スジコからイクラの醤油漬けを作る! 楽に安全に魚をさばく!
スジコやイクラにアニサキス?
スジコは内臓なので、自家製の場合は、いる可能性を考えて作ると安心です。
季節外や、海外品はほとんど冷凍なので心配不要ですし、お魚屋さんがシッカリ見て作ったイクラも安心です。
イクラの中のアニサキスは入っていたとしても形が違うので、『初心者レベル』の見分けやすさですが、初めての人にとっては迷うこともあるため、挑戦する人のために、「ラク」で「安全」な旬のイクラづくりを紹介します!
「シラコも同じ方法」で安全に楽しめます。
おススメの「いくら醤油漬け」の作り方
①鮮度のよいイクラを買う
粒が大きいのがおススメ!
走りの時期よりもチョット待った方が安くなるかもしれないけれど、シーズンが終わってしまうかも。リミットを決めて、9月末までに値段が落ちなかったら買う!等と心に決めましょう。
②網でスジコをバラバラにする
スジコは卵一粒一粒に栄養を送る血管や膜が付いています。
生のまま網に押しつけると、これらから卵がポロポロ外れ、膜や血管だけが網の上に残ります。
右手でエイエイと上からやさしく押して下にポロポロ落とす。
最後の方は上から押さえて左手で膜を引っ張ると膜が残る。
とてもきれいに剥がれる様子が気持ちよい!
ここまで1分。あまりに楽しかったので膜をハート形にしてしまいました。
イクラは川の中で砂に埋められるので、多少の力で割れていては生き残れません。
そのため、力を入れるとすぐに割れそうだけど、割れないのです。
200gぐらいの筋子なら1-2分もあればバラバラにできて、膜が網の上に残ります。
最後の方は膜を引っ張って指と網の間からイクラを落とす感じで。
最後の方は膜がチョット残るので、目立った4カ所ぐらいを指でチョイチョイっと取りました。
膜を泡だて器で取る人もいるそうです。最後に熱湯で洗えば匂いも大丈夫そう。
③塩水(1-3%)でざっと洗う
膜やぬめりがとれます。
あ!このあぶらは・・・一粒か二粒割れてしまったか??ナド自分の力量がわかるかも??
④熱をかけてから冷やす(熱をかけない場合は味付け後に冷凍で!)
厚生労働省によると、アニサキス対策のおススメは「①中心が60℃1分以上」か、「②70℃以上」のどちらか。
注意すべきは、その温度にくぐらせればいいわけではなく、中心の温度条件という事です。表面だけじゃダメ!なので、スジコの状態では心配。網でバラバラにした状態で70℃のお湯に入れてお玉でまんべんなく泳がせましょう。
1分経ってから温度を測ると64℃。よし、イクラの中心部分まで加熱バッチリでしょう!!
ザルにとって・・・あぁ・・・・キレイ!おいしそうだけど、まだおいしくないの。
ホント?と思ったら、つまみ食いしてみてくださいね。
氷水に入れてすぐに冷やします。
※お湯とイクラの量によってこの温度は変わります。最初は温度計で水温チェックして、慣れてきたらおおよそでもいいでしょう。
肉と違ってイクラの中身は脂が多いのか、茹で卵のように固まったりしません。
ただ、膜は熱に弱い様子。熱をかけすぎると・・・食感が弱くなるので、なるべく熱はかけない方がイイですね。
※ここで熱をかけずに味付け1日後ぐらいに冷凍してもOK。熱か冷凍かをおすすめしますヨ。
⑤味付けする(事前に作って冷やしておく)
イクラ:味付け液=3:1~2:1の割合です。イクラが300gだったら味付け液は100~150g。
醤油:日本酒:みりん=1:1:1の割合で、一旦沸騰させてアルコールを飛ばし、冷やしておきます
(食べた後に車を運転しない場合はそのまま浸けても美味しいです)
氷水でキュット締めたイクラの水を切って、味付け液に浸します。
この液が多すぎると・・・イクラがはちきれるほど張り詰める傾向があります。
お好みで味付けの比率、駅の量を変えてください。
⑥(冷凍する)熱をかけなかった場合
味付けして1-2日ぐらいしてから、網でばらしてから熱をかけなかった場合は、アニサキス対策で熱を通す代わりに冷凍してもOKです。
条件は「中心が-20度24時間」なので、冷凍庫に入れて24時間ではありません。
また、家庭用冷凍庫は-18℃で開け閉めもあるので・・・・ざっくり一週間も入れればいいのでは?と考えています(根拠はなく、経験上です)。
トレーの上でイクラ2段分ぐらいの高さで冷凍。
凍ったままは、さすがに味気ないけれど・・・4分後・・・
左が解凍イクラ、右が生イクラ。若干生イクラの方が膜の感触が張りがある感じはしますが、色合いは全く問題なし。冷凍に強い商材であることがわかりますね。
というわけで、食べきれない場合も1食分などで冷凍しておくといいですね。
⑦食べる
生ものなので3-4日で食べきるのがおススメ。
お米と一緒に、かき込んで飲み込むと、イクラの粒のおいしさが数割無駄になってしまいます!
