2022年9月6日「開運!なんでも鑑定団」で大日本水産会のお宝を鑑定!2022年度最高額に決定!
2022年度最高額!そのお宝とは??
伊藤熊太郎さんという博物画家が描いた原画(直筆画)100枚。
大日本水産会が発行した、日本水産動植物圖集という水産物の図鑑の元となった原画です。
大日本水産会ってなに?なぜそんな絵が??
2022年に140周年を迎えた大日本水産会。設立当初から「水産業の振興」を目標に活動しています。
100年前、写真はまだまだだった時代にも輸出は重要な産業。
一方で「赤いエビ」と連絡していてイセエビが届いたりアマエビが届いたら困ります。
地域ごとにも、売る人も買う人も、同じ種類だとわかる事も重要です。
そんなこともあり、水産業の振興を目的に水産動植物図集が作られたと思われます。
原画を資料倉庫で発見
長い歴史の中で、職員にも忘れ去られていたお宝を倉庫で発見した担当者は歴史的なモノと判断。
筆の跡があったので原画と一目でわかる他、図鑑を編集した際のコメントも書かれています。
何よりも、所属する団体が過去に出版した図鑑なので、原画が偽物である理由がありません。
ただ、「キレイな絵だね。魚好きでしょ。家に持って帰っていいよ。私はどれにしようかな・・・」という言葉が飛び交うなか、「貴重な資料100枚をバラバラにしてはダメです!持ち帰り禁止!」「めくるときにツバをつけちゃダメ!そこ‼破けそう!」と先輩方に進言しては、にらまれたりしつつ、100枚を散逸させずに、劣化させずに残す事を最優先に考えました。
セロテープで補修した跡が劣化して変色している部分もあり、「保存」の他にも、「修復」の事も考えたいという博物館学芸員側の考えもありつつ、業務外であることも事実。
ひとまずは、価値を把握し、プロのアドバイスを貰うために「開運!なんでも鑑定団」に依頼しました。
冷凍すると便利に魚が食べれる話も紹介して、魚食普及の仕事もシッカリ行いつつ・・・・
果たして鑑定や・・・いかに??
会場では、予想外の金額に、「まいったなぁ・・・」と本当に困ってしまいました。
・・イチジュウヒャクセンマン・・・・が体験できるページは「こちら」。
伊藤熊太郎と原画のデジタル化について
研究者の地道な努力により、最近生年月日が判明した「伊藤熊太郎」情報を「こちら」でまとめています。
図鑑も古いために触るたびに破けたり表紙の繊維が剥がれてしまう状態です。
原画も図鑑作成時の位置を変えた際の切り取り跡などが補修必要な状態です。
ひとまず利用しやすくするためにデジタル画像化も行い、「おさかなぬりえ」の表紙、「えびかにぬりえ」の裏表紙、学校向けに「実物大メカジキデータ」等を作成して活用して公開中です。
教育向けは印刷・拡大フリーなので、廊下などに貼ってくださいね!
大日本水産会が出版した図集等
鑑定をお願いした「日本水産動植物図集」以外にも、明治23年の「日本重要動植物圖」など、様々な資料を出版していたことがわかりました。
現在は有名になっているけれど当時は知られていなかった(そもそも日本にいなかった)生物など、歴史がわかる動植物図集の見どころについては「こちら」で紹介しています。
食料が重要だった様子がわかり、今とは異なる常識があったのだとわかります。