中学校 生物 エビの外部形態観察 解剖を手軽に身近に!

エビの解剖はこのページにおまかせ!

外部形態の観察をメインとして生物・科学をもっと好きになってもらうためのページです。

「こちら」のイカの解剖よりも手軽にエビの観察!のつもりが・・・力を入れすぎたかもしれません。

※一時間では終わらないのでて説明せずに、これ楽しそう!というポイントに時間をかけて下さい。

イカ同様、血が赤くないので気持ち悪さを感じないおススメの食材ですし、イカより小さいので準備や片付けも楽です。アマエビを凍らせておけば予算もお手軽。一人当たり数十円でチャレンジできます。最後は茹でてパクっと食べてもいいですし、機材や場所の都合で廃棄しなければならない場合は、「エビの命を知識としていただく」と捉えれば、エビも許してくれるハズ。

「命」なので遊ばずに真剣に取り組んでくださいね。

準備するもの

エビ :冷凍有頭エビ(実施30分前ぐらいに流水解凍がおススメ)。

※伊勢海老などの歩くタイプのえびは・・・さばくのが大変なのでおススメしません。

ピンセットか爪楊枝:足をそろえたり、背ワタを取ります。

バット:エビを載せて観察します。紙皿でもOKです。

お湯:茹でると色と形が変わります。

最初に・・・エビをどれだけ知っているか?イメージでスケッチ(なにも見ずに宿題として書かせておくとスムーズです)

「こちら」に、↓こんなファイルがあります。自由に加工して印刷し、1-2分でなるべく詳しくスケッチをスタート。

おいしい!と食べているエビの姿・形を知らないヒトが結構多いのです。

ヒントは・・・何色足は何本目はどこにある?書いたエビの名前は

おしりの穴はココ!などもわかるかな?等と考えてなるべく細かく書いてみましょう。

自分の知識がどの程度か認識でき、わからないコトを知るために観察・解剖するのだ!とわかるハズです。

最初は知らないのが当たり前。恥ずかしがらずに堂々と書いて間違えましょう!

スケッチの答え合わせ 結果発表~!

書けた人からエビを取りに行く。宿題でスケッチ済みの場合は机に配布しておいてもOK。

エビについて

エビは大きく分けて泳ぐエビと歩くエビに分かれます。

歩くエビは上から、泳ぐエビは横から見た方が特徴がわかりやすく、種類の比較ができます。

なので図鑑などではそのような向きに書かれています。魚と同じで頭が左なのもポイント。

「こちら」からマルハニチロさんのポスターをゲットして、イラスト確認後に広げると、説明しやすいです。↓マルハニチロさんHPより。

歩くエビ:ごつごつタイプ。

泳ぐエビ:細くて泳ぎやすい形。殻はヒトが手で剥けるぐらいの固さ。

さらにしっかり描くために・・・外部形態の観察

解剖は切る作業が目的ではありません。

外部形態でこれ以上観察ができない!という場合に切る事で生き物の体が理解できるようになるのです。

というわけで、外側からわかるエビの特徴を確認していきましょう。

もちろん動かしてもいいんです。

①目で生きる場所がわかる!

泳ぐタイプのえびは目が飛び出るので下から見ても目が見えます。

カワイイ!

泳いでいる時に真下が見えないと、下から来るタイ等にパクっと食べられてしまいます。なので下もしっかり見えるように目が飛び出ます。

一方で歩くエビは・・・

腹の下は海底なので下からは敵が来ません。餌を食べたり上からの敵のために前と上を見るぐらいで真下は見えないのです。

②色ですむ深さが大体わかる!

生き抜くためには目立たない色がとても重要。

茹でると赤くなるのは後で説明しますが、生きているエビは様々な色があります。

沖縄にいるゴシキエビは五色海老と書くだけあってカラフル。光が強い地方では派手でもそこまで目立ちません。

が、基本は浅い海に住むエビは黒っぽく、深い海に住むエビは赤いです。

↓養殖クルマエビ。触覚が短く切れてしまっているけれど実際は長い。

↓天然アマエビ!深い海だと赤は目立ちにくい。

深い海にいる赤いエビは・・・人が餌やりをしたり収穫できないので天然タイプ、黒や茶色っぽいブラックタイガーやバナメイエビ、クルマエビは養殖が多いということもイメージできますね。

③身を守るトゲたち

↓しっぽの真ん中は大きなトゲ。この大きなしっぽで水をかく事で後ろに素早く逃げます。

指でツンツン触ってみよう!

頭の上とほっぺたに、前向きのトゲがあります。

頭の上のトゲは、シッポ側から←こっち向きに撫でると刺さりませんなめらかでキモチいい!

