自分で化石を見つけたい!砂浜を歩いて楽しもう!ビーチコーミング
砂浜で化石や素敵なモノを探したい!採集したい!
ビーチコーミング(beach combing)は海岸に打ち上げられたものを拾ったり観察したりする楽しみ方。場所によっては化石が拾えます!
関東地方の人にオススメの東京のお隣、千葉県の「幕張の浜」で、化石を発見できるので自由研究で初めて探したい人にもおススメ。
「常識の範囲内」でマナー良く、販売とか考えずに、純粋に楽しむヨイコのために紹介します。
石の中に隠れている化石をハンマーとタガネでコツコツ掘って見つけるイメージがある化石ですが、柔らかい層に埋もれた化石は、波で洗いだされてコロンと出てきていて、砂浜を歩くだけで見つかる場所もあります。
化石の探し方@幕張の浜
東京湾岸の埋め立てで使われた浚渫土の中に化石が含まれていて、幕張の浜では化石を見つけることができます。
岩の中の化石は、岩を削ると戻せないので掘っていいのか?誰の土地か?等の議論が発生します。
その点、浚渫土であればまぁ大丈夫と考えられます。
なお、全ての貝殻について「この貝は○○という種類で化石です!」と言い切るにはプロになる必要があります。
まずは、考え方をヒントに探してみて、想像してみて、さらに深めたければ頑張って下さい。
9000年前の貝かぁ・・・・と想像するだけで十分だ!という人も多いでしょう。
貝、カニ、ウニの仲間がメインですが、堆積しているということは海の底に落ちているものがあるので、サメの歯があってもおかしくないですヨ。
注意点
夏は暑さ対策と水分補給、冬は寒さ対策を。
水場は危険な他、鋭い枝や針がある場合も油断せずに必ず保護者と一緒に楽しむこと。
ガラスビンを投げて割ったりしない事。
化石だ!と判断できる基準、考え方
①泥や砂(泥岩や砂岩)に埋まっている貝殻
→砂のような泥のようなちょっと固い堆積している中にある貝は、確実に化石だ!
②貝殻の中に石状の堆積物が入っている場合
(それぞれ角度を変えた写真です。裏表見るのがポイント!)
→同じく堆積した地層から出てきていた証拠!→化石だ!
の半分石のような泥が無くなるとどうなるのか・・・。
③ ①・②で見つけた貝殻と同じ種類の貝殻
→波で洗われて貝殻だけになった状態?いま生きている種類かどうかも考える必要があります。
この子はトウキョウホタテで絶滅種なので化石ですね。
東京湾の潮干狩りで、ある貝が打ちあがっているほど大量に獲れるか?などと考えると、不自然なので化石ではないか?等と考えられるようになり、白っぽい貝は化石の可能性が高めかな?等も想像できます。
でも、この白っぽい貝が化石だったとしても、藻が付いたりしたら・・・見分けにくくなる??ということも考えないといけないですね。
④いま東京湾には棲息していない種類
「東京湾の潮干狩りで獲れる貝」を覚えておくと、潮干狩りと化石採集で役立ちます。
化石を見つけたい人はチェック!
幕張で見つかるアカガイの仲間は、放射筋(筋の数)で見分けることができます。
ハイガイ 16本 東京湾棲息無し→化石!
サルボウガイ 32本 潮干狩りで取れる→化石とは言い切れない
サトウガイ 38本 東京湾棲息無し→化石!
アカガイ 42本 潮干狩りで取れる→化石とは言い切れない
→16本ぐらいなのでハイガイ!昔の生き物確定!→化石だ!
アカガイやサルボウのように、さばくと赤いのか??と想像できます。
左がトリガイ、右がサルボウ。化石は黒い筋が無くなっているのか。
生きているハイガイ(漁獲は有明海のみのようです)は全体的に茶色がかっています。
④現在の東京湾で取れるサイズではない!
→昔は大きく育っていたのか、大きな種類だったのか・・・。
復元サイズは想像で判断が難しいですが、こんな大きな貝が生きていればブランド物として売られているハズです。となると、これも化石だろうなぁ・・・。
⑤石になっている化石となったカニ!
→今回は見つけられなかったけれど、カニの模様が残っている「石」は化石確定ですね。
⑥化石で獲れると噂のウニの仲間(タコノマクラやらスカシカシパンの仲間)
↑別の砂浜で拾った現生のウニの仲間。化石が拾えるらしいので裏表を見て模様などを覚えて予習しておく。
↓かけらを発見。断面を見るとウニのような生き物であることは確定。
色やサイズからは化石だと思うのだけど・・・ちょっと自信なし。
化石ではない!と判断できる基準、化石と間違えやすいモノ
①生きている貝
生きていれば確実に現生(げんせい)の種類だと判断できます。
ハイガイの化石の隣のハマグリ。貝殻と思ったら生きていた!当然化石ではない!
そして、ハマグリを獲っていい場所だとしても、こんな小さなハマグリは食べてはいけない。
愛でてから海に戻しました。
②靭帯で二枚がつながっている状態
→このような状態はどの浜でもよく見れますね。
時間が経てば靭帯などは分解されてバラバラになるハズ。と考えると化石ではありません。
このように、絶対化石だと証拠がある場合と絶対違う!という場合を比較していくと、だんだんわかってきます。
この時、貝殻表面の色などを覚えておくと判断しやすくなります。
③人工物
↓これは・・・なんだかカッコイイゾ!ドキッとする!
と思ったらアスファルトだったり。
「堆積していて石が詰まっている」等と考えすぎていると、人口物である場合も。
一人一人にアドバイスはできませんが、何度も通って考えてみて目を養ってください。
満潮の時間に行くと拾いにくいので「潮見表」でチェックは海に行く時の鉄則です。
台風の直後などは期待できますが、ライバルも同じことを考えています。
何年前のものは化石と呼べる?
何年前の物が化石かという明確な定義はありません。
個人的には、堆積した地層等の中で性質が変わっていたら化石といってもいいのではないかな?数千年前の物であれば化石と呼べるのではないかな?とと考えています。
幕張の浜の貝たちは、8000-9000年前の化石と考えられています「こちら」。
※これから色々な場所の化石を集めるかもしれないので、採集した標本には日付と場所が分かるようにしておきましょう。
何が化石になる?
昔の生き物の死がいや、生きていた足跡、冷凍されたマンモスなどの、地層の中に閉じ込められた生き物の痕跡を指します。
肉などの分解されやすいものは、痕跡として残りにくいので、残りやすい骨や歯などの硬いものが化石の印象が強いかもしれませんが、足跡の上に土砂が流れる等で保存されたり、琥珀のように植物の樹液の中に虫が絡めとられてそのまま保存されることもあります。
その形や骨などがそのまま残る場合もあれば、様々な材質に置き換わることで宝石として用いられるアンモライトもあります。欲しいなぁ。
化石燃料ってなに?
昔の生き物の化石を皆さんは燃料として利用しています。
石炭:もともとは植物
石油や天然ガス:もともとは藻類、プランクトンなど
これらの化石燃料を使いすぎた事で、二酸化炭素が空気中に増えて地球温暖化が進んでいます。
逆に・・・地面の中に二酸化炭素を戻せば化石燃料を使うのと逆の事になります。
例えば海草・海藻類を増やすと、海藻類の一部が千切れて海の中に沈み、地面の下に埋まっていきます。これが多くなれば、二酸化炭素を地面の中に戻すことにつながります。
色とりどりの、打ちあがった海藻。これが海中で積もれば・・・。
海藻類はブルーカーボンと呼ばれて炭素が生態系の中に組み込まれて地球に戻っていくので、温暖化対策として有効と考えられています。
化石を探しながら、地球の長い歴史の事を考えて下さいね。
チョット難しい「カーボンの話」も読んでみて下さい。
海に落ちているものは持って帰っていいの??
判断が分かれるところですが、「海岸での採取行為と我が国の法制度」内では個人的な形であればOKという紹介がされています。
「サンゴの持ち帰りはダメ!」と決めている沖縄の例はわかりやすい!ここは国立公園?看板があるなぁ等、地域によって異なるので調べてからだと安心です。
心配な場合は、狙っている場所の管理者(都道府県など)に電話などで確認してください。
ただ、法律に明確に定められていない場合は担当の人もシッカリ返事ができません。
というのも、全てダメ!とすると、海辺での環境教育なども難しくなってしまい、現実的ではないからです。そのあたりも含めて「常識の範囲」で運用されている感じです。
海の生き物の持ち帰りは注意!
なお、水産物は地域によって獲ってはいけない種類がシッカリ決められています。
例えばワカメは地域によっては切れて流されて打ちあがっていてもダメです(自分で切り取って、打ちあがっていた!と言い始める人がいたり・・・と考えられています)。
そのあたりも知っておくと不安なく楽しめます。
化石以外に発見したモノの紹介
ビーチコーミングと言って、色々なものが見つかります。3時間歩いた例です。参考に!
※危ないものもあるので、わからないからと触らないように。安全なモノだけにしてください。
魚の骨 クロダイの背びれ?
タイの背びれでしょう。個体数が多いのはクロダイかな。
食べていれば判断できるようになるので、丸魚を食べましょう。
クルミ
沢沿いに分布を広げるクルミはよく砂浜に打ちあがっています。リスが半分に割った跡かな。
ヒゲソリのカバー
ゴミもあります。捨てないようにしないと。
段ボール?なに??
変な形の段ボール。帽子のような焦げた後を見てようやくわかりました。
夏に打ちあがったのか・・・・。
番外編
龍涎香(りゅうぜんこう)
砂浜を歩く人の夢、龍涎香。
「こちら」で正体が何か紹介しています。人生でかけらでも拾ってみたい。
カブトガニ 大分県杵築市で、ふと思い立って歩いてみた。
普段から生き物を隅々まで見ていると、時間が空いた時に浜辺を歩いて目的のものが拾えたりします。
魚の骨同様に好きな生き物の標本はじっくり見ていると・・・という例です。
歩き始めて15分。植物の破片のようなものを発見。ヘリのあたりとかが怪しい。
↓裏を見ると神経の後が。と言う事は、表の黒い点は目だね。カブトガニ確定!
この辺かな??
カブトガニは拾っていいハズだけど・・・と、一応確認に寄った役所で、「今日捨てるとこだったんで良ければ・・・」と貰った標本は、出前授業でたまに活躍しています。↓拾った部分は、前かな??
生き物を守るためのルールも色々あります。
増えた生き物は利用して減っている生き物は守る。
魚たちも減らないように上手に獲ろうと考えられています「こちらへ」。