水産業って何?

なぜ代替肉? 肉や魚は環境に悪いのか?

代替肉(ダイタイニク)とは?

代替食品の中でも、畜産の肉に変わる食品として、注目されつつある代替肉。

低カロリー、低脂質、高タンパクで食物繊維も豊富とヘルシーで環境にも優しくなんだかオシャレなかんじ!と流行りに乗って、いつの間にか国産の食料供給網を自分たちの手で狭めていた!と、後悔しないように、自分たちが食べ続けるモノをシッカリ選んでいただきたい。

全てが代替肉に変わると、その分売れなくなった業界は元気がなくなってしまいます。

それが「勘違い」や「一時の流行」に乗せられてウッカリだった!では困るのです。

日本には日本の気候や風土に合った食べ物があるハズですし、農業も水産業も経済基盤としても維持していきたい。

要はバランスが大事です。

自分たちの未来含めて持続可能な生活のためにも・・・そもそも代替肉とは?を考えましょう。

代替肉:別名・・・大豆ミート、ソイミート、大豆肉、フェイクミート、植物肉・・・謎肉!

大豆を中心として植物性(大豆や小麦、豆類)の原材料で肉の味や食感を再現した、肉の代わりに置き換えたものが「代替肉」として有名になりつつあります。

確かに、大豆の35%はタンパク質で肉や魚に負けていない「畑の肉」と1980年代の小学校で学習した記憶があります。

豆腐や湯葉は代替肉ではないですが大豆から作られます。

豆腐ステーキは味は肉っぽくした感じで、「元祖代替肉」と言っていいかもしれませんね。

某N社さんの「謎肉」は大豆と肉のハイブリッド!肉と勘違いするぐらいの味。私も好きです。

また、動物系のアレルギーがある人で肉が食べられない人にとっては代替肉は嬉しい選択肢の一つでしょう。

 

さて・・・そんな代替肉が環境に優しく、ヘルシーと言われる理由をシッカリ見ていきましょう。

コオロギなどの「昆虫食」も考え方や目的は同じです。

なぜ、代替肉?

大きく5つの目的・メリットがあると言われています。

人口増加に関係した①食料、②炭素、③水、④農地、そして⑤動物倫理です。

様々な立場、考え方、宗教・信条等があるため正解はありません。

あなた自身は何が一番大事か・・・考えながら読んでみてください。

①人口問題 「食料」を有効利用できる?

家畜が1Kg育つのに必要な穀物の量です。品種や育つ環境によって異なるためザックリとですが・・・。

牛 11Kg の穀物が必要

豚 7Kg の穀物が必要

鳥 4Kg の穀物が必要

卵 3Kg の穀物が必要

牛は11Kgの穀物で1Kgしか大きくなりません。

牛を食べずに穀物を食べれば、単純に考えると10倍の食料として利用できる、という考えかたです。

家畜用の穀物をそのまま人間向けするのは難しいでしょうが、考え方はわかりやすいですね。

☆天然魚は給餌不要です!養殖も給餌不要で育つホタテやワカメなどもありますね。

 養殖魚のエサは、魚よりも穀物を与えるほうが環境負荷が少ないという考え方で穀物の割合を増やして養殖し始めています。鮭は2-3Kgで1Kg成長しますが、クロマグロは牛と同じ10Kgを必要とします。どれほど動くかにもよりますね・・・。

②環境問題 「炭素:温室効果ガス排出」が少なくなる?

畜産から排出される炭素は世界全体から排出される炭素の14.5%という試算があります。

地球温暖化に関係する温室効果ガスは二酸化炭素が有名ですが、家畜が排出するゲップに含まれるメタンは二酸化炭素の20-25倍の温室効果があると言われており、これがイカン!という事です。

たしかに一理あり!な気もしますが、餌を変えたり品種改良によってメタン排出を少なくする技術も開発されているので、期待したいところです(「こちら」より)。

☆魚介類は、海藻類が炭素を吸収しています!(ブルーカーボンは「こちら」より)

③環境問題 「水」を有効活用できる?

