水産業って何?

密漁を締め出そう! 水産流通適正化制度とは?

密漁(=泥棒!)をさせない

密漁は簡単に言うと泥棒ですが、人としてのルールを守らずにヒドイことをする場合もあります。

世界全体で、このようなルールを守らない「IUU漁業」(詳しくは「こちら」)を無くす方向で動いており日本も同様です。

でも、一人一人が気を付けようにも難しい場合、国などで法律を決めてルールを守ろうとするのです。

どこで獲られた魚達?

名前がついていない海産物は海から離れると、泥棒されたものとキチンと獲られたものが区別できなくなります。

獲って、運んで、加工して、売ると・・・さらにどこで獲ったかわかりにくくなります。

でも、そのまま仕方ないとあきらめてしまうと、悪いことが増えて、きちんとしている人たちが生活できなくなってしまいます。

そこで、手間にはなるけれど、みんなで悪いコトを締め出すために、どこで獲ったか追跡できるような方法が考えられ始めています。

日本の中だけではなく、抜け穴として海外に出ていかないように、海外から入らないようにすることも大切で、とても大変な作業です。

最近の密漁の状況

海で遊んでイセエビを盗ってしまった!という感じではなく、組織的に大規模に悪いことをしている割合が増えて、特に「ナマコ」、「アワビ」で悪質化・巧妙化が進んでいます。

それらの悪いことで儲けたお金が、そのような悪いことをするためのお金として使われている可能性があります。

悪いことをしている人たちなので、見つけても注意できない(何をされるかわからない!)場合もあります。

技術の発達で密漁者を見つける動きもあるので(ドローンの例は「こちら」)、悪いことは無くなってほしいですね。

重要な種類

全ての魚種で管理するのは大変なので、特に重要な魚種を決めました。

特定第一種水産動植物:アワビ、ナマコ

↑乾燥ナマコと↓乾燥アワビ(これは違法なモノではないですからね!)

特定第二種水産動植物:イカ、サンマ、サバ、マイワシ

どうやって締め出す?

悪いことするのは割に合わない!と思わせるために・・・密漁品流通の罪が新しく作られました。

アワビ・ナマコ・シラスウナギ(3種が特定水産動植物)とその製品を、密漁された事を知りながら運んだり保管したり、買ったり、紹介した場合に・・・3年以下の懲役または3000万円以下の罰金です。

輸入、輸出、漁業者、加工業者、流通業者等幅広い人の協力が重要で、悪いことに協力しちゃダメ!ということです。密漁を許さない!水産庁のサイトは「こちら」

どんな記録をとればいい?

国内での取引

どこで獲れたものが、誰から誰にいつ売られたか、取引に番号を付けて、3年間保存する事が必要になります。ナマコやアワビを扱う人は全員。そうする事で、怪しい取引(買っていないのにナマコの量が増えていない?変なとこから買って増やした??など)がわかります。

海外との取引(輸出入)

現在取引がある約60か国と交渉して進めています。

今も原産地証明書のようにどこで作られた食品か等が関税の計算などで必要な書類として輸出入書類で必要ですが、これらに追加して書類が増える事になります。

皆さんへのお願い

とても大変な手間で、ルールを決める人も、ルール通りに書類を書いて保存する事も手間が増えて大変ですが、自分たちが、きちんとしている事を証明するためにも必要なことなのです。元々は悪いことをしている人たちのせいで仕事が増えてしまう事になるのはどうなのかなと思いますが・・・。

手間が増えれば、値段にも関係します。皆さんの買う値段が少し高くなってしまうかもしれません。

でも、悪いことを締め出すために重要なコトなのです。

皆さんは、悪いことをしている人たちの応援をしないように、(買うことが応援になってしまう)信用できる人・お店から買うようにしてくださいね。

 

アワビを獲る海女さんの言葉

なかなか、魚介類を採っている人の気持ちを聞く機会はありませんが、三重県の海女さんから、とある年の6月にいただいたメールを紹介します。

「今年は例年よりやや遅く、大潮より夏磯(あわび・さざえ漁)が始まりました。
タコに墨をかけられ道具を引っ張られたり、サザエの中がヤドカリでぎょっと驚かされたり… (笑)
本当に、海の中は別世界です!

小さなアワビだけでなく自身ではおこせそうもない(獲れない)大きなアワビは下手に傷を付けて魚の餌にならないようにとらないようにしたり、群れのうち1枚を残すことで主人を絶やさずに居心地の良い住処が廃れぬようにしたり。
そっと触れるだけで新たな授かりに願をかけることも多々あります。」

 

悪い事のニュースが耳に入りやすかったりする世の中です。確かに悪い事をしている人もいるのですが、「世の中をよくしよう!」と「地球を守る仕事」をしている大人もいます。

海の恵みを大切に考えながら、永久に海の幸を頂けるように考えている人の方が断然多いのだ、ということも、覚えておいて欲しいです。

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