寄生虫 アニサキス 食中毒を考える 

アニサキスとは

アニサキスに口は無く、「胃を食い破りません!」

イメージではない正しい知識でアニサキスを知れば、食中毒も減ります。オイシイ魚を安全に食べてもらうために、「寄生虫=気持ち悪い」ではなく、「自然の一部」と考えてもらいたく、「アニサキス情報ページ日本一」を目指しますので、少しだけお付き合いください!

アニサキス予防方法

アニサキスを100%防ぐのは「冷凍」か「加熱」ですが・・・

「アホか!一尾ずつ魚を見れば、生の魚でもアニサキス食中毒にならねぇよ!」というプロの意見も聞きます。確かに・・・お寿司屋さんで冷凍のお魚しか出てこなかったら笑っちゃいますよね。要は腕・目利きなのです。

しかし「予防」「見つけ方」で検索しても「冷凍か加熱」の極端な情報しか見つからないのが現状です。

そこで、魚屋さんやお寿司屋さんのアニサキ対策、予防を紹介します。これを知れば、消費者一人一人が楽しく安全に魚を食べることにつながります。

「刺身」は切って並べるだけではなく、鮮度、産地、魚種等の知識と技術が集積した料理です。

魚をさばく一人一人の知識がアニサキス等の食中毒の減少と文化の継承につながり、皆さんの家でも安心してお刺身が食べられるます!

お酢でアニサキスは死なない!

「アニサキス食中毒で判明している魚種」の内、サバの割合は約5割なので、初心者はサバは特に注意。そしてそのサバの食中毒のうち6割がシメサバなので、アニサキスはお酢では死なないことも覚えてください。

アニサキスが酢で死なない証拠として、サバから取り出したアニサキスをそのままお酢につけてみました。

お酢に浸して3時間後のアニサキス

お酢に浸して264時間後(約11日後)のアニサキス

4匹中2匹は傷口からお酢が入って白く変色して死にましたが、1匹は元気で、12日目でも生きています。もう一匹も、たまにクネクネ動きます。

クジラの胃の中で成虫になるアニサキスに酸は効かない(アニサキスが生活するクジラ胃内部のPHは2-4程度、酢のPHは3程度)」ので、自信がないシメサバは冷凍で何日かしてからのお楽しみに。お酢は菌には有効でもアニサキスには効かない事は覚えてください。

アニサキスの成虫の写真は衝撃的なので「こちら」に隠しておきます。覚悟できた方だけ見てください。悪用禁止!

養殖魚にアニサキスはいない?

「養殖魚」の餌は冷凍か乾燥していて、餌内のアニサキスは死んでおり、エサから魚にアニサキスが移る事はなく安心です。サーモンは生で食べていますが、養殖されているからです。

※養殖鮭はサーモン、日本の天然鮭は「鮭・秋鮭・白鮭」と区別されています。日本で白鮭はルイベとして冷凍して食べられていたのは保存とアニサキス対策の生活の知恵です。鮭・サーモン情報は「こちら」

サーモンにアニサキスはいないため、混同して天然の秋鮭(シロザケ)を表面だけ炙って食べて食中毒になる例、「生秋鮭(冷凍していないという意味!)」を刺身用と勘違いして食中毒になる例があるので注意が必要です。

イケスに入ってきた魚を食べたら養殖魚でも感染するのでは?という心配性な方は「こちら」をご確認ください。

天然魚でアニサキス食中毒にならない方法

知識の組み合わせでリスクは限りなくゼロに近くなります。

刺身に固執せず、さばきながら料理を変える事も重要です。

・魚の選び方と運び方

よく冷えた魚を冷やして持ち帰り、内臓を速やかに除去する

→アニサキスは内臓に多い傾向があり、氷漬けに近い状態で冷えている場合は移動できませんが、氷が少なくて暖かくなってくると内臓から身の部分に移動する個体が出始めます(アニサキスの種によって割合は違います:後半に詳細あり)。つまり、漁獲して直ぐに冷やした状態で内臓部分を除去すれば、アニサキスの大半は除去できます。ただし、秋鮭のように全身にほぼ確実に潜んでいる魚種もあるので注意必要です。

・内臓のアニサキスの数を見る

アニサキスは長さ2-3㎝、丸まっていると直径4ミリ弱で、よく見れば発見できます。騒ぎ立てる事でもなく、いくらでも発見できます。

内臓に多くいる個体の場合、開けてすぐにわかります。

うん、これは無理せず加熱か冷凍ですね。「刺身に執着しない」コト。

白子も茹でればおいしく食べられそうです(アニーの跡は残りますが、そんなの関係ない!)。

※内臓がプルプルしておらず、トロトロに溶けている場合や、あばら骨が浮いている場合は鮮度が悪いので、当然ながらお刺身NGですヨ。

・身に潜むアニサキス、アニサキスの巣(シスト)の確認

サバの場合は身に黒いシスト(魚の免疫作用で、アニサキスが包まれた状態。アニサキスの巣のようなもの)がある場合は、無理せず冷凍するか加熱しましょう。シストは生きている魚の身にアニサキスが移動した場合にでき、時間が経つと黒く着色します。つまり、時間が経っていなくて透明なシストもあるのでご用心

マサバを開いた状態。肝臓の他、上身の中央、下身の中央に黒色シストが見えます。

・お刺身切り分け前後

イカや、小さめの白身魚は皮をむいて光にかざせば目視が確実な予防方法となります。

カツオなどの赤身は厚みと色のため、目視が難しくなります。

・ブラックライトで見つけられる??

アニサキスは光ります。しかし、身の奥や赤身の中に潜っている場合、そしてシュードテラノーバ(アニサキスの親戚で食中毒の原因になる。形は同じで北の海に多い。)は光らないので、これだけではなく、見つける方法の一つとして参考程度をおすすめします。

おすすめの使い方は、初心者の教育用に見落としがないかの確認の意味も込めて使う、でしょうか。

さて、この中に何匹見つけられますか?クリックして拡大してみてください。

 

 

 

ぱっと見、14匹ぐらいが白っぽく光っていますね。

内臓だけではなく身にも潜っていて、シストがない部分は半透明で見つけにくい事もわかります。

潜っている部分は少し血が出ていたり違和感があるので慣れれば目視で見つけられます。

自信が付くまでは加熱か冷凍ですね。

より安全に食べるヒント

慣れないうちはシメサバは必ず冷凍!や、食感は落ちるけれど凍らせて安全にサバの刺身もいいでしょう。冷凍後に切って刺身の断面を見て、「やっぱりこれは大丈夫だった!」とか、「色が変わっているあたりに・・・イタ!凍っているから食べちゃえ!」等と考えながら腕をあげてください。

生食文化が発達した一つはやはり食感なので、冷凍しないサバも腕を上げた上で食べて欲しいです。

お店にお任せしたいですが、営業停止になる場合もあるので諦めてしまうお店が増えてきている事情があるのです・・・。「こちら」から

サバの皮膚表面のアニサキス

サバは内臓に多いので腹側より背中側の刺身はリスクは低くなると考えられがちで見落とされがちですが、皮膚表面に見られる例を紹介します。

サバ(700g)の表面に見られた例(内臓では発見できず)氷漬けの抜群の鮮度で発見。

サバ(150g)のムナビレの下に発見(内臓からは20尾発見)

↓皮一枚を剥がし、右側にアニサキスを取り出したところ

このように、「内臓にしかいない!」という先入観を無くして、魚種、個体によって一尾ずつ全身と内臓をしっかり見て判断することが、アニサキス食中毒を防ぐことにつながります。

予防のヒント(地域に根差した食文化とアニサキスの種類について)

太平洋側のサバは危険で日本海側のサバは安全?等の話を聞く事があります。

「こちらから」アニサキスの種類と食文化の情報をまとめました。

なぜ博多でマサバを胡麻と和えてゴマサバとして食べるのか。

食文化は経験と工夫によるものなのだということがわかります。

アニサキス食中毒に正露丸は効く?

シッカリ予防したはずだけど・・・残念ながらおなかが痛い場合は・・・

1960年代は「開腹手術で除去!」でしたが、最近は胃カメラでつまんで除去する事が主流です。

でも胃カメラを90cmも飲むのがイヤな方にお勧めしたいのが正露丸。

医学的な効果には言及できませんが、「こちらから」紹介しています。

「夜中に腹が痛むが原因がわからず病院に行くか迷う」、「船に乗っていて病院が遠い」等、判断を迷いそうな場合は、正露丸を準備しておくことで気持ちに余裕ができるかもしれません。

正露丸は、「アニサキス食中毒には効く」と言えませんが、「(アニサキスを含む)食あたりには効く」と言えます。

アニサキス食中毒はアレルギーです。

アニサキス食中毒は、大人でも我慢できない痛みが生じますが、その痛みは何でしょう?

内閣府食品安全局によると、緩和型と劇症型があるそうです。「こちら」のP6を参照ください。

軽症か自覚症状がない緩和型(人間ドッグで刺さっているが痛みが無い場合等)、強い腹痛を伴う劇症型が知られますが、この差は、初感染の場合は異物反応にとどまるため軽症で、再感染で強い即時型過敏反応を起こして劇症型になると考えられているそうです。

確かに直径5mm強の胃カメラを90cm飲みながらグイグイ押されても胃に痛みはありませんが、太さ1mm程度のアニサキスが胃をツンツンした程度で激痛が走るのはおかしい気がします。

14種類判明しているアニサキスアレルギーを含めて「こちら」で紹介します。

アレルギーだとしたら、アニサキス食中毒になる人・ならない人が出てきますし、一度アニサキス食中毒になった人は「食物アレルギー」と同様の注意の仕方が必要になりそうです。

 

おまけ:アニサキス症の確実な予防方法

・加熱(60℃ 1分以上)か、冷凍(-20℃で24時間以上:解凍と書かれた刺身やサク)が予防方法になります。
冷凍マグロ、冷凍イカ、冷凍サンマ等のアニサキスは死滅しており、心配する必要はありません。

アニサキスがいそうな場合や、いた!という場合は、刺身に固執せずに冷凍か加熱するといいですね。食卓をロシアンルーレットにしないで下さいね。

でも、生食で食感を楽しみたい方は、自分でさばいてみるのが一番だと思います。

無理せず最初は養殖魚で慣れるところからスタートするのが近道です。

 

寄生虫をイメージで怖がらずに、自然の中の一部なんだと考えて、美味しい魚を食べてください。

アニサキスセミナー講演録は「こちらから」どうぞ

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