バーチャルウォーター(仮想水)と魚介類 真水は貴重!
地球上の水
地球にある水14億立方キロメートルのうち海水は97.5%、淡水は2.5%と言われています。
この淡水のほとんどは北極や南極で凍っている状態です。
水として動いているのもほとんどが地下水なので、川や湖などの我々人間が使いやすい水は、全体の0.01%(10万立方キロメートル)しかありません。
日本の水
生活の中で目の前に普通にあると気づきませんが、雨が一年を通して雨が降る日本は水に恵まれています。
そして、世界的に見て蛇口から出る水を飲める国は・・・200か国のうち20か国ぐらいでしょうか。蛇口から飲用水が出てくるのは、恵まれているのです。
そんな、日本に住む我々が気づいていない、世界では貴重な水。当然生き物にとっても重要です。
ここで、食べ物を作るために水がどれくらい使われているかを考えてみましょう。
バーチャルウォーターとは
「食料を輸入している国が、どの程度の水を使ってその食料が作られたか・・と仮定した考え方」です。
一つの考え方ですが、食べ物を無駄にしてはダメだな!と気づくきっかけになりそうです。
1Kgの食べ物を生産するのに必要な水
・トウモロコシ 1,800リットル
・牛肉 20,000リットル
※牛はトウモロコシを11Kg食べて1Kg成長するので、必要とする水の量が多くなります。
1Kgだとわかりにくいので、ちょっと小さめのニンジン一本が100gぐらいとして、成長するまでに180リットルの水を使って育ったと考えてみてください。
お腹がいっぱいだから・・・残していい?
ちょっと固いから・・・捨てていい?
色が悪くなった人参も、表面を削れば食べれるのでは?など、考えてみてもいいですね。
「こちら」の環境省のサイトでバーチャルウォーターが計算できます。
ペルーで野菜をつくってみよう
日本のように潤沢に水がある国に住んでいるとイマイチわからないと思うので・・・一例としてペルーの畑で説明します。
ペルーは乾燥した岩石砂漠のような環境が多く、アンデス山脈の雪解け水が通る場所以外は植物が育ちません。そんな場所で野菜を育てるために、岩をどけて平らにしてからゴムチューブに水を通してポタポタ垂らします。
黒い部分が水で湿っている状態。ここに種や球根を植えると・・・
ネギが育ちます。
スプリンクラーで噴水のように全体に撒くと、必要ない場所にも水を撒いてしまうので、水が2-3倍は必要になります。なので、ポタポタとドリップ方式です。
これはバジル畑です。奥の山は水分が無く、カラッカラに乾いているのがわかります。
雨が全く降らないため、山肌に白い石を並べておけば、何十年もそのままです。
日本ではすぐに雨で流れてしまいますが・・・ナスカの地上絵が残っているワケがわかるでしょうか?
このように、海外の土地、水、そして収穫する労力等をお願いして我々の食料が食卓に届くのです。
魚に必要なバーチャルウォーターは??
海で育った魚は野菜や家畜の肉と比べて真水がほとんど使われず、洗ったり加工するときにちょっと水を使うぐらいです。
1Kg生産するのに、数リットルぐらいでしょうか。そう考えると、
定義が違うから、とも言えますが、魚介類はバーチャルウォーターの考え方では優等生!と考える事ができます。
日本全体でどれくらいの水を輸入している計算になる?
日本が輸入しているバーチャルウォーターは、800億立方メートル(詳しくは「こちら」)ぐらいです。「お金を払えばいい」ではなくて、世界の水不足にも関係している事になると考えると・・・どうにかしないといけないですね。
日本では一人が一日に一杯のご飯を捨てているのと同じぐらいフードロスが発生し、食べ物の10%を捨てていると言われているので、先ほどの水のうちの10%と考えると、80億立方メートルの水が助かることになります。やはり食べ残しをしないだけで環境が守れそうです。
食べ物を残さないで!
バーチャルウォーターの考え方には賛否両論ありますが、残さない事、無駄にしない事だけで地球の環境が良くなるということも考えてみてください。
そして、食べ物を残しそうになった時に、その食べ物のためにどれほどの人が関わったか、どれほどの水が費やされたかを考える事で、より大事にすることはできるのではないでしょうか。
ひと口の牛肉20グラムを残すことが、400リットルの水を捨てている事につながると考えると、残せませんね。
先ほども紹介した「こちら」のサイトでは、食べ物を残すと、どれぐらいの水を捨てているかが計算できます。
仮想(バーチャル)の考えですが、食べ物がどこからどのように作られて来たか、考えてしっかり食べてくださいね。
水を大切に!
こまめに水を停めるだけでなく、蛇口を変えるだけで節水+洗浄力アップ!という優れものもあります。
魚が洗いやすそう!な、こんな蛇口もいいですね!