂着した場所で成長するタイプです。
ここがすごい!マングローブ林
マングローブ林が発達する干潟は、そもそも陸からの落ち葉などがたまる、栄養分が多い場所です。
木が生えている事でその栄養が流れて行かなくなり溜まり、カニや鳥、サルなどが生活する場所になります。
(サル以下4枚はタイのラノンという場所の写真です)
自らが波で倒れにくくなるだけでなく、アナジャコ等、他の生き物の巣穴などを守ったり、大きな生き物が入ってきにくくなり小さな生き物の隠れ家にもなります。
集団として林になることで海岸線が変わることもあるほどで生物の多様性を保っています。
泥で息ができないので空気を吸うための気根(吸気根)はタケノコのようなので筍根(ジュンコン)と呼ばれる事も。これだけびっしり生えれば、泥が流れていかないでしょうね。
そして、エイが泥の中の生き物を食べにくそうで、生物が生き残れそう!
マングローブ林を楽しむ方法!
マングローブ林の近くに行ったら、静かに地面を見ましょう。
シオマネキが穴から出て餌を食べながら砂団子を作ったり、鳥が飛んできてカニを探したりと自然の一部を見ることができます。
マングローブ林が生える場所での人の生活
海外では・・・家もマングローブ林と同じように海水が届かない高さになっていたりします。
ボートで川をさかのぼると、このような風景が見れたり、40㎝のカワセミが横を飛んだりすることもあります。
泥が多いので川の水は濁っているけれど、カワイルカの背びれが見えたりするので豊かな自然を感じることも多いのです。
生物の豊かさ以外にも、最近話題のブルーカーボンとしても地球温暖化を防ぐ植物としてマングローブも重要な位置づけです。「こちら」