バーチャルウォーターの考え方と関係してきます(詳しくはこちら)。

水全体のうち、人が使える割合は0.01%で、世界的には真水は、とても貴重です。

食べ物を1Kgあたり育てるのに多くの水が必要です。

トウモロコシ1Kgを育てるのに・・・1,800ℓ

牛肉を1Kg育てるのに・・・・・・20,000ℓ

これだけ多くの水が必要なので、肉ではなく野菜を食べたほうが水の負荷が低いという考え方になります。

☆魚は海水がメインでなので、地球上の全ての水のうちの0.01%しかない貴重な真水を使わない優等生??

④環境問題 「農地」を広げないですむ?

人口は増え続け、今の生活のままだと2050年には人口が100億人近くになり、2020年と比較して新たに南米大陸分の広さの畑が追加して必要になると言われています。

品種改良などにより同じ面積で獲れる収穫量が増えるなどの技術も進んでいますが、現状のままだと単純に森林破壊が進みます。熱帯雨林のジャングルが減ると考えると、絶滅する生き物が増えてしまい、種の多様性が失われたり、CO2の吸収量が減る・・・と問題がありそうです。

☆陸上で育てる魚はごく一部で森林破壊などへの影響は少ないです。

一旦まとめ

急に全て解決できない難しい問題ですが、一人一人の行動で今日から地球を少しよくできます。

それは「残さずに食べる」こと。結構簡単な事です。

人の生活は・・・無くせない。仕事や地域経済も考えたほうがよい?

ここまでは、人口や環境を考えて「家畜を食べる代わりに家畜に与えている穀物を人間が食べる」事で環境に悪影響を与えにくくなり、環境に優しいという考え方でした。

魚は、上手に獲れば環境に悪影響は与えにくいこともわかってもらえたと思います。

ただ、この考え方では、畑で人向けの穀物を育てるヒトには追い風になりそうですが、エサ用の穀物を育てる人や畜産業の人にとっては仕事が無くなることになり、「ちょっと待って!」となりそうです。

環境の観点だけではなく、「住み続けられるまちづくり」という視点も考えたほうがよさそうです。

何しろ、お金が無いと生活できません。地域によって得意なコトが違うので、それも考える必要があるでしょう。

一つの例として・・・冬は大雪が降る雪国の山形県で育つ米沢牛。

雪=水なので、山形県は、潤沢な雪解け水で育つ米が有名な米どころとしても有名です。

地元で獲れた米から出る副産物の稲わらをエサとして、地元の水を与えて美味しい米沢牛を育てています。雪で外に出れなくても餌をあげて牛が育てば仕事になります。

その土地にあったこのような産業をダメ!と無くすと、仕事もなくなる上に、せっかく使っていた稲わらはどうなるの?という疑問も出てきます。

というわけでやはり、バランスが大事です。そして、消費者一人一人が何を応援するか(何を買うか)ということも重要です。

 

 

最後に、世界的には大きな目的となっている「動物倫理」を紹介します。

⑤動物倫理 「生き物を殺さないですむ(家畜の屠殺を無くすことができる)」

生き物を食べる事を避けたいと考える人がいます。

この目的が重要と考えて代替肉を広げたいという立場の人もいます。

命を頂く「いただきます」の概念が重要だと感じる人が多い日本では、カワイソウよりも「ありがとう」と感じる人が多いかもしれませんし、その土地にあった食べ物や食文化を尊重する必要もありそうです(モルモットを食べる地域も!なんで??は「こちら」より)。

☆魚の命をありがたく感謝の念をもって「いただきます」(供養・感謝の対象としての塚は「こちら」から)。

代替肉と水産業・農業を考える。

⑤の生き物を殺したくない目的が重要な人にとっては、①②③④には関係ない「魚」も生き物なので、代替肉の対象として魚も一緒に置き換えて、「魚も植物性に置き換えてなるべく食べないようにしよう!」という説明が見られる事がありますが・・・魚を食べて欲しい立場としては「ちょっと待って~!減らないように上手に獲って、残さず上手に食べれば、魚を食べる事は、環境にすごくいいんじゃないの??」と思うのです

大事なコトは人によって違い、個人の生き方に関わる信条や宗教に近い話になるため、正解はありません。難しいのですが、ポイントは「持続可能な生活かどうか?」が考えるヒントになりそうです。