前から来た魚にはチクッと刺さる方向です。ほんとかどうか・・・→の方向に優しく触ってみてください。痛いはずです。ほっぺたのトゲもありますよ。

大きなシッポで後ろに逃げた時、刺さると・・・逃げられないですからね。

④基本は・・逃げるが勝ち。

トゲがあってもそれを使うのは最終手段。逃げるが勝ちです。

いち早く逃げるために、敵が近くに来たらすぐにわかるように長い触覚をアンテナ代わりにしています。触覚を伸ばしてみましょう!ツルンと細長いのが特徴。

一方でイセエビはタコから身を守るためのトゲのある触覚で、同じ触覚でも役割が変わります。不思議!

⑤身を守る殻と形が変わる尾

触覚で敵に気づいたり、目で見つけたら・・・素早く逃げるのに尾を使います。

逃げるように尾を動かしてみましょう。

甲殻類で硬めの殻が身体をおおっているけれど、動けなければいけません。

節があるためスムーズに体を曲げることができます。

エビが逃げるときは筋肉を縮めることで尾がキュット曲がります。

⑥節(ふし)について考える。節足動物とは?

節に足がついているので節足動物。曲がった境目が節です。

シッポの節には泳ぐ足が一つずつついています。

突然変異で全く新しい器官が作られるより、節をコピーしたり、ちょっと変わる事の方が進化しやすいので、足が26本になった事もわかります。

⑦足の機能:少しずつ機能が違います。

10脚目(じゅっきゃくもく)と呼ばれるので足が10本とも言えますが・・・

シッポ側からスプーン型の泳ぐ足10本、歩く足10本、餌をかきこむ足6本の26本ぐらいです。

ただしこれは泳ぐエビの場合。

歩くタイプの伊勢海老などでは歩く足が発達して10本脚に見えます。

では泳ぐエビでいう泳ぐ足は、歩くエビではどうなっているの??

イセエビは卵を抱えた時に卵に酸素を運ぶために使われます。

そのため、オスよりメスの方が大きくて新鮮な水を卵に送ることができます。エビの種類だけではなく性別でも少しずつ機能が変わるのです。オスの泳ぐ足部分は、ちょっと退化している感じですね。

これはきっとメスだ!

⑧エビの名前を覚えるには?

3000種以上もいると言われるエビをすべて覚えるのは大変です。

が、お店で買う時に、色や形でどんな特徴化を考えると名前が覚えやすくなります。

天然か養殖かも大体わかってきますよ。

↓石川県のエビ4種。赤いので・・深い海にいたのかな?

アマエビ、ガスエビ、モサエビ、ボタンエビ

⑨茹でると変わる、形と色!

逃げるときに筋肉を縮めることで尾がキュット曲がりました。

※茹でた時に尾が曲がるのも茹でて筋肉が縮むためなのです。

ホントかな?ヤケドに気を付けてゆでてみよう

上はゆでる前、下はゆでた後。大きさにもよりますが、沸騰して1分もすれば食べられます。

色も変わるのは、熱をかけたことで茶色い色素が壊れて赤い色素だけが残ったから。

ワカメなども熱をかけると同じように茶色→緑色に変わります。「こちら」へ。

 

※ここからレベルアップします。外部形態だけであれば、ここまでです。

本格的な解剖の場合は、ここまでが予習、教室ではここからスタートです!

⑩食べ物はどこから?胃袋のとり方

エビやカニは、丈夫で大まかに砕くような口をしています。

口の奥に胃袋があり、胃袋の中で食べ物を細かくしているので、魚の骨がある事も。

そんな口と胃袋を見ていきましょう。

餌をかきこむ足を横にかき分けると、わかりやすい。

口の奥にピンセットを立てて差し込み、つまんで引っ張ると。。。胃袋が出てきます。

ググっとひっぱると袋状のものが出てきます。↓胃袋が空でした。

胃袋がわからなかったら、切り開いてください。↓このカニと同じように胃袋の中に歯が三つあります。

口で大まかに嚙みちぎってから胃袋の中で咀嚼するので、胃袋に歯が。

⑪食べ物はどこへ?せわたの取り方

赤い線が背ワタ部分。消化された後の食べ物は、

シッポの先のお尻の穴まで運ばれます。↓イセエビのおしりの穴はココダ!

背ワタ=直腸は丈夫なので生のエビであれば一本の管のようになって取れます。

赤い線が背ワタの位置。これが分かればセワタをとる事ができます。

爪楊枝で・・・

 

青い点に、ヨウジを差し込んで黒い↑方向にひっぱると赤く示したセワタが抜けます。

途中で切れてしまった場合は緑色の点からもう一度チャレンジ。殻がある場合は隙間から刺しましょう。

ピンセットでかっこよく取る!

頭の後ろの隙間から、中心にピンセットを刺し、奥にあるであろう細い背ワタをガシっと。

掴んでひっぱると、前後につながっている背ワタが見えます。

大体先に頭の方がプチっと取れます。そこより前で消化されているのです。

おしりの穴部分までうまく取れるか、途中で切れるか・・・。

全部取れたか、体の横に置いて長さをチェック!下の写真ぐらいの長さが取れたら成功!

