ユニコーン:一角獣とは?
空想上の生物 ユニコーン
ユニコーンは額(おでこ)から角が一本だけ生えた馬で、一角獣とも呼ばれる伝説上の生物です。
似た空想上の動物であるベガサスは角はなく翼が生えた馬で、天馬とも呼ばれます。
↓uni(一つの)corn(ツノ)の通り、角が生えているユニコーン。
ユニコーンは、完全に想像の世界から生まれたわけではなく、螺旋状にねじれている角が目の前にあった事から、この角の持ち主は・・・・と想像されたと言われています。
ユニコーンの角の持ち主 イッカク(クジラ)
イッカククジラは角を一本だけ持っていて、最長3mに達します。
角と呼ばれることもありますが、実際は前歯一本が長くなった状態で牙とも呼ばれます。
雌は角が無い場合もあったり、雄で角が二本ある個体もいますが、基本的にはオスの歯が一本だけ伸びます。
最大5m近くになるクジラで、牙と合わせると全長7-8m近くになります。
5Kgちょい、2メートルの牙。
こんな角が目の前に出されてイッカクを知らなかったら、鹿や牛のように角がある生き物の角だと考えるのが普通でしょう。
イッカクの角は解毒作用があると重宝され、日本でも貴重な材料としてウニコールと呼ばれて根付などにも利用された貴重品でした。
「クジラの角」よりも「白馬の角」の方がイメージが良くて高く売れた等の営業的な手法の一環だったのかもしれませんね。
そんなことを考えながら、美術館でユニコーンや魚介類を探してみても面白いですね「こちら」。
イッカク:ユニコーンを食べたい??
イッカクはクジラの仲間。クジラを食べた事がある人も多いでしょうが、イッカクを食べた事がある人は少ないでしょう。
が、北極では食べられています。
グリーンランドでのイッカク漁の様子がこちら⇒①②③で取材されており、皮は「マッタ」、干し肉は「ニック」と呼ばれているそうです。
イッカクをとり過ぎないようにモリを使っているのかな?等もわかります。
牙も含めて貴重な食料・現金収入として厳しい土地での生活を支えているようです。
イッカクの牙が欲しい?
動物の体の一部が欲しい人が多くて際限がないと、動物が減ったり絶滅してしまうこともあり、世界中でそのようにならないように考えられています。
その一つが「ワシントン条約(CITES)」で、国際的な取引の中で絶滅しないように注意する種類を決めています。
例えば「こちら」からイッカクの学名「Monodon monoceros」を入れると、附属書Ⅱに入っている事がわかります。
附属書Ⅰは「絶滅の恐れがある」、附属書Ⅱは「絶滅の恐れはないが、注意しておこう」なので、イッカクの場合は、密猟などで取られていないと確認できる、カナダ政府の輸出許可証があれば現在でも日本に輸入できます。カナダ政府としてはイッカクの角を輸出しても絶滅しない・減らないという判断なのでしょう。(空輸で運びアメリカで一旦下ろすと没収されるので船便で直接日本に運ばないといけない等、国によって法律や考え方が少しずつ異なります。)。
なお、絶滅の恐れがある附属書Ⅰでも、全ての取引がダメというわけではなく、例えば動物園で子どもを増やそうとしたりするような研究や教育などのためであれば国際的な取引ができるルールです。
そのようにして、完全に禁止ではなく、「過度に(むやみやたらに)国際取引に利用されないように種を保護する」事が目的です。また、ワシントン条約は、国際的な取引の決まりなので、過去に日本に入ってきたものは関係ありません。
ただし、象牙のように国内にあるものでも「種の保存法」によって原則取引禁止になっている場合もあります。
少しずつルールが変わりながら世界中で生物が減りすぎない様考えられているので、興味がある人は調べてみてくださいね。