魚をさばく! ツブ貝・バイ貝編 唾液腺の弱い毒に注意
唾液腺の毒に注意! ツブ貝
6月頃から夏にかけて見かけるツブ貝は、刺身が美味しい巻貝です。
トンカチで割って、白い粒に見える唾液腺(だえきせん)を取り除いて食べます。
弱い毒(テトラミン)を含みますが、一度さばけば安心です。
マツブ(エゾバイ科 エゾボラ)
スーパーのラベルにも「唾液腺」を取り除くようにと注意書きがありました。
毒?と聞くとちょっと怖い気もしますが、家で簡単で取れます。
ツブガイのさばき方
①殻から出す … 包丁の刃がない側や、ハンマーで叩いて殻を割ります。
②肉と内臓を取り出して分ける。…内臓は後で砂糖、醤油、酒、みりんで煮ると美味しい。
③肉は縦に左右に切り割ると、白い脂肪のような塊りの唾液腺(点線赤丸内)が出てきます。
④唾液腺は爪で簡単に取り除けます。
⑤最後に塩もみして水洗い …お好みに応じてカットすれば完成!食べましょう!
ツブガイの味
柔らかい肉は適度に歯応えがあり、ほのかな旨みと甘みもあって、刺身、お寿司、醤油のつぼ焼き・串焼き・付け焼き・塩茹で・和え物、サラダなど(結局何でもOK!)がおいしい。
寒い時期には串に刺しておでんなどでも美味しく頂けます。
テトラミンとは?
エゾバイ科の巻貝類の中には、白い唾液腺に弱い毒の「テトラミン」を含む種類がいます。
特にエゾバイ科エゾボラ属は全て注意が必要。大型のエゾボラ、中型のエゾボラモドキ、チヂミエゾボラ、クリイロエゾボラ)小型なヒメエゾボラなどです。
テトラミンは熱に強く、加熱調理しても毒性は弱まらず、水溶性で他の部分や煮汁にも移るので、さばいたときに、取り除くのが大事です。
テトラミンを食べた時の症状
命に関わることは少ないものの、お酒に酔ったような症状、視力低下、散瞳、頻脈等を起こすことがあります。
マツブ、灯台ツブ、磯ツブ(ウィキペディアより)
バイ貝について
ツブ貝(エゾバイ科)に近い仲間のバイ貝は、ツブ貝のように有毒な唾液腺を持たないため、茹でたら内臓ごと食べることができます。
確かにバイ貝の調理方法は醤油と砂糖で貝殻丸ごと煮たものが多く、つまようじなどで、くるっと回しながら取り出して内臓も食べますね。
白バイ貝(エッチュウバイ)
名前に注意!
エッチュウバイやオオエッチュウバイなどは、唾液腺に毒を持ちません。
巻貝は種類が多くわかりにくいので、ツブ、青ツブ、バイ貝、白バイ、灯台ツブ等の名前で販売されていることがあります。
正確には写真と照らし合わせてチェックが必要です。「こちら」でリンクを交えて詳しく説明しています。
下記のようにスーパーで「バイ貝」として売られていたエッチュウバイのラベルには、「加熱調理でも唾液腺を取り除くように」と注意書きがありました。
あれ?エッチュウバイは唾液腺無いんだけど・・・お店の人が勘違いしたか、種類がわからなかったか・・・。
種類がわからなくても、心配なら唾液腺を取ってしまえばいい!
●エッチュウバイ(バイ貝)のさばき方
毒はないけれど、表示通りツブ貝と同じく唾液腺を取り除いてみるぞ!
エッチュウバイ(バイ貝、白バイ)
①ハンマーで殻を割って → ②肉と内臓を取り出す
→ ③縦にカット → ④唾液腺 → ⑤指で唾液腺を取り除く
というわけで、一度試したら簡単です。
トンカチを片手に貝を割って、貝の風味を楽しみましょう!
他の魚介類の保存方法は「こちら」で。
色々な魚介類のさばくコツは「こちら」で。
家庭での調理は誰も見てません。ラクチンに考えて美味しい魚を食べてくださいね。