缶詰は古い方がウマイ?? 期限が切れても食べられる理由とは?
缶詰は賞味期限が切れても食べられる??
メーカーさんに聞いても答えてくれません。
ご家庭での保存方法や時期についてわからないので「大丈夫です!」と答えられないので、「ご自身の判断で」としか言えません。
が、本当は・・・オイシイので食べて欲しいと思っている人も多いのです。
このページでは、フードロスも防げて、美味しい思いもできてしまう、賞味期限について判断するための情報をお伝えします!
賞味期限とは?
「こちら」でも説明していますが、缶詰は消費期限ではなくて賞味期限なので、期限が切れてもすぐに食べられなくなるわけではありません。
賞味期限は「美味しく食べられる期限」と言われていますが・・・缶詰は・・・どうでしょう。
賞味期限の決め方
もともと賞味期限は、色々な環境で保存されたとしても大丈夫な期間で、虐待試験と言ってヒドイ環境(高温多湿等)に試験的に置いて設定されています。
その上で安全係数(ホントは3年大丈夫だけど、2年半にしたらヨリ安心だろう!)を考えて実際に食べて確認して賞味期限を決めます。
例えば香り。表現が難しいですが、お砂糖に熱をかけていくと、粉状だった砂糖が液体になり、色が付き、カラメルになり、最後は焦げてしまいます。カラメルの独特の香りと味は魅力的ですが、人によってどこかのタイミングで「焦げ」と判断します。
どこまで許せるかは人それぞれですが、メーカー毎にどこまでなら「我が社の製品として販売できる!」と判断しているわけです。
賞味期限が来るまでに食べ物に起きるコト
そもそも、商品が作られてから賞味期限が訪れるまでに、食べ物に何が起きているのでしょうか。それを考えると、食べ物や飲み物によって特徴があることがわかります。
どのようなことに注意すれば、賞味期限が切れても美味しく食べられるか、ちょっと考えてみましょう。
冷凍品で起きるコト
少しずつ表面が乾燥して冷凍焼けと呼ばれる現象で食感や色が悪くなります。
表面から中に乾燥が進むと、酸化しやすくなり匂いも悪くなります。
そのため、空気と触れないようにすることが大事です。(家庭での冷凍のコツはコチラから)
刺身用のイワシなどでは、三枚におろした後に冷凍してすぐに酸化してしまいます。そのため、空気の代わりに窒素を入れた状態で冷凍したり、空気が無いようにピタッと包装する事で酸化しにくい製品になります。そのことで酸化による匂いを防ぐことができ、賞味期限が長くできます。
真空を引いてピタッと空気を無くして冷凍。水で溶かせばすぐに食べられる!
乾燥品で起きるコト
サキイカやスルメイカなどは、色がだんだん黄色っぽくなり、その後茶色になります。
これは簡単に言うと、時間と共に低い温度(常温)でも焦げていくからです。
イカ以外の食品でも色がつき、匂いが変わってきます。冷蔵庫や冷凍庫に入れると、焦げるスピードは遅くなります。
缶詰で起きるコト
缶詰内の空気はわずかな量なので酸化がどんどん進むことはありません。
作り方が圧力釜と同じなので、低い温度(常温)でも2年間等コトコト調理をしている事と同じだと考えてください。累積すると圧力釜でずっと調理して、味がしみ込み柔らかくなっていく状態になります。つまり、賞味期限が過ぎたころは、作り立てと比べて味が染み込み、柔らかくなっています。
賞味期限がない食品や飲料?そんな馬鹿な!?
もともと、食べ物には期限は無く、5感を頼りに生きてきた人類。今でも賞味期限がない飲食物もあります。
・塩や砂糖:安定性が高く、見た目でわかるため。
・ワイン 瓶に詰められた後も熟成します。賞味期限がありません。
・ウイスキーなどのアルコール濃度が高いお酒
瓶詰後に熟成する事はありませんが、アルコール濃度が高くて腐らないので賞味期限がありません。
賞味期限が切れた缶詰の楽しみ方
期限が切れたからと言ってポイっと捨てずに、自分の野生の感覚を思い出してください。
特におススメしたいのは、新しい缶詰と熟成された缶詰の食べ比べ。
買ってすぐではなく、一年経ったぐらいの缶詰が私のお気に入りです。
非常食のローリングストックの入れ替えタイミングや、大掃除のタイミングにチャレンジしてみてください。
もっと知ってほしい!缶詰の素晴らしさ!
缶詰の魚は切り身の43倍のカルシウムとか、DHAやEPAが多いとか嬉しい情報はこちらから。
鮮魚だけが魚ではありません。魚を食べてくれれば我々水産業一同ハッピーです。