クジラの解体を見学したい!千葉県和田浦のツチクジラ。さばく!
クジラの解体はどこで行われる?
巨大なクジラの移動は難しいため大型クジラは船の上、小型クジラは陸上という風に、大まかに2か所で解体されます。
船上解体は見れませんが、陸上の解体場所は一部見学が可能な場所もあり、千葉県の和田浦では、ツチクジラの解体見学と身の購入が可能です。
食文化や命に関心がある方、大型生物の解体やクジラに興味がある方には是非お勧めします。
※観光地ではなく、仕事場であり、地域の方々の交流の場です。お邪魔にならないように!
ツチクジラはいつ獲れるのか?
ツチクジラが6月~8月頃に沖に現れる時期に船団がこの地で探索します。
ツチクジラは日本全体で年間58頭中、和田浦は22頭捕ってよい等の許可(枠)が出ます。
天候のため漁に出ない日もあれば、漁に出ても獲れない日もあるため、「天気が悪かったか!今日は探しているのかな?」等と想像しながら「こちら」で「一頭獲れたので明日9時頃から解体します」という言葉を期待してチェックし続けて下さい。
2015年「朝5時から解体!」に駆け付けた。この坂をクジラが引き上げられる。
枠の頭数に達したり、群れが移動した!と判断されると、その年の和田浦ツチクジラ漁は終了です。
今がチャンス!行けるタイミングで向かってください!
外房捕鯨 鯨解体作業場
解体場所の住所は、千葉県南房総市和田町和田662−12です。
最寄りの和田浦駅からは徒歩20分弱。
↓冬はガランとしています。
東京から車で2時間強。途中の山道は昼でもライトを付けて安全運転でどうぞ。
解体は朝8時や9時等、多少前後します。確認後にすぐ就寝、早起きがおススメ。
2頭獲れた翌日は2頭目の解体が13時~なので、2頭目を狙う方法もありますが、クジラのサイズや、暑さによって作業時間が前後する場合もあります。
作業中に食事が始まったりと、仕事場の雰囲気もわかります。
古き良き時代、自分の住んでいる浜辺で手伝ったりという日常があったのだろうか?と感じたりしながら、見学者も適宜ご飯を食べたり、周囲を散策したりしています。
解体シーンの見学はそれなりの賛否がありますが、大型のクジラをさばく過程を目の前で見るチャンスは稀です。
クジラのサイズ感、骨までストンと切れる音や大包丁の動き、少しずつ解体されていき一頭がどれほどの肉になるのかも分かります。
マグロと同じように、鯨肉も四角く切れるんだ!とか、牛や豚と同じ肉の色‼哺乳類だ!とか。
個人的にはワイヤーでクジラを引っ張るタイミングはいつ見ても緊張します。
巨大なクジラを引っ張るワイヤーは物凄い力がかかっているので切れたワイヤーに当たると人が死んでしまうかもしれないため、特に注意をしながら慎重に無理せずに行われるのです。
写真集もおススメです。
漁師の晴れ着、万祝(まいわい)がカッコイイ!
そもそも・・・ツチクジラとは?
マッコウクジラの次に大きなハクジラで、木槌のツチのような頭をしているため名付けられました。
ハンマーヘッド ホエール!と呼ばれてもおかしくなかったかも??
千葉県の郷土料理「くじらのたれ」等で食べられています。
観光地!道の駅WA・O!
この付近に近づいたら必ず寄ってほしいのがこの道の駅。
オススメはシロナガスクジラの骨格標本の奥の建物内の、勇魚文庫(いさなぶんこ)。
昔大手水産会社がどこもクジラを利用していた様子、油がロウソクになったり、テニスのガットに使われたりという様子が分かるクジラコレクションがぎっしりと納められています。
道の駅内にもセイウチの牙など、ドキドキするコレクションがありますし、刺身をお土産に買ったり、クジラのランチを食べたりすることもできます。
解体方法:母船式(船の上)と基地式(陸上)の違い
①母船式:船の上
小回りが利くキャッチャーボートが捕まえたクジラを、母船で解体する方法です。
クジラは、船に備え付けられた巨大な滑り台(スリップウェイ)で引っ張って持ち上げられ、まな板のようになっている船の上で解体されます。
船の中が工場になっているので、部位別に適度な大きさ(10Kgの赤身!等)で冷凍することで、我々がお刺身でも食べられるクジラ肉が完成します。その後、冷凍されたまま港で下ろされる方法です。
ナガス、イワシ、ニタリがこの方法で解体されます。
②陸上(基地式捕鯨)
陸で解体される方法です。ツチクジラ、ニタリ、ミンク、ゴンドウ類(コビレゴンドウ、オキゴンドウ、ハナゴンドウ・カズハゴンドウ)、イルカ類6種(イシイルカ(イシイルカ型、リクゼンイルカ型)、カマイルカ、スジイルカ、ハンドウイルカ、マダライルカ、シワハイルカ)が該当します。
クレーンで引き上げて車で運んだり、ワイヤーで引っ張ったりして陸にあげます。
に捕鯨情報の詳細は「こちら」
クジラを間近で観察したい!
食べ物なので、さばいているクジラに近づいては行けません。
ツンツン触れるほど近くのクジラに出会うには、海岸に流れ着いた子たちをSNSで探して・・・という手もあります。
ただし、北海道だとヒグマが「オレのものだ!盗るな!」と近くに潜んでいるかもしれないし、砂浜ではなく岩場だと転落も危険です。
そして、命が尽きたタイミングがわからないので、匂いがあるかもしれないし、何かが噴き出す可能性もあり衛生面にも注意が必要です。でも、漂着個体は運が良ければツンツンできる場合もあるので、安全に十分注意の上で、チャンスがあればどうぞ「こちら」。
こんなに大きな生き物が、海の中を自由に泳いで、自然の中で大きくなります。
クジラも魚も、食べるためには、さばく人や、運ぶ人が頑張っています。
そんな事も想像しながら食べてくださいね。