よく噛んで潰して食べる事。
旬の鮭。スジコからイクラを作る!いくら醤油漬け!
秋になると日本の川に遡上するシロザケは、秋鮭とも呼ばれ旬を感じられる魚です。
お店に生筋子が並ぶのも、サケが遡上するこの時期だけ!
重さで見るとお値段は高めですが・・・海の栄養分たっぷりのスジコが人気の証拠!
そんなスジコから、イクラの醤油漬けを作って旬を楽しみましょう!
そもそもスジコとイクラの違いは?
スジコは筋が付いた状態の塊、イクラはバラバラです。
↑スジコの状態でおなかの中で成長して、生まれる時にはバラバラになります(お腹の中にスジコが二つ入っていて、一匹当たり約3000粒)。
産卵前に獲ったシロザケはまだお腹の中にスジコが入っていて、これを取り出してから人がバラバラにして味付けするとイクラになるのです。
当然ながら生まれる直前はバラバラになりやすく、お腹の中でマダマダ栄養を卵に送り込んでいる最中の場合はバラバラになりにくい。栄養が送り込まれている途中の粒が小さなスジコは塩漬けでスジコとして食べていることが多いですね。
アニサキスには・・・ちょっと注意。知っていれば、見つけられます。
魚をさばいたり、自宅でイクラを作る人は知っていますが・・・これからチャレンジする人には知っておいて欲しい。
サケは筋肉(身部分)にもアニサキスがいる魚です。詳しくは「こちら」。
厚生労働省によると、アニサキスをやっつけるには・・・
①加熱:70℃以上または60℃1分以上)か②冷凍(-20℃24時間)が効果あり。
そのため昔からシロザケを食べるときは、冷凍してルイベとして刺身のように食べたり、チャンチャン焼きのように加熱等で安全に食べていました。
養殖されているサーモンはアニサキスの心配はありませんが(詳しくは「こちら」)・・・天然のシロザケは内臓にもアニサキスがいます。内臓でもあるスジコにもいる場合があるので、バラバラにしながらイクラを作りながら「いないかな?」とシッカリ見て洗い流す事で旬の幸せが楽しめるのです。
番外編 網が無い場合など・・・どうする?
お湯で膜を取ってバラバラにする方法は?
40℃~80℃ぐらいのお湯に1-3%ぐらいの塩(浸透圧でイクラが破けにくくなる!)を入れ、お湯で膜や筋がキュット縮むのを利用する方法ですが、膜や血管がバラバラに細かく残ります。
80℃に入れて、膜がキュットし始めて・・・
菜箸で混ぜて1分。お湯を捨てて64℃。バラバラになっているので、熱もかかっているだろうし、このまま味付けでもいいでしょう!と思ったけれど・・・・
↓よく見ると、血管や膜がチョイチョイ残ってしまっている。
見た目重視なら、ちびちび取らないといけない。
40度ぐらいでもチビチビ作業は必要になります。
お湯で縮ませた後は一粒一粒についた血管を取らなければならず・・・
私は15年お湯方式でチビチビ作戦を続けてきたことは無駄な時間でした。大後悔。(イクラ工場は、網方式であることも聞いていたのに・・・)
この涙を皆さんに味わわせたくない!
100円ショップの焼き肉網でイイので、10-15分で買ってくることを強くおすすめします。
そもそもアニサキス対策だと塊の中まで熱を通すのは大変です。
最初にバラバラにしてからが安心です。
が・・・網が無い場合で苦労したい方はお湯で一粒一粒がばらばらになったら・・・冷たい水に変えながら3-4回繰り返して膜や濁りを無くしてください。一粒一粒膜を取ってあげないといけない場合もあるので大変です。
なお、お湯でイクラ自体が白く変色しても多少であれば味付けで透明に戻ります。
しっかり熱を通す作業を何回も繰り返したらどうなる??
膜が弱ってしまう感じで、色も悪く張りもなくなります。
そのため、網で生の状態でバラバラにしてから、一回だけ最低温度で熱をかけるのがおススメ。
ちなみに、ばらした後に90℃ぐらいで熱をかけすぎたら・・・膜が破ける割合が増えました。
透明感があった膜も戻ってきません。張りがない透明感のないイクラの出来上がり。
ということで、生筋子を網でバラバラにしてから、70度ぐらいのお湯で泳がせて、60℃以上1分ぐらいがおススメです。
シロザケの旬以外に見かけるイクラや筋子は・・・誰?どこから?
シロザケのイクラを冷凍して一年中食べられるようにしている場合もありますが、海外産のイクラや筋子は冷凍されている事がほとんどで、これはアニサキスの心配はありません。
寄生虫は冷凍すればすべて死にます。気にせず食べてOK。
海外産の場合はシロザケ以外の種類なので、味も違うかもしれませんよね。
どんなサケ・サーモンがお好みか・・食べ比べてみてくださいね。
サケとサーモンの違いは「こちら」から
アニサキスについてまとめたページは「こちら」へどうぞ!