プチ熟成でお刺身を美味しくするコツ。鮮度と旨味は反する関係。
ここではスーパーなどで買った魚介類のお刺し身をちょっと美味しくするコツを紹介します。
レベルが上がったら、「魚を簡単にさばくコツ」もどうぞ。
魚介類全ての共通点
切り身の周りについている水分は、「ドリップ」と呼ばれて細胞からにじみ出した水分です。
生臭さの他、バイキンが増える原因にもなるので、ドリップを拭き取ってから調理します。
塩を振ると、身に残っている余分なドリップが外に出るので、ドリップを水でサッと洗ってから水を拭き取って料理すると生臭さがさらに無くなります(お好みです)。
魚の切り身、刺身用のサクなどでも活用できます。
一切れサイズのお刺し身は洗うと水っぽくなるので、どうしてもという場合は、ペーパーでポンポンはたくか、氷水で洗ってペーパーでポンポンと拭く程度でしょうか。
刺身を美味しく食べるコツ
切り身だと断面が多くてドリップが出やすくなります。
そのため、サク等のカタマリの状態でおススメの方法です。
刺身は鮮度が重要に感じますが、旨味は時間と共に増えます。
保管温度をしっかり守り、ドリップはペーパーで拭き取り(バイキンが付かないように手を洗って!)、消費期限内ギリギリで食べてみると、いつもと味が変わるハズです。
熟成?うまみ?を体験!
ちょっといいお店に行くと、出てきた時がベスト!な状態でお魚が出てきます。
↑旨味が素敵な明石のサワラ!
毎日さばきながらでない限り、なかなか難しいのですが、家庭でプチ熟成を体験する事ができます。
それは、柵を買ってきて半分食べてすぐにしまい、それを翌日に食べる事。
時間の経過により、身がほぐれて柔らかくなり、旨味が出ているハズです。
養殖のブリや鯛の柵で試して、旨味が出て柔らかい方が好きか、硬めの方が好きか、釣ったばかりのブリブリの噛み切れない硬さが好きか、自分の好みがわかってくると、どこで買うと一番好きなお刺身が食べられるかがわかります。
さらに進むと、鮮度がよいブリ1尾を1週間ぐらいかけて、様子を見ながら味の変化を楽しむ事につながり、年末年始食べ放題!の状態になります。
そろそろかなと思ったら加熱して食べたり、そもそも時間が立ちそうであれば冷凍して保管も賢い選択です。
刺身だけでなく、焼く場合も旨味は増した状態になります。
※乾燥と酸化には注意!
時間と共に空気と触れた部分が酸化・乾燥するため、極力空気が入らぬように、ラップなどで巻いて保管します。乾燥すると、サクにペーパーが張り付いてしまいます・・・。
より詳しく旨味について知りたい方、さらにその先に進みたい方は「こちら」からATPについて何となく理解してください。
応用編 魚がどのように取られたのかを想像して旨味を出してみる!
解凍カツオのサクを楽しむ
カツオの叩き(解凍)は遠洋船が釣ってすぐに一分ほどで丸魚をカチコチに凍らせて時間を停めています「こちら」。
その後、凍ったまま四分割されて表面を炙られて、凍ったままスーパーに運ばれ、解凍されるのはスーパーやトレイの中なので、半分凍った状態を見る事も多いでしょう。(カチカチならそのまま家の冷凍庫に・・も楽ちんですよね)
実は、これを食べてもうまみはイマイチ。ほぼ生きたままの状態で熟成されずに時間が停待っているためです。
これもサッパリした感じでポン酢が合うので、好きな人もいるでしょうが、旨味を増やしてみませんか?
消費期限内で、切り身ではなく柵の状態で、時間をおいてみてください。ドリップを取るペーパーは一日一回手を洗った後に変えていく事で味の変化がわかります。
生鮮カツオのサクは?
遠洋一本釣りのカツオは釣ったままの鮮度でお店に届いていますが、鮮魚で売られているカツオの刺身は、凍らずに数日熟成されている状態です。
そのままでも美味しいですが、消費期限内でさらに置いても良いでしょう。
無理せずに、自分が許容できる無理のない範囲で考えてみてください。
レベル高め!鮮魚 丸のカツオを楽しむ!
まず、いつ獲れたかを想像する必要があります。
例①)カツオが釣れて、翌日市場に並んで、スーパーに並んで・・既に2日。そこから消費期限2日だと合計4日くらい寝かせられるか??
例②)カツオが釣れて、船倉が一杯になるまで2日として、翌日市場に・・・ 合計6日くらいなら財丈夫かな??など。
市場などだと比較的わかりやすいですが、天候や時期によって一定ではないので、最終的には内臓や身の状態を見ながらチェックする必要があります。
柵でチャレンジしているうちに身の状態について目が養われるので、何度か試してから丸のカツオにチャレンジしてみて下さい!
応用編 マグロ
マグロ(解凍)も船上で冷凍されているため、解凍後すぐに切って食べると旨味が少な目です。
高級寿司屋さんでは10日以上熟成させる場合もあります。
より長い場合は、トリミングと言って、外側の、酸化・乾燥・菌が増えた部分を削っていって・・・特に熟成させる場合もあります。
温度管理やバイキンが付かないように細心の注意を払う必要はありますが、まずは消費期限内でチャレンジしてみても良いかも??
限度はありますが、刺身では厳しいかな?と思ったら加熱で食べれば大丈夫です。
缶詰も、時間をおいた方が美味しいですし「こちら」、牛肉も1‐2か月熟成させたりと、美味しい食べ物は鮮度がすべてというわけではありません。
魚は鮮度がいいと噛み応えがあるので、歯ごたえが好きな方は、どちらでも楽しめて幸せな生活を過ごせますね。