トロ箱ってなに?魚を入れる?大トロを入れる?とろばこ・トロバコ。
トロ箱とは・・・魚を入れる箱の事。
一度に大量に獲れるトロール漁で獲れた魚を入れた箱を「とろ箱」と呼んでいました。
魚が滑ってどこかにいかないよう、潰れないよう、持ち運びやすいように適度な大きさのトロ箱に詰めて運びますが、箱が嵩張ると邪魔なので、板を持って行って、魚が獲れたら釘を打って箱を作り、積み重ねる、という場合もありました。
もちろん港のすぐ近くなら船のタンクに入れておき、港で木箱に入れたりするなど場所や距離によって効率よい方法が選ばれます。
↑マグロを入れる木箱。マグロのような大型の場合はトロ箱とは一般的には呼びません。
箱は、スペースが余る場合もありますが、積み重ねられるので四角い形が便利です。
現代でトロ箱と呼ばれている箱は?
冷蔵・冷凍技術の発達で、陸から多少遠くても鮮度がいい状態で港に運べるようになりました。
鮮魚で港に着いた場合は水揚げ後に箱に入れる作業は今までと同じですが、木だった箱は、保温性、水漏れや軽さ、衛生面、リサイクルのしやすさなどから発泡スチロールが流通の主流に変わっています。
材質が変わっても、「魚が入っている」という意味は変わらないのでお魚屋さん等で現在トロ箱と呼ばれているのは、この箱の事です。
トロ箱の拡大解釈??
場所によってはプラスチック製の箱や穴が開いたザルのような箱の事もトロ箱と呼んでいる場合もあります。魚でなくてもエビやイカでも同じです。
トロールで獲れていなくても魚が入っているという意味合いです。
段ボール箱は?箱が無い流通方法がある??
船内で凍結された場合は出荷も兼ねて段ボール箱が主流になっています。
折りたたんでおけるので使う時に広げれば嵩張りません。木の板から箱を作らないで済みます。
冷凍用のステンレス箱の中で四角く凍ったイカをスポッと入れれば、スーパーまでそのまま運べて便利です。
生きたまま船の中で冷凍されて、冷凍倉庫で出荷を待つイカ。奥側の箱に入っていないイカは傷物だそうです。加工用でこのままお店にはいかないとか。
・・・・これら段ボール箱をトロ箱と呼んでいる場面を聞いたことはありません。
スーパーでは売れないような一尾50Kgを超えるような大型イカ、工場で加工される場合は、箱に入れずに凍ったブロックの姿で裸のまま流通する場合もあります。しっかり凍らせてしまえばその形のままで積み重ねることができ、冷凍されていれば虫なども寄ってきません。
台湾の市場で見かけたこのイカは、そんな状態ではないかな?大きいのでお店の人がさばきながら売っていました。
このサイズのイカだと、トン単位で加工する工場などで使われる場合がほとんど。
箱に入れているとゴミになって邪魔なうえに箱がイカに挟まって食べ物に混ざってしまったりする可能性があるので、利便性も考えられています。
というわけで、もともとはトロールで取れた魚を入れる箱だった意味合いが、現在は魚を入れている箱という意味になっている事が分かったかなと思います。
最後に問題です。活アオリイカが入ったザルはトロバコと呼べる??
・・・・トロ箱と呼んでるのを聞いたことはないけれど、どこかで呼ばれていてもおかしくはないかな、というのが答えです。