養殖魚にアニサキスは、いない!と考えていい理由

はじめに

食べ物は何でもリスクがあり、魚も同じです。カンペキを求めてしまうと、生魚も何も食べる事はできなくなりますが、現実的・経済的なことも考えて、現在の食生活が成り立っています。

「養殖」技術は様々あります。魚種や環境によっても状況が異なるため、このページでは基本を知り、目の前の魚の背景を想像し、噂に惑わされない目利きになっていただくために、このページを作りました。

養殖魚の寄生虫リスクは、わずかながら可能性として存在します。でも、とても可能性が低いデメリットを考えすぎて、魚の栄養などの大きなメリットを逃さないように、考えて頂ければ幸いです。

アニサキスの生活

「海を漂うアニサキスの卵⇒甲殻類(オキアミ等)⇒中間宿主(サバ、イカ、イワシ等等)→海生哺乳類(イルカやクジラ)⇒海生哺乳類の体内で成体(成虫)となり海中に卵を放出」がアニサキスの生きる道です。

天然ホッケをさばいたら・・・肝臓に2匹アニサキス。胃からはオキアミとヨコエビ?がでてきました。

ホッケにアニサキスが来た流れがわかりやすい例ですね(肝臓はスープにすれば美味しく食べる事ができます)。

養殖魚にアニサキスはいない?「種苗(どこから来た魚か)」を考える

天然種苗:自然の海から獲って来た魚を育てる方法です。ブリ、カンパチ、サバ、クロマグロ

畜養とも言います。稚魚から育てる場合もあれば、ある程度育った魚を短期間で太らせる方法もあります。

→捕獲前の天然の海で寄生している「可能性」はありますが、捕獲サイズが小さいほど可能性は低いです(理由は後述)。出荷サイズの魚を短期間で太らせた場合は、アニサキスが天然魚と変わらない場合もあります。

人工種苗:人間の手で育てた魚を育てる方法です。タイ、クロマグロ、サバ

完全養殖とも言います。卵から大人まですべて人の手で育てる方法

→寄生していません。

※ウナギは全て加熱するので関係なしですが、全て天然種苗。魚種や技術の進捗によって種苗の割合も違うので一概には言えません。

※両パターンあり、ある程度大きな種苗で畜養する場合もあるサバは注意が必要です。

養殖魚にアニサキスはいない?「餌」から考える

養殖魚はアニサキス食中毒が限りなくゼロに近いと言われています。

その理由の一つが餌は冷凍か乾燥されている事がほとんどで、エサ内のアニサキスは死んでいるため、エサから魚にアニサキスが移る事が無いためです。

「生餌を与えている」と言いつつ、冷凍した魚を生餌と呼ぶことが多いので、生きている餌を与えていると勘違いすると余計な不安が出てきてしまいますが・・・。

なお、2005年に、養殖魚(カンパチ)でアニサキスが見つかりましたが、それは中国国内で育てていたカンパチの子どもに生きた魚を餌で与えていたためだとわかっています。餌の生きた魚の中にアニサキスが含まれており、養殖カンパチにもアニサキスが感染したためで、とても珍しい例でした。その前後含めてその例だけで、養殖魚には生きた魚を与えない事が一層注意されるようになりました。

養殖魚にアニサキスはいない?「育つ場所」から考える

陸上養殖(プールをイメージしてください)

海水をろ過した水で陸上で育てられると、海の魚体内にいるアニサキスは紛れ込みません。

海上養殖 (海の中のイケスをイメージしてください)

網の隙間から天然の魚(エサ)が入ってくる場合があるから、それを食べた魚はアニサキスに感染するでしょ?と質問をされることがあります(確かに可能性はゼロではありません。このような質問はアニサキスについてかなり知っている人の質問で嬉しくなります)。

エサを与える時は、効率よく太らせるために、十分かつ余らないように与えるので、自然界よりもお腹が膨れた状態で育てられています。また、小魚も敵が沢山いる群れの中に好き好んで入るわけではありません。そのため、感染する可能性はゼロではありませんが、限りなく低いと考えられます。

さらに深読み!アニサキスを食べた魚は全てアニサキスに感染するか?

海域によって異なりますが・・・アニサキスが含まれる魚を食べた魚が100%アニサキスに感染するわけではありません。魚は生涯でどれほどの魚を食べているのか考えると、エサとなった魚の体内にいたアニサキスがすべて感染していたとしたら、一尾あたりの感染は数百・数千ではすまないハズですが・・・一尾400gのサバで、含まれるアニサキスは、多くてもせいぜい二桁ぐらいでしょう(ゼロの場合もあります)。

つまり、魚がアニサキスを飲み込んでも、消化されたり排泄されたりするものがほとんどで、その中でごく一部がサバの体内に残るという事です。

また、魚が小さい時代に食べる餌魚の数と、成長して体が大きくなってから食べる餌魚の量は圧倒的に違います。

そのように考えても天然の種苗から育てられると言っても、モジャコ(ブリの赤ちゃん)から育てられるブリは感染している可能性は低いとも考えられますよね。

「確率」から考える みんなが食べている!

魚種によって考える必要がありますが、例えばサーモンは世界中で食べられていますが、飛行機で冷凍されずに飛んできた養殖魚のサーモンでアニサキス食中毒事例が無い事を考えると、サーモンはアニサキスがいる事は限りなく低く、考えないでもいいレベルです。

※養殖鮭はサーモン、日本の天然鮭は「鮭・秋鮭・白鮭」と区別されています。日本で白鮭はルイベとして冷凍して食べられていたのは保存とアニサキス対策の生活の知恵です。

同様にタイやブリも、毎日スーパーで見ていますよね。全国のスーパーでどれぐらい食べられているのでしょう。そのような全国で食べられている食数を想像して・・・それでも絶対に食べたくない!カンペキじゃないとイヤだ!と考える人は、もうあきらめて冷凍のお刺身も選択肢に入れるといいでしょう。冷凍技術も素晴らしいですから「負け」ではないですし、タイセイヨウクロマグロはそもそも冷凍品しかありません。

「流通経路や工程」から考える

アニサキスは内臓に多く、氷漬けの温度では動かなくなります。

養殖魚は出荷する魚だけを取って生簀から揚げてすぐに氷漬けにしたり、大型のブリなどは内臓を取って流通させる場合がほとんどです。皆さんの目の前の魚がどのように届いたかを想像しながら、さばく事で美味しく安全に食べる事ができます。

内臓付きで出荷される養殖サバは一尾千円以上する事が多い為、一般家庭よりは料理屋さんで使われることがほとんどです。その場合、しっかり目利きされているので、まず心配しないでよいでしょう。

サバを料理する方は、養殖と聞いても天然種苗の畜養品であれば、天然と同様しっかり確認しましょう。

以上のように、生産現場では養殖技術、流通工程で安全な魚が皆さんの前に届くように色々と考えられています。

限りなく可能性が低いリスクを大きくとらえずに、目の前の美味しい魚を食べてくださいね。

養殖魚は便利だが・・種類数が少ない!

養殖魚全体で、ブリ、タイ、カンパチ、クロマグロ4種で養殖魚全体の9割近くを占めます(「こちら」から)。

圧倒的に種数が多い天然魚は旬も楽しめるので、ご自宅でお刺身で楽しめるように腕を上げて頂きたい。お寿司屋さんのようなプロの技を覚えるには「こちら」からどうぞ!

どうしてもアニサキスが心配な場合は、正露丸をお守り代わりに!理由は「こちら」から!

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