ヒスタミン 食中毒を考える

サバが「サバの生き腐れ」と呼ばれる食中毒原因の一つと考えていいかと思います。

〇ヒスタミンとは?

ヒスタミンは海水や内臓中の「ヒスタミン生成細菌」が、マグロ、カツオ・ブリ・サバ・サンマなどの青魚に多く含まれるヒスチジンというアミノ酸を分解することで生成される化学物質です。

食品分析開発センターHPより引用

ヒスタミンは非常に熱に強く、一度魚体内に生成されてしまうと、煮ても焼いても壊せないので、加熱調理前の生の青魚でヒスタミン生成細菌を管理して、増やさないことがヒスタミンの管理にとって重要です。生食する場合は魚を獲ってから食べるまで、加熱調理する場合は魚を獲ってから加熱するまでの温度と時間の管理が重要となります(低温・短時間で扱う)。

※ヒスチジンとは

ヒスタミンの分解前のヒスチジンというアミノ酸は、マグロ、カツオ・ブリ・サバ・サンマなどの青魚に多く含まれています。これはヒトの体にとって非常に重要なアミノ酸です。大人の体ではヒスチジンを作ることが出来るのですが、子供の体の中では作れないので、子供たちにとっては必須アミノ酸です。ヒスタミンを生成させないように管理して、ヒスチジンをたくさん含んだマグロ、カツオ・ブリ・サバ・サンマなどを子供たちにはたくさん食べてもらいたいですね。

〇予防方法

基本的には魚の保管で一般的に行われる冷やした状態で保管し、極力早く食べきる事が予防につながります。

魚を購入後、帰宅時まで氷で十分に冷やしエラや内臓は素早く除去し真水で洗い流すこと(海水と内臓にヒスタミン生成菌が存在するため)、冷凍品は常温ではなく冷蔵庫か素早く流水解凍すること、解凍するか鮮度が落ちた魚はあきらめること(加熱してもヒスタミンは分解されない)、喫食時、唇や舌先に通常と異なる刺激を感じた場合は食べずに処分する事が身を守ることにつながります。

低温でもヒスタミンを生成する種もあるため、干物もなるべく早く食べ切りましょう。丸干しの干物と、内臓を除去した干物では丸干しの方がヒスタミンを多く生成される頻度が高いデータもあるため、ヒスタミン生成菌が存在する内臓が含まれる干物は冷凍することも、リスクを軽減させる方法と言えます。

〇大型の赤身魚(マグロ・カジキ)に多い?

ヒスタミン食中毒は、①赤身魚で多く発生する、②メカジキのような大型魚は、他魚種よりヒスタミンでの食中毒が高い傾向がある(冷却に時間が必要である事、製品になるまでに冷凍と解凍を繰り返す事が比較的多いことでヒスタミンが生成されやすい)、という説がありますが、2011-2016年の食中毒データから魚種を拾ってみた所、ブリ11件、イワシ10件、サバ9件、サンマ8件、マグロ7件、シイラ4件、アジ・カツオ3件、干物2件、カジキ1件であり、届出データからは前述の2つの説について読み取れませんでした。冷蔵・冷凍技術の発達と、低温での加工方法の確立などでリスクが減少していると考えられます。

〇ヒスタミンと食物アレルギーを混同しないで!

ヒスタミンによる蕁麻疹とアレルギーの症状は似ています。

そのため、ヒスタミンを含む鮮度が落ちた魚を食べて食中毒を起こし、魚のアレルギーと勘違いする場合もあります。この場合の原因はヒスタミンであるため、ヒスタミンを含まない鮮度の良い魚を食べた場合、症状は出ません。

家庭での判断で原因を特定しないまま「魚は全てダメ」と判断してしまう場合もあるようですが、「魚」を一括りにして全魚種を避ける生活は、その後の人生にとっても負担となる事から、医師の判断が望ましいのではないかと感じます。また、魚アレルギーと言っても、様々ありますし、幼少期のアレルギーの場合は、小学生ぐらいでアレルギーが無くなる事も少なくないため、やはり医師の判断が重要となります。

 

児童の場合は、保険適用となる場合や助成対象となる場合もあるため、魚アレルギーと判断した症状を医師と相談の上でアレルギー検査を行い、アレルゲンの特定をお勧めします。東京都内の小学生の場合、保険適用の医療行為(過去に魚を食べて蕁麻疹等の症状があった事等を医師に相談するような状態)であれば、通院一回あたり200円程度の負担でアレルギーの検査が行えるようです(東京都:義務教育就学児医療費の助成(マル子))。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/josei/maruko.html
※ケース毎の医師の判断であり、年によって助成の変更もあり、アレルギーへの考え方は家庭での方針も異なるため、一つの参考として頂けましたら幸いです(もちろん魚以外のアレルギーに関しても同様です)。

※ヒスタミンの偽アレルギーのうちの半分ぐらいはアニサキスアレルギーではないかとする説もあり、研究が望まれる分野です。

 

魚の保管の基本を守って極力早く食べきれば、心配し過ぎる必要はない、ヒスタミンでした。

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