イカから黄色いゴマ粒のような寄生虫?いいえ!発光器官です。
白い身に黄色い粒 異物混入?クレーム?
最近おつまみコーナーで見かけるようになった、こんなイカ。
スルメをさばく人は、スルメのエンペラ断面と同じなので、エンペラ?大きすぎない?と考えた事があるかもしれません。
スルメよりもっと大きいアメリカオオアカイカとかのエンペラ部分(三角のところ)です。
このエンペラ部分の白い身の中に、黄色い点がありました。中央右にもあるので合計2つ発見!
寄生虫だ!クレームだ!
と考えた方は・・・・待って下さい。
例え寄生虫だとしても、茹でられていたら害はありません。
黄色い点の正体は、発光器官(発光体)!
そして・・・黄色い点は寄生虫ではなくて、発光器です。
イカ好きなら大抵は知っていますが・・・・イカによく見られる組織の一部です。
イカの体にあるものなので・・・・お店はクレームを言われても困ります。
「気持ち悪いから返品したい!」と言われても・・・困ります。
「ホタルイカの足先に発光器が付いていて気持ち悪い!返品だ!」と言っているのと同じなのです。
ホタルイカの動画を「こちら」からみて、落ち着きましょう。
イカの発光器とは
イカは海水と同じような透明な色で敵から身を隠して生きています。
しかし、目玉部分や胴体の分厚い部分は、海底側から見ると、どうしても影になります。
その影めがけてマグロたちがイカだ!と食べに来るので、見つからないように影になる部分をぼんやりと光らせる事で海水と同化した色になって目立たなくしようとしています。
それが黄色く見える発光器です。
アメリカオオアカイカサイズになると、発光器がランダムに入り込んでいて、食べる前に取るのは不可能ですし、時間の無駄です。
イカってすごい!と思って食べちゃってくださいね。
だいたい表面から5-6ミリぐらいにあるのですが、イカの美味しそうな紫色を剥がしてしまう事になってしまうし、そもそも全てを取るのは時間も廃棄部分ももったいない。
昔はこんなの見たことない!なぜ突然見かけるようになったんだ?
10年ぐらい前まで、この耳などは食べられずに現地で肥料などになっていたので日本で見る機会はほとんど無かったはずです。
が、人口が増えて動物タンパク質が争奪戦になり、ゲソが7-8倍の値段になり、エンペラも捨てずに売れるようになった事で我々がお手軽なおつまみとして食べるようになりました。
結構おいしいので私もよく買います。
食べられる部位が無駄なく食べられるようになったという意味では正しい方向に思えます。
モノの値段はドンドン上がっていて、今まで食べていたものがいつの間にか置き換わっていたりします。美味しいものを食べるには今まで以上にお金を出さないと買えないのが当たり前の世界になりつつあります。買い負けについては「こちら」。
本当にあるのか??見つけたい!
再現できるかなと、もう一度お店で買ってみました。
裏表見ても見つからなったので、全てを刺し身包丁で真っ二つにして、断面の面積を増やします。
エンペラの端部分があったり、厚さが違うので食感が楽しめそう。
↑左下の二つから↓発見!
ブラックライトを当ててみたら少し光りました。
ということで、ごく普通にイカ体内にあるものです。
見つからなかったら、何度かチャレンジしてみてくださいね。
それでもまだ、「イカが光るなんて気持ち悪い!」そんな風に思う人は、「こちら」からホタルイカの姿を見て反省してください!
楽しい!イカをもっと知りたい!となったら・・「こちら」からイカの解剖をしてみましょう!