妊娠中の妊婦さんへの情報 水産物・魚介類の栄養、そして水銀・放射能

妊娠中の食事

調べると心配な情報も出てくる妊娠中の食事。

妻の妊娠と同時に、葉酸サプリを買いに走った記憶があります。

このページは、「心配しすぎずに、安心した気持ちで過ごす」ためのページです。

むくみなどでタダでさえ不安でイライラしてしまうタイミングなので、不安は最小限に、お腹の赤ちゃんとの素敵な時間を過ごしていただければ!

必要な栄養

妊娠中は、エネルギーやたんぱく質、各種栄養素がいつもより多く必要になります。

バランスの良い食事を摂るために、このページでは魚に含まれる栄養素「たんぱく質」、「DHA・EPA」、「カルシウムビタミンD」、気になる人のために少しだけ注意が必要な「水銀」や「放射能」について紹介します。

魚を食べる「いい面」と「悪いかもしれない面」両方の知識を知って、あなたと赤ちゃんの健康のために、判断する材料になればと思います。「何となく怖い!」で避ける必要はなく、メリットの方が断然多い!という事を知ってください。

 

まずは・・・脳の潤滑油、魚の油の事を知ってください!

魚油(DHAとEPA)

同じ油でも、エネルギーになる油と、脳を動かす油は役割が違います。

冬に固まった油と液体の油です。

上はラード(豚の油)、下は魚の油に含まれるDHAです。

ラードはエネルギー、DHAは脳などの潤滑油になり、同じ油でも役割が異なります

DHA・EPAは人の体内でほとんど作ることのできない油(必須脂肪酸)で、お肉には含まれない魚特有の油です。特に青魚に多く含まれ、DHAは胎児の脳や神経の発達を助け、EPAは血液や血管の健康維持(血液サラサラ等と言われますね)に役立つ重要な栄養素です。

役割が違うので、お肉だけでなく魚も、バランスよく両方食べるように心がけてください。

栄養素

■たんぱく質

魚には良質なたんぱく質が豊富に含まれています。

たんぱく質は体を形成する主成分で、胎児の血液や筋肉をつくるためにも重要です。

成人女性は50g/日が推奨量となっていますが、妊娠中はいつもより多く必要となり、妊娠初期は+0g、妊娠中期では+10g、妊娠後期では+25gが必要なので、いつもより食べましょう!

いろいろな食べ物を選ぶと飽きずに食べることができます。下の写真は全部魚から作られています。

■カルシウムとビタミンD

カルシウムも水産物に含まれる栄養素で骨の発達に重要ですが、体内に摂取・吸収するためにはビタミンDの働きが大切です。ビタミンDは太陽光線を浴びることで体内に生成されるので、散歩や子供たちの公園遊びなども知らず知らず役に立っています。また日本人の食品からのビタミンD摂取の7割以上は水産物から摂っているという報告もあり、水産物からはカルシウムとビタミンDの両方が摂取できることになります。

キビナゴのゴマフライ(ととけんレシピ集にあります)

おすすめはサバの水煮缶!

水煮缶は骨も柔らかく食べられます(カルシウムは切り身の43倍!詳しくは「こちら」)

お肉はタンパク質です。

上に浮いた油は100%魚由来!サプリでDHAを買う人もいることを考えて、飲む人もいます。

飲むのに抵抗がある場合は料理に使ったりうどんにかけたり。ラクチンなのもいいですね。

ちょっと注意が必要な事(普段通りで大丈夫!)

水銀(メチル水銀)

妊婦さんが魚を食べる時の注意点で「水銀」があります。

「環境省」によると、水銀を摂取すると約70日で半分が排出されますが、お腹の中の赤ちゃんだけは排出できません。

そのため、気を付ける基準が作られていますが、魚を沢山食べている人は、一般の人並みにしよう、程度の意味合いで、「水産物を食べないではなく、選んで食べる」事が推奨されています。

見慣れない名前が多いと思いますが、ユメカサゴ、クロムツ、ミナミマグロ(インドマグロ)、ヨシキリザメ、クロマグロ(本マグロ)、メバチマグロ、メカジキ、マッコウクジラ、マカジキ、キダイ、キンメダイ、などは、毎日は食べないようにしましょう。

資料に書かれていないモノであれば全く問題ないのでイワシやアジ、サバなどの大衆魚は気にせず食べましょう!サバ缶が楽ですね!

高級魚であるキンメダイも週に一回は食べられる!など前向きに考えて、特定の魚に集中せずにバランスよくいろいろな魚を食べるのがおススメです。

より知りたい方は、厚生労働省が健康と安全のために出している資料を「こちら」からご確認ください。

「魚を食べるメリットの方が大きいですよ!水銀を心配しすぎる事はありません!」と、栄養大学の先生が説明しているのは「こちら」の30ページをご覧ください。前半では魚を食べてアトピー予防と軽減の話も書かれています。

水銀と聞いただけで不安な気持ちになりますが・・・日本で使われている水銀の量は一番多かった時代の100分の一と、激減しています。安心な世の中になっているんですね。

放射能

全く心配する必要はなく、健康被害で考えるとタバコや飲酒、野菜不足の方がリスクがあります。

参考まで、国際基準では年間1ミリシーベルト分なら被爆しても大丈夫という考え方ですが、食べ物などから被爆している量を2019年に調査したところ福島県に住む人で0.001ミリシーベルト、東京に住む人で0.0006ミリシーベルトでした。

福島県沖の水産物は「常磐物(じょうばんもの)」と言われ、黒潮と親潮がぶつかるいい漁場で美味しい魚が多く漁獲されています。

東日本大震災の原発事故後福島県の漁業者は少しずつ漁業を再開し、漁獲物は全て放射能物質のモニタリング検査を行っています。東日本大震災から10年が経ちますが、放射性物質の検査が行われたものしか販売されていないので大丈夫です。

川の魚は基準値(100Bq(ベクレル)/kg)を超える検体数が一部で見られますが、これらの種類は出荷されません。

なので、「常磐物」を見かけたときは、食べて応援をしてもらえると復興の手助けになります。

<参考>

「水産物と放射能」

その他、心配な点や知りたい事があればこちら」から質問をお願いします。匿名で大丈夫です。

幼児に魚を食べさせよう!

ちょっと先の話ですが、これは10か月の男の子に食べさせたサンマです。

お肉と違って魚は口の中でほぐれやすいので、骨の位置さえわかれば、離乳食後期から食べさせる事ができます。アジの背中やサンマの背中部分は柔らかくて骨がわかりやすいので食べさせるのにもお勧めです。タイのように大きい魚は骨がわかりやすいので、これまたおススメです。

見た目でわかるようで、一歳でもサンマよりアジがいい!と、その時の気分で見分けるようになります・・・・。

子どもと魚たちで遊ぼう!

まだまだ先の話ですが、3-4歳になったら、一匹の魚介類で子どもと遊んでみてください。

茹でるだけで色が変わるワカメ、エビなどは「魔法だ!」と喜んで、考える子になってくれるはずです。

そんな食育プログラムは「こちら」から!

茹でるだけで色も形も変わる、長寿の象徴のエビ!

お食い初めは自分で鯛の塩焼きを作ろう!

生後100日のお食い初め。

家庭で鯛の塩焼きを作れば思い出になります。

簡単なさばきかたが色々ありますし、お店でウロコと内臓を取ってもらえばヒレを立てて塩を振って焼くだけ!

こちら」から怪我せず簡単な調理方法をどうぞ!

 

体にもいいお魚を、楽しみながら、心配しすぎずに食べてくださいね!

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