開かない貝は食べてはいけない?

開かない貝の理由

アサリなど二枚貝で、「熱を通しても開かない貝は食べてはいけない」と聞いたことありませんか?

理由はなぜでしょう?

熱をかけても貝が開かない理由

①加熱不足

熱をかけると、貝殻にくっついていた貝柱がキュッと縮んで貝殻から外れて、靭帯に引っ張られた貝殻が開きますが、貝柱に熱がかかっておらず、貝殻から外れていないと開きません(貝の構造から考える貝の開くワケは「こちら」から)。

⇒このことから、加熱で退治できる海のバイキンがまだ死んでいない可能性があるので、食べてはいけない!と言われたと考えられます。

②靭帯(じんたい)が割れたり切れていて、開く力がない。

靭帯は貝の生死に関わらず開く向きの力を持っています。

この靭帯が、割れたり無くなっていると貝は開きません。

そう考えると、ヒトに害があるのは下の2パターンが考えられます。

A:いつ死んだ貝かわからない。身が残っている場合もある

潮干狩りでたまに見かけるこんな風景はエイが貝を食べた跡です。

靭帯がパキッと割られて身が食べられていて、身が残って腐ってしまっている場合、エイが開けた直後なら新鮮で生きている場合もあるけれど、エイがパキッとして貝が死んでしばらくした貝だと・・・おなかを壊しそう。

 

B:貝殻だけ残って、そこに砂などが入っている場合

Aと似ていますが、さらに時間が経った場合です。

潮干狩りなどでも見つけて喜んでがっくりする人は多いのではないでしょうか。

シオフキがコロンと。身が入っているように見えるけれど、開けてみると・・・

靭帯も身も無く、泥が詰まって閉じている「爆弾:バクダン」と呼ばれる貝です。

貝と貝をぶつけ合うと生きた貝とは音が違うため、ぶつけ合って爆弾処理をすれば、泥入りの貝をはじく事ができます。

間違って味噌汁に入れてしまってからでは遅いので、心配な場合はカチカチと先に処理しましょう。

③冷凍すると開かない??

冷凍する事で、氷の結晶が膨らんで、靭帯の組織を壊してしまったり、割れたりする可能性があります。

自宅の冷凍庫でアサリを50個ずつ冷凍して、一方は凍らせた後にガンガン叩きつけてみました。

結果、叩きつけたあさりの1割程度は加熱しても開かず、確認したところ靭帯が割れていました。冷凍された後の衝撃で靭帯が割れてしまったようです。

 

ムールガイは、2か月程度冷凍してから加熱したところほとんど開きませんでした。

貝柱をナイフで切って開けて確認したところ、貝柱が貝殻から外れません。

冷凍したことで加熱しても殻から外れにくくなったようです。

このように貝の種類によっても開きにくくなる場合もあるようです。

このムール貝は、冷凍前は全て開いたので、鮮度は問題ないと考えて開けて食べました。

開けて確かめるには?

開かない場合は、閉じた貝の蝶番に包丁の「背」を当て、ひねって開けるのが楽です。

匂いを嗅いでおかしくなければ食べても問題ない事がほとんどです。

そう考えると、一番注意するべきは「①加熱不足」だと考えられます。

心配な場合は無理せずに「開かない貝は食べない」という考えも正解です。

※「貝毒:くわしくは「こちら」」は、熱をかけて開く開かないとは無関係です。

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