あなたの隣のカツオブシ ~あなたの食べているカツオブシの産地は?~

和食にはカツオブシ!

和食の出汁に重要なカツオブシ。料理教室で出汁の話をする機会が増え、子供のころ削る係だったと年配の方から聞きながら興味が湧き、鹿児島県枕崎市のふるさと納税で入手し、削り節生活をはじめた筆者。カツオブシを削った断面の輝きの美しさやカツオ節の香り、心地よい削り音をみなさんに楽しんでもらいたい!

自分で削る削りたて?それとも花ガツオ?

削りたての香りが一番ですが、最近は窒素充填された削り節もあり便利ですが、削りたての香りは一味違います。出前授業で削ると教室中が幸せな香りに。

味噌汁、しゃぶしゃぶに。出汁をとった後、味噌と混ぜて炒めれば、おにぎりの具材になるので、勿体なく感じる方、フードロスの話をしたい教育関係者にはおすすめです。

魚食普及推進センターの小学校おさかな学習会では、カツオの一本釣り体験を行い、漁師さんの大変さを伝えています。

体験学習の説明方法

参加者の反応を毎回確認し、言葉を変えて説明する中で、「カツオを食べたことがあるか?」との問いに対して、1-2年生で「食べたことない!」と手を挙げる3割程度の生徒に気づかせる事が最近の楽しみです。カツオ=刺身のイメージがあるようですが、カツオ節も立派なカツオ。日本で生活している以上、必ず口に入れているハズで、わかりやすい説明は「タコ焼きの上の茶色いモジャモジャ」です。これを聞くと、全員が食べたことあると納得します。最近はカツオ節と削り節も準備して見せるようになりました。

「世界で一番硬い食べ物」であるカツオブシは、毎日口にしている人も多いため、記憶にも残りやすそうですし、本枯れ節を見せる時は、印象づけるために敢えてカビが付いた状態を見せる事もあります(カビを生やして水分を飛ばす事、このようなカビは、味噌や醤油を作る時にも使われて、害はないと話すと皆ホッとした顔をします)。なお、高学年向けには一本釣り漁法は主に鮮魚重視の刺身用、巻き網漁法ではカツオ節用途として獲られることが多いと伝えています。

沖縄県  伊良部島(宮古島の西側)の漁港にて

カツオブシなら何でもいい?

カツオブシは和食の重要な要素であるため、出汁を取るための食育として説明しやすいのですが、カツオ節なら何でも使えば良いというわけではない場合もありそうです。

みなと新聞で気になる記事がありました。

20みなと新聞 2018年10月15日 小型カツオの節 問題視

 

海外産の小さすぎるカツオ(150g/尾)が含まれる原料から作られたカツオブシ様のものが日本に輸入され、日本で消費されるカツオブシ類の15-22%程度を占めるという内容です。※小型カツオの節の中で頭が付いたまま加工されるものは、日本鰹節協会の定義上はカツオブシとは認められません(頭と内臓を取った状態で加工する事がカツオブシの定義)。

一本釣りで釣られるカツオは3Kg~程度である事を考えると、さすがに小さすぎる気がします。もう少し大きくなってから利用した方が良さそうです。

カツオ節を見れば、大型か小型か判断できますが、調味料や、削り粉類として販売されている場合は、見分けられません。2022年3月末までに原料原産地表記が始まり、どの国から輸入されたかおおよそ区別できる場合も出てくるでしょうが、麺つゆなどで使用される場合など、表記されない場合、区別は困難です。

 

立場によって賛成が難しい場合もあるかもしれませんが、興味のある方はカツオ節を見た際、漁獲地、生産加工場所も確認してみて下さい。

 

もっとカツオが知りたい方は「こちら」!漁法で値段も美味しさも違う??等がわかりますよ。

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