ギマをさばく トゲが邪魔だが、カワハギのようなおいしさ!

魚のギマとは?

銀色の馬のようなので銀馬でギマ!が名前の由来の魚です。

愛くるしい感じで、トゲで立つことができるのでひそかな人気です。

ギマポーズ。カワハギのようなかわいい顔。

それもそのはず。フグ目ギマ科のギマはフグ目に含まれて、お隣にはカワハギ科がいます。

カワハギはハゲと呼ばれることがありますが、ギマはツノハゲと呼ばれたり・・・。

トゲが邪魔で流通しないギマ

ただ、この馬の脚のようなトゲが問題なのです。

普段は折りたたまれていますが、危険!と感じたギマは頭の角と合わせて3本の角を突き出してガチっとハマり、元に戻らなくなります。

前から見ると「人」という感じのような角度のトゲ。

ハリセンボンと比べると針は少ないけれど、この針がとても頑丈でギザギザなので網から外すのも一苦労。

さらに市場に運ぼうとしても、他の魚に刺さって傷をつけて商品価値を下げる上に、運ぼうとしても嵩張るので運べない。ということでギマは漁師さんからは嫌われもので、大体海にポイっと戻されて生き延びています。

すだてで魚を持ち帰る時も、このトゲのせいで一匹だけのアジがケガしてしまい、嘆くことになりました・・・。

中央と左下にギマが二匹。

ギマのさばき方

面倒だけどカワハギのように下処理してしまえば刺身でも煮付けでも美味しいギマ。

厄介な3本トゲを外すように切れ目を入れながらさばきます。

腹側のトゲは、腹を守るような形の骨ともガッチリくっ付いているので、↓腹側は、このように取り出すように切れ目を入れます。

頭のトゲも同様です。

 

 

頭がこのように取れたらエラを取ってスープに(こうなってもトゲ3本が突っ張っています)。

身の皮はカワハギのようにベリベリっと剥がれるので骨抜きなどで引っ張ります。

なお、ヒレ部分から粘液が多く出ます。驚かないで大丈夫。ギマはそのような魚です。

なのでヒレはハサミで切ってしまった方がさばきやすいです。

食べ終わって身やスジが無くなった腹側のトゲは、ようやく閉じるようになります。

鮮魚の形では、ガチっとハマると大人の力でも戻せません。

このトゲとヒレから出る粘液によって、流通が難しいギマですが、トゲ3本が無ければレストランはもちろん、一般のお客さんでもさばける魚です。ただし、魚を獲ったタイミングの漁師さんがガツッと切る必要があり手間がかかります。

江戸前の漁師さんの中には、トゲを落としてコンパクトにして流通に載せ、海の恵みを消費者が食べられないかチャレンジしている方も。

美味しいギマ。海の恵みを利用しよう!

おいしさはカワハギと遜色ないおいしさですが、値段もカワハギより安い!

当日はお刺し身とスープ、翌日は煮付けで食べました。

食べにくさや運びにくさで利用されにくい未利用魚として網から外され海に戻されている魚たちが近い将来おいしさを知られて皆さんが食べるようになる日も近いでしょう。

トゲさえ避けてヒレを切ってしまえば何となくさばけて美味しいので私はすだてで余ったギマは全てもらっていますが、皆が敬遠するので独り占めで申し訳ない気もしています。何しろ美味しいので・・・・。

未利用魚は他にもいろいろな理由で敬遠されがちですが、よく言えば地魚。

「こちら」に紹介しているので、興味をもって食べてくださいね!

 

ギマのようにトゲがあったり形が変な魚でも、さばき方がのコツが分かれば何とかなります。

「こちら」で魚のさばき方のコツをつかんで生活に魚を取り入れて下さい!

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