海の一部、ワカメには、砂、貝殻、虫が入っていて当たり前??

ワカメの異物・夾雑物への考え方

ワカメ由来と思われる砂異物混入によって、学校給食でワカメスープの提供を中止したとニュースになりました。

家の場合はワカメをお椀の中で泳がせて、下に沈んだ砂は食べずに残す方法、アサリ味噌汁の食べ方と同じにすればいいのでは?と思いましたが、不特定多数への提供である学校給食か、自宅かでも考え方は変わります。

「安全な食を提供する」ために、ワカメを取り巻く色々なことを考えて、より安全に気持ちよくワカメを食べるためにどうすればよいのか考えてみましょう。

ワカメとは?

海底から生えている海藻で太陽の光を浴びながら葉っぱ上に広がる形のワカメ。

海が荒れれば砂がワカメの上に乗る場合もあれば、小さな貝がワカメの上に住み着く場合もあります。

海の中の様々な生き物が必死につかまっている場合もあります。

貝は硬いので食べれば歯に当たります。砂もジャリッとするでしょう。

そんな不快な思いをしないために、工場で作られる乾燥ワカメは色々考えられています。

食卓に届く前に安全のために工夫されている事

生のワカメは鮮度が悪くなってしまうので、茹でて冷凍したり、乾燥させた状態で皆さんの食卓に届きます。

詳しくはお味噌で有名な㈱マルコメさんの「こちら」がおススメ。

「収穫して、よく洗って、乾かしてから目で見て、機械でチェックする。」この中にとてもたくさんの工夫がされています。

例えばワカメの中に鉄が入っているかもしれないので、磁石で取ったり金属探知機でチェックしていたり。

海の中に鉄?と不思議に思う人は、砂鉄はどこにでもあるな、もしかしたら釣り針が入っている場合も?等を考えると、そんなことまで工場でしっかりチェックされていることが分かるでしょう。

もちろん、機械もカンペキではないので、とても小さいサイズの砂は取り切れません。

ゼロにはできませんが、怪我をする大きさの砂が入らないように、洗う回数を増やしたり、切ってから洗ってみたりと、より安全な方法を考え続けるのが食品会社です。

そのことで皆さんのもとに安全な食べ物が届くのです。

ワカメ原藻を自宅で食べる!

工場とは違って自分たちが食べる量なら、丁寧に広げて洗って食べれば安心です。

「こちら」で詳しい洗い方と、出会える生き物達を紹介しているので、楽しみながら食べて欲しいです!

そして、食品工場の人たちがどれだけ考えているかも少しわかると思います。

2023年2月 北海道の石狩市 ワカメスープに砂の混入で13校への提供中止

砂がダメだと、アサリの味噌汁等も提供できなくなってしまう??等と心配になり、少し話を聞いてみました。

ワカメはそのまま料理に使用できると記載されていたため、調理時に具だくさんのスープに直接混ぜてスープを作ったようです。

検食時のスープを取り分ける時にお玉にジャリッと砂が当たり、不特定多数の小中学生に提供するのは難しいと判断した。という流れだそうです。

自宅では注意して食べてね~。で大丈夫そうですが、慣れていない児童もいる不特定多数への提供なので安全を優先した状態です。

ワカメだけの具材であれば、ゆっくり混ぜて砂を沈めて食べる方法もありそうですが、栄養価を考えて一品に具材を多く入れているため、他の具材に混ざってしまった可能性も考慮したそうで、とても悩んで決めた結果だということがわかりました。

→ワカメの使い方説明に「そのまま使用できます」ではなく「水戻しして洗ってから使用して下さい」と書いてあれば、スープに混ぜる前に気づけた可能性がありますし、そうすればワカメがダメという判断でもワカメ無しスープは提供ができたかもしれませんね。

 

・・・と考えているうちに、今後、私の大好きなワレカラがニュースになりそうな気がしたので知りたい人のために紹介しておきます。最初見た人はワカメの中にムシ?気持ち悪い!と思うかもしれませんが、食べると干しエビのようなおいしい子たちです。見た目で判断しないで海の中を想像してほしいのです。

ワカメに虫の異物??これって寄生虫?

スーパーのワカメに入っていた!等でたまに話題になるムシのようなワレカラ。

これがワカメに入っていた!などとクレームにするのは・・・実は、ちょっと恥ずかしい話で、気づかないだけでノリ等にも普通に入っているのは半ば常識なのです。

ワレカラはエビと同じ甲殻類で、海の中に普通にいます。

ゆでられた上のワレカラ君たちを食べたところ、干しエビのような美味しい味でした。

甲殻類アレルギーの人は注意が必要ですが、おすすめです。

お店の人も目に入るものはなるべくとるようにしていますが、とても小さい個体もおり、ゼロにはできません。

このように除去出来ずに混ざってしまうものは、夾雑物(キョウザツブツ)と呼び異物とは少し性質が異なります。

危険な異物はもちろん、気持ちの面で夾雑物も許せない!という人もいるでしょうが、そういう人は一度ワカメの下処理をしてみることをおススメします。

先ほども紹介した家でのワカメの下処理方法は「こちら」から。

ステンレスの水槽で陸上養殖でワカメを養殖するなどすれば、ワレカラ君たちをゼロにする方法もあると思いますが、ワカメスープが一杯千円!等になり売れずに倒産するハズです。

このように、現実的にできない範囲の事は、安全を考えた上である程度は目をつぶる必要があります。

このようなことから現実的な範囲で食品の安全は保たれており、完璧にゼロは難しいけれど、ゼロに近づけるために食品会社は毎日気をつけて生産しているのです。

ニュースになる事もありますが、学校でも工場でも、立場は違えど、それぞれ考えて皆さんの食の安全を考えています。このようなことを伝えることも食育の大事な分野だと考えています。

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