カガミガイをさばく! 砂抜きできない砂袋。おいしい江戸前の貝!
砂抜き不要のホンビノスと砂抜き必須のカガミガイ
シッカリ種類を見分けないと悲惨なことに。
そのまま酒蒸しが美味しいホンビノスに対して、カガミガイは、普通の砂抜きは意味が無く、体内の砂袋を「絶対に」取らなければいけません。
私は、初めて獲った日にカガミガイをアクアパッツアに入れて悲しい思いをしました。
ホンビノスとカガミガイ 違いと見分け方
↓カガミガイ 白っぽい個体がほとんど。
丸っこい感じ。手鏡みたいな形!
↓ホンビノス 黒っぽい個体が多く、縞模様が綺麗な個体も。
↑マルというよりは楕円に近い?↓ちょっとオレンジ色が入る子も。
ホンビノスとカガミガイは大きさも形も住んでいる場所も似ているけれど・・・
↓ホンビノスは閉じる面がギザギザなので見分けられます。
↓カガミガイはギザギザしてません。
ホンビノスなら、砂噛み、砂袋はないのでそのままでOK。
問題は・・・・カガミガイ。
カガミガイの下処理。カガミガイをさばく!
50個ぐらい手に入れた時のスピード重視+無駄をなくす方法です。慣れれば98個を一時間程度で処理できます。
①真水でザっと洗い表面の砂を取る
手袋でザザッとこすり合わせるように砂を取ります。大まかでOK。
②茹でて貝殻を開き、身を取る。
少し強めにゆでて、開いた貝殻の身が付いていない側をトングで掴んで揺らすと身が外れます。
↓トングで獲れない身は貝柱をスプーンで外します。これは面倒なので、もう少し熱をかけるのをおすすめしたい。
※生きたカガミガイを剥いたり、冷凍して開いたところを剥く方法もありますが、断然楽なのはゆでる方法です。
③おまけ:ゆで汁を捨てない事
鍋の底や壁に付いた砂や殻をペーパーで濾せば素敵な出汁が楽しめます。
これを捨てるなんて、幸せを捨てるのと同じです。
炊飯機に、この出汁と醤油を入れるだけで・・・ゲキウマな貝出汁ご飯が完成!
砂肝を取った後のカガミガイを適度に切って炊き込みご飯もおススメです。
④超重要! 砂肝とエラを取る
上の黒いのが砂肝。下二つは食べられます。右のカタツムリの目のような部分に砂肝が付いているので取ります。貝柱の
子どもに説明するときはカブトムシのツノやカタツムリの目が綺麗になったら完成!と楽しめます!
上手になると、下二つをバラバラにせずに元の形に戻せるようになりますが、最初は砂袋をしっかりとるのを目的に頑張りましょう。
ペロっとめくった部分にエラがあり、エラは呼吸のために海水を吸うので一緒に砂が入る場合も。慣れるまでは取ってもいいでしょう。
砂肝(砂袋)は胃なのかな?周りについている砂より細かい粒子の砂が入ってるなぁ。砂肝で砂に含まれる餌を消化しているのかな?他の貝はエサだけを胃に運んでいるんだろうなぁ。手間がかかるから人に食べられない事を見越しての戦略??等と考えながら黙々と取りましょう。
水を流しながらがラクチンです。
※その後300個ほど処理してみて・・・カタツムリの目側ではなく、動画の左側の貝柱周辺に付いている砂肝を先に取ったほうが効率よく取れることがわかりました。
⑤水で洗う
最後に周りについているかもしれない砂をチェック。水管の先に砂が入っていそうな場合は爪でエイヤと取ってもいいでしょう。
⑥下処理完了!
お疲れ様でした!加熱済みなので、このままパクっと食べても。
多すぎる場合は一旦冷凍しても。チャック袋に入れて出汁を入れて空気を抜くと長持ちします。
カチーンと冷凍。
イカやタコの仲間の貝類は、冷凍してもそこまで劣化しません。
貝の内臓は酸化しやすいので空気と触れないように出し汁でヒタヒタにしてからの冷凍がおススメ。
貝殻ごと冷凍すると??
潮干狩りの日は掘りすぎで体力がなくなっても仕方がない。
力尽きたら貝殻付きで冷凍も手です。
殻付きは右側。ご覧の通りかさばります。↓同じ量のカガミガイ 右:ビフォア 左:アフター
家庭内の喧嘩防止のためにも、早めに処理してしまう事をおすすめします。
※気のせいか、冷凍してから殻を取ると、水管付近の砂が取れにくくなった気がします。
カガミガイの食べ方
お出汁・・・澄まし汁、味噌汁、炊き込みご飯
身は食べ応えがあるので佃煮風の煮つけにしました。
ジャリッとしたら、真珠かも!
茹でて砂袋を取っていた時に、親指前にプックラとした物体が!
病気じゃないですよ!お!やった!と喜んでください!不愉快な気分が少し緩和されます。
組織の中に入り込んでいるものを取り出してみると真珠でした。
砂抜き後のアサリも一定数は、真珠で「ジャリッ!」っとしていることが多いのです。
身に入り込んでいるので、砂抜きさせても砂袋を取っても、この「ジャリッ!」は無くなりません。
砂抜きされていなかった!と怒られても、困っちゃうんです。そーゆーものなのです。
他の真珠は「こちら」!
砂じゃないんだ!真珠なんてなんか得した気分!と思うと、若干不愉快な気分が緩和されます。
現在の技術ではエックス線異物検出器でも完全には取り切れないので、ジャリっとしないように甘めに噛むぐらいしか対策が無いですね。
カガミガイの掘り方、獲り方
大体の貝は、水管を伸ばして水中のエサを取ったり呼吸しています。
左側の水管を見てわかるように、カガミガイの水管は貝の2倍ぐらいの長さに伸びるので、この深さまで掘らないと獲れません。もともとそれなりに大きいので結構な深さ。20センチぐらい目指して掘ります。
カガミガイがいる砂浜で。人が掘って、カイないヨーと言っていた場所で5分程度の結果。
コツは、軍手で血豆を防ぎながら、左手で熊手を上から押しながら右手で熊手を押し込む感じ。
ガリッとした場所に貝があるので手で探ると、ゴロっと出てきます。何個か出てきたらその深さにいる事が多いので周辺を頑張ります。
カガミガイがさばけたら、他の貝は簡単!
原理が分かれば砂が多い貝は剥いてしまえばいいのです!
ただ、カガミガイと違って、「マテガイ」や「アオヤギ(バカガイ)」は、ゆでてから砂抜きすると縮んだ身から砂が取れにくくなるので生の状態で剥くのが一番。色々試行錯誤してみて下さいね。
他にも潮干狩りで獲れる貝は「こちら」から!写真で覚えて掘りに行くと楽しいですよ!