イワシの大量死 その原因を考える

魚の大量死はなぜ起きるのか。

イワシの大量死は自然な事ですが、初めて聞く人にとってはショックで聞きなれずに異常なニュースに思えるようです。

納得するために病気、寄生虫、地震、海洋汚染、放射能等々理由をつける人もいます。

イギリスメディアの中には、「処理水放水の三か月後に生じた大量死」という報道も・・・_| ̄|○。

地形、天候、魚種によって、一つの理由では説明できない事もありますが、過去の事例をいくつか比較して考える事で、事実に近づくことができ、安心して魚を楽しむことにつながります。

「ボラの大量死」は、川という狭い環境のため海より予想しやすいですが、海は広く原因となりそうな要素が多くなります。納得できる答えは見つかるでしょうか?

大量死の原因は?病気?? ×!誤り!

大量死の原因であれば短時間で健康な魚にも影響があるハズ。

そうなると少しずつ脱落していく傾向が高い病気は可能性が低いでしょう。

大量死の原因は?処理水? ×!誤り!

病気と同じく短時間で大量死となる可能性はありません。

安全と考えられている国際的な基準で放出されているので、これが原因となるようであれば世界の海で様々な問題が生じているハズです。

大量死の原因は?寄生虫?? ×!誤り!

寄生虫は病気と同じく短時間で大量死にはなりません。

魚を弱らせてしまう寄生虫は進化の過程で絶滅してしまうので、寄生している魚を弱らせて死ぬことは・・考えにくいです。

大量死の原因は?低温で仮死状態に?? ○!北海道の冬場等

魚は餌を求めて泳ぎ回り、季節に応じて少しずつ移動をしますが、季節の変わり目等で急激な水温の低下などが生じると寒さで動けなくなる場合もあり、動けずに弱って死んでしまったり、打ち上げられてしまいます。

魚種によってその寒さは異なり、例えばマイワシは水温6度以下となると仮死状態になります。

仮死状態にならずとも、低温の水域から逃げようと浅瀬に逃げて酸欠になる可能性も考えられます。

気象庁の「表層水温に関するデータ」等で見るとよりわかりやすいです。

※2020年11月に千葉県九十九里でハマグリが打ち上げられたのも、寒さにより潜れなくなったハマグリが人の目につくようになった例と考えられています。

大量死の原因は?酸欠??  ○!九州などの海の浅瀬や湾等

浅瀬や湾は深場と比べて海水が少ないため魚の群れが入ることで、酸素が一気に消費されてしまいます。

特に川は浅いため短時間で群れ全体が酸欠に至ります。

ただ、そのような場所にわざわざ魚が集まることは考えにくいのでここにも何かの理由があるハズです。

酸欠に至る原因を3つ紹介!

①ブリ、カツオ、シイラ、イルカなどの捕食者の群れが追い詰めた可能性。

②小魚が好まない水温の水の塊が小魚の群れを追い詰めて酸欠につながった可能性。

③大規模な海域で赤潮。青潮が発生する事で逃げ切れずに酸欠につながった可能性。

一尾二尾の捕食者であれば脇から逃げるハズなので、壁のようなイメージで追いやられた感じだと予想できます。

大量死の原因は?塩分濃度の違い?? △! 魚種によって可能性は・・ある。

海に川が注ぎ込む地域は雨が降ると塩分濃度が低くなるので、そのような河口近くに住む魚たちは塩分濃度が多少変わっても影響はありません。

しかし外洋に住む魚に取っては塩分濃度が異なることで河口に住む魚よりは影響を受けやすくなります。しかしながら短時間で影響が出るかは不明です。

少なくとも死亡するような濃度の場合は急いで移動しようとするハズです(浅瀬では特に酸欠になりやすい?)。

具体例

2023年のニュースは、上の原因のどれに当てはまるでしょうか?

地形や地域によっても差はあるので、ニュースになった地域の地図を見ながら考えると納得できて安心できると思います。

2023年10月18日熊本県天草市御領漁港

マイワシ等が100t程度浮いているのが見つかった。

水質に異常はなく、プランクトンや赤潮の異常発生はない。

例年は取れないカツオやブリなどの大型の魚が水揚げされていた。

2023年12月7日 北海道函館市浜町 戸井漁港周辺

1000tのマイワシなどが流れ着いた。

北海道では海水温が低下する冬にイワシが打ち上げられる事が度々起きていて、打ち上げられたイワシを持ち帰る人もいるようです。

2023年12月14日 三重県志摩市の波切漁港

カタボシイワシなどの小魚100トン程度浮いているのが見つかった。

有害なプランクトンの検出無し。酸欠とみられる。

※カタボシイワシは暖かい海のイワシで温暖化の影響からか、近年日本周辺でも取れているイワシの仲間です。

※打ち上げられたイワシ、食べていいの??

山口県などでは生きたカタクチイワシが打ち上げられている場合等、食べているそうです。

上の説明で捕食者に追われていた場合等は生きていれば鮮度は問題なく食べれますね。

北海道では、冬場に仮死状態で打ち上げられて凍っている場合等で食べる場合があるようです。

仮死状態になった時点から冷蔵庫に入っていた状態なので鮮度に問題なさそう。

このように生きていたり寒い地域では鮮度が保てますが、時間が経って異臭がある場合等は食べないほうがいいため廃棄の方向です。

あくまでも自己判断になりますが、鮮度次第で日常的に利用している地域もあることがわかります。

拾えるなんて・・・うらやましい・・・。

大量死後に周辺の酸素濃度が下がる理由

大量死が生じた周辺の海水酸素濃度が低くなる(貧酸素状態)のはよくある現象で、近くに養殖場などがあると養殖魚も酸欠で死んでしまうなど影響が心配です。

魚の死がいが分解される過程で酸素が消費されるためで、「青潮」の発生原理に近いです。

大量死のイワシその後

海の真ん中であれば沈んで他の生物が利用しますが、人の生活の近くに打ちあがったりすると腐る前に処分方法を考えないといけません。肥料などで有効利用できるといいのですが、何よりも量が多いのでそうもいきません。

漁師さんは打ち上げられたイワシの処分を数日間行うことになり、漁にも出れず、厳しい状況になります。

少なくとも大量死は異常ではなく、魚が沢山いるいい漁場でもあるとわかってもらえたと思うので、今後ニュースに出た地域の魚が並んでいたら、積極的に選んで購入してくださいね!

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