このエビは背ワタに何も入っていないのでお腹が空いていた(消化し尽くしている)ようです。

???スライムのような何かが背ワタの近くに・・・ナニコレ???

上:尾の殻をむいてから、背中から切った状態。緑色部分は卵で、ゆでるとオレンジ色になる。頭の方までたっぷり詰まっている。カニでいうウチコなので、食べてほしい部分!

下:卵は無く、胃袋と背ワタを抜いた状態。左下の黒い袋が胃袋。右の糸状がセワタ。

⑫みんなが食べているシッポのヒミツ

皆さんが食べている部分は・・・尾の身です。

お寿司で見るのは↓こんな感じ?

脚側から開かれていて、たたむと↓生きている姿に近くなります。

なぜ開かれているか?

・大きく見えて見た目が良くなるから。

・開いてから筋肉を切る事で、ゆでてもキュッと丸まらないから

(エビフライも同じように筋肉を切って熱をかけても丸く小さくならないようになっています)。

・セワタを取ることができるから。

⑬殻の剥き方

・エビを持ちます。
・切れ目を入れる

腹側の泳ぐ足(スプーン状の足)の根元辺りに指で切れ目を入れて殻を剥きます。

ハサミなら殻の横を切ってもOK。

頭部分は切らずに↓ベルト状になっている泳ぐ足の部分からシッポの根元まで切ります。

・殻を剥く。

頭側はとらないように、身と殻をはがしていきます。

エビを回しながら・・・頭の殻とつながっている薄皮は引きちぎり、シッポ部分は慎重に。

しっぽの先を摘まみながらひっぱると、シッポの先までキレイに取れます。

⑭エラを観察したい!

頭の殻は。簡単に剥がれます。目の下の板状の部分を左手で持ちます。

右手で目の上のトゲトゲを持ち、

上に持ち上げながら後方面にメリメリメリと剥がします。角部分もキレイに剥がれます。

外骨格!って感じがしますね。

↓ペロンと剥がれました。

この状態でエラが見えています。が、さらにエラと足をはがすこともできます!

もう一度左手で目の下の板を持って、右手で足をワサッと掴んで後ろに引っ張ります。

脚の根元のエラが剥がれていきます。

「ドヤー!」と、殻が取れました。

水に入れてみると、エラがフワッと広がる様子がわかります。

※家で解剖する場合は、大人が見ているときに独り言をつぶやきましょう。

「ふむふむ、海水中の酸素を取り込むため表面積を広げている構造だな!エビの血が赤くないのは人のように鉄で酸素を運んでいるわけではなく、銅で酸素を運んでいるからだな!鉄はヘモグロビン、銅はヘモシアニンって呼ぶんだったかな。甲殻類や軟体動物は銅で血を運ぶからイカの血も青いんだったかな」しっかり勉強している事がわかって、イセエビなども買ってもらえる可能性が高まります。

そんなこんなで、なんとなーく殻が取れました。

ざっとゆすいですぐに乾かせばちょっとした標本にできそうです。

目と口の部分がチョット難しいですが、標本づくりをしたい場合は「こちら」から。

⑮解剖後は食べちゃう??

解剖後はしっかり熱を通せば食べれるかもしれません。先生や家の人に聞きながら判断してください。

シッカリ解剖しすぎて時間がたっている場合は、命を知識としていただいたと考えましょう。

食べるときは・・・頭部分はエビの半分の重さなので、頭も付けたまま食べられるようにするとお出汁も出て美味しく食べれます。

さて、家でササっとさばけるようになったハズ。ボタンエビなどを買ってきて自宅でチャレンジしてください!

イセエビやオマールエビなども同じ構造なので、大人におねだりしてみてくださいね。

大人もビックリの「変態的なエビのさばき方まとめ」は「こちら」から!

⑯カニとの比較!

エビとカニは違う種類だけれど、とても似ています。

エビフライで食べている尾の部分は・・・カニではふんどし!フンドシとは・・・「こちら」

色々と近い仲間を比較して考えると、今まで捨てていた部分だけれど食べれるのではないか?等とわかってきたりします。

そう!フンドシは・・・セワタがあるけれど他は食べることができるのです!

解剖してどこが食べられるかわかれば、無駄にする部分も少なくなります。そういう意味で生物の体をしっかり理解する事がフードロス対策にもなり、その分海の資源を取りすぎなくてよくなるのです。

おまけ!これを知ったら研究レベル??

「全世界に魚は何種?」       日々変わる種類数。英語の勉強にもなります。

「名前の不思議 和名・英名・学名」 分類について気になり始めた人向けです。

「魚は新鮮なほど美味しい?」    熟成とATP(アデノシン三リン酸) 高校レベルかな?

 

さらに興味が湧いてきた人を、将来水産業界で待っています!

漁業者でも研究者でも、食品会社でも!どこかで会

いましょう!

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