全体のバランスを考えて、仕事となる産業が残れば、その地域の生活が保たれます。仕事や地域経済を守ることも大事でしょう。

日本の食べ物事情を考える

海と魚のお仕事をしている立場としては、農業も漁業も扱っているモノは違うけれど人間の体になる食料として両方とも必要で、自分たちの国でできる事は自分たちで準備しておかないと大変なことになると実感しています。

世界人口が増えて食べ物が買えなくなったり、食べ物を取り合って値段が高くなることも考えないと、いけません(すでに5-10倍の値段になって買えなくなった食べ物もあります。「買い負け」については「こちら」、食料の安全保障については「こちら」)。

結局、そのように考えて一人一人が選ぶことが、どこかの街を支える事になり、我々の生活が保たれていく事につながります。

水産業界の立場と考え方

魚介類の命をいただき、消費者に届ける事で人類の貴重なたんぱく源を確保し続けないといけません。

魚が減らないように上手に取るように大人が頑張っているところなので、皆さんは残さないように上手に食べてくださいね。

残さないで食べる事で、このページで紹介した代替肉の目的が達成できる事になります。

 

穀物まめ知識:世界三大穀物(2019年)と大豆の収穫量と産地

トウモロコシ   11億5000トン  アメリカ、中国など

小麦       7億6500トン   アメリカ、カナダ等の半乾燥地帯

米        7億5500トン   夏に雨が多いモンスーンアジア

大豆       3.2億トン    アメリカ、南米など

水が多いのでこの作物を作るのが得意!という地域、不得意な地域があります。

干ばつや気候変更等で一年毎に値段は2-3倍などに変わることが多いです。

農地も、温暖化による影響で地域全部が吹き飛ばされたり水で流されたりする地域も出てきています。

そう考えると、様々な選択肢が残った状態でいる事が人類全体のためには大事です。

同じ大豆でもどこの産地を選ぶか

代替肉ならどこの大豆でもOK!ではなくて、国産の大豆を使って自給率をあげる!というのは大事かもしれません。

でも、大豆の自給率は大豆油用などを含めると僅か7%です。食べ物用途になると少し増えて25%(国産大豆の豆腐とかお醤油、見ますよね)、実はアメリカや南米からの輸入が多いのです(大豆のまめ知識は「こちら」)。

では、日本国内で生産量を増やせるのか?等も考えながら、重要視すべきポイントを考えたほうが良さそうです。

まとめ!

バランスよく考えて、しっかり選んで買おう!

海に囲まれた日本に住んでいるのなら・・・得意な魚を、減らないように上手に獲って、残さないように上手に食べよう!

数百種類もの食べられる魚が獲れる日本に住む人たちは、マグロやエビ、サーモンだけでなく、有名ではない「未利用魚」などにも目を向けて、美味しく楽しく持続可能な生活を送っていただきタイ!

おまけ① 肉以外の代替食品(代替ミルク、代替カルビ、代替ウニ・・・・・)

ちょっとおしゃれなイメージもある、ソイラテなども代替肉の仲間で、このページの5つの目的が含まれる場合もあります。

代替ミルクは、豆乳(ソイミルク)、ココナッツミルク、アーモンドミルク、オーツミルクなどです。

でも・・・日本で牛乳が捨てられている!と聞いてあなたはどうしますか??

※カニカマは魚(スケトウダラ)のスリミをカニの形に真似をしたイミテーションクラブミートと呼ばれます。動物性→動物性で代替肉ではありませんが、代替カニ等と呼ばれることも。

おまけ② 培養肉と代替肉は、どう違う?

培養肉は人工肉ともよばれ、必ずしも植物性との置き換えではありません。

様々ですが・・・コラーゲンゲルを材料に細胞を組織培養することでお肉としたモノです。

特定の細胞(食べられる身の部分。骨が増えても・・・食べられないですよね)だけを増やす、3Dプリンターで重ねて厚みを出す等、様々な技術が集まった現代だからこそ進んでいる技術です。

培養肉のザックリとした目的は代替肉と同じですが、技術的には代替肉よりも難しい感じでしょうか。

でも・・・魚のウロコなどからコラーゲンを取り出して、おいしいお刺身のような食べ物ができるとしたら・・・いいですね!

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