魚の保存 アジの干物を作ってみよう。
マアジの干物を手作りしよう!家で!学校で!体験学習!
水分を少なくすると、生魚より長く保存できる「干物」ができます。
魚の干物づくり初心者にオススメの魚種はマアジで、(イワシは骨が多く身が弱く、サバは鮮度が落ちやすい!)さらに簡単なのは、お店で開いてからスタートする事。
背開き?腹開き?どこから切る?と悩むより、まずは自宅や学校で手作りできる事を知ってほしい。
塩焼きも美味しいですが、水分が抜けた干物は旨味が凝縮されて美味しいのです。
干物づくりに必要なもの
アジの開き、キッチンペーパー、塩、トレー、金網、冷蔵庫や扇風機等
マアジの特徴は黄色い尾びれと、しっぽの近くの鋭いウロコ(ゼイゴ)。
ゼイゴは身を守るために進化した武器。煮ても焼いても食べられないので先に取ってしまってもOKですが、そのままにする人も。
お腹側から開いたマアジの開き。上半分に背骨が残っている事が分かります。
内臓があった部分には、アバラボネが見えます(食べにくいけれどオオトロ部分。おいしいよ!)。
「開き」は、切る場所を失敗して骨に身が残っても食べられるので三枚おろしの前の練習にもおススメです。
干物の作り方(冷蔵庫編)
①マアジの開きを準備
②真水で洗う(海水や内臓には食中毒の原因になるバイキンがいるが、真水でやっつける事ができる)。
③水気をペーパーで拭き取り、塩を振って5分待ち、もう一度水気を拭く(塩水につける方法もあります)。
④↑網か、皿の上に割り箸を置いた上にアジを置く(下側も乾燥するようにスキマを開けることが大事)。
⑤身側にキッチンペーパーを置いて冷蔵庫へ。キッチンペーパーは、1-2時間後に取る。
そのことで最初で出てくる水分を素早くとれます。ずっと残すと身に張り付くので注意。
そのまま一晩冷蔵庫の中で乾かす。
干物の作り方(扇風機編)
塩を振るまでは冷蔵庫編と同じ。その後扇風機の風を当てる。
三枚おろしにしてますが、開きでもOK.風によって水分が飛びやすくなります。
↑時間が経つと表面がシワシワに。色も変わって乾燥していることがわかる。
風があると虫も寄ってこないので便利ですね。
※一晩ぐらいで、できあがったら、アルミホイルの上に載せてグリルで焼き、そのままお皿の上に乗せると、油が落ちずに掃除が楽です。
どれだけ軽くなった?
どれだけ水が無くなったか、サバを干物にしたときに重さをはかって見ました。
乾かし始め:278g→2時間後252g(91%)→4時間後245g(88%)→6時間後85%→翌朝:17時間後229g(82%)という結果で20%ぐらい軽くなる(水が蒸発する)ことがわかりました。
●注意点
※昔はしょっぱい位に塩を振って常温で保存していたけれど、このページのやり方だと昔ほど水が飛んでいかないため、保存性はそこまで高くありません。完成したら冷蔵庫で保管してなるべく早く食べるように。時間がかかる場合は冷凍で保存をお薦めします。
イカの塩辛も、もともとは保存食に近く塩が多く使われていたので、冷蔵庫に入れないでも腐りませんでしたが・・・現在は塩分少な目でおいしさ重視なので冷蔵保管しないとダメな商品がほとんどです。
保存とおいしさ、その時代によってどちらが重要か考えて作られるんですね。
干物をキレイに食べることが地球を守ることにつながる??
骨があって食べにくいアラ部分も美味しく食べると、アラを捨てる事と比べて1.5倍ぐらいの身を食べることに。詳しくは「こちら」
ということは・・・150匹捕まえていた魚を、100匹ぐらい捕まえればおなか一杯になる!ということ。干物の脳天やホッペなど、食べられるところはしっかり食べて下さいね!
他にもあるゾ!こんな乾燥方法
結局は「早く水分を無くして保存する!」のがモトモトの考え方。
ルールはありません。
・・・ということで一例です。
↓2013年ミャンマーの市場。
切れ目を沢山いれることで、表面積が大きくなって乾きやすい!ということで身がさかれています。
頭が割られているのも頭の中が乾きにくいから。
目玉がくりぬかれているのは、乾きにくくて腐りやすいからですね。
そういえばスルメも目玉は取られていますね。
↓2011年中国紹興市
紹興酒につけてから軒下で乾かされている魚。
方法は少し違っていても、考え方は一緒!というところが面白いですね。
干物と乾物の違いが気になってきた人は「こちら